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福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅

福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅
2025年7月21日から8月7日に、福島子どもプロジェクトを地球一周の船旅 Voyage120にて実施しました。このプロジェクトは、福島原発事故の影響を受けた子どもたちの「夢と健康」をテーマに、ピースボート、公益社団法人ピースボート災害支援センターが、NPO法人南相馬こどものつばさとともに2011年夏から始め、12回目となります。
2025年7月21日から8月7日に、福島子どもプロジェクトを地球一周の船旅 Voyage120にて実施しました。このプロジェクトは、福島原発事故の影響を受けた子どもたちの「夢と健康」をテーマに、ピースボート、公益社団法人ピースボート災害支援センターが、NPO法人南相馬こどものつばさとともに2011年夏から始め、12回目となります。

台風の影響で予定になかった香港に滞在

福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅
今年は南相馬市から中学生3名が参加しました。「海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅」をテーマに、バンクーバー、シトカ(米国)、スワード(米国)を巡り、各地域の自然や歴史、文化を学び、平和について考えるプロジェクトを実施しました。

7月21日早朝に南相馬を出発し、成田空港から香港経由でバンクーバーに向けて旅立つ予定だったのですが台風の影響で成田出発便が大幅に遅れ、香港で一泊することとなりました。

そのため、翌日は予定になかった香港の異国情緒あふれる街中を歩き、アートミュージアムの企画展示「好物有型」を鑑賞し、日本とは異なる文化や感性について学びました。

そして、その日の夜、香港からバンクーバーへ飛び、バンクーバーで一泊し、シトカ(米国)へ向かいました。

シトカ滞在といよいよ船に合流へ

福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅
3日目、シアトルを経由し、無事シトカへ到着しました。翌日はシトカ・ナショナル・ヒストリカル・パークを訪れ、ハイキングをしました。ハイキングの途中、森の中に立つトーテムポールと出会いました。その後、シェルダン・ジャクソン博物館を訪れ、トーテムの歴史や当時住んでいた人たちが身につけていたものなど、アラスカの歴史や文化を見て、学びました。

5日目、シトカでいよいよ船に合流し、船内で多くの参加者との交流が始まりました。次の寄港地のスワード(米国)に着くまでに、アラスカフィヨルドの遊覧で壮大な景色に感動し、水先案内人である自然活動家の高野孝子さんや被爆者の倉守照美さんなどから貴重なお話を聞きました。

スワードで犬ぞりを体験

福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅
7月28日に到着したスワードでは、先住民が雪の中で狩猟をしたり、ものを運んだりするときに使っていた犬ぞりを体験しました。タイヤのついた乗り物に乗り、14匹の犬に引かれて15分ほどの距離を走りました。

体験の中では、道が曲がったり下ったりするなかで、思わず叫びながらも、犬ぞりを楽しみました。犬ぞり体験後は犬をなでたり、抱っこしたりと癒しの体験にもなりました。

シトカでのトーテムポールや先住民の方々の歴史を知ったこととともに、このように伝統文化を追体験することにより、異なる文化への理解を身体を通して経験する貴重な機会となりました。

船内で南相馬の文化と歴史を紹介

福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅
9日目、この日から横浜まで洋上が続きます。洋上では、子どもたちが地元南相馬を紹介する企画を行いました。自己紹介では自分の名前を4ヶ国語の言語で紹介し、満席の参加者から大きな拍手をもらいました。

他の日には、スペイン語講座、バルーンアートやボッチャなど、多くの企画に参加しました。また、日本語、英語、韓国語、中文の通訳を行っているスタッフや小学生、中学生など他の乗船者とも交流しました。

18日間の旅から福島へ

福島子どもプロジェクト2025~海をこえてアラスカへ 多文化に触れ平和を育む船旅
15日目は「この旅を通して経験したこと」をテーマとして、二回目の発表を行いました。旅の途中でハプニングがあったものの、それを含めて楽しめたことや、ハプニングのおかげで出会えた人や景色を振り返ったり、言語の大切さを改めて実感したことなど、旅を通して経験したことを多くの人に届けることができました。また、翌日はピースボート災害支援センターのスタッフと「ゆたかさ」をテーマとして一緒に考え、多面的な視点で物事を考える必要性などを学びました。そして、船内では多くの人との出会いと別れがあり、お世話になった方々にも感謝の挨拶を行いました。

最終日は横浜に帰港し、18日間の色々な経験と思い出を胸に南相馬の家族のもとへ戻りました。

その後、11月7日に南相馬子どものつばさのスタッフと本プロジェクトに参加した子どもたち、引率者が南相馬市役所を訪問し、南相馬市長に報告を行い、その報告が福島民報に報じられました。

福島の子どもたちが置かれた状況は時間と共に変化し、当時の記憶を持つ子も少なくなっていますが、ピースボートは子どもたちのさまざまなニーズを聞き取りながら、今後も支援活動を続けていきます。

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