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福島子どもプロジェクト2023~夏の広島を舞台に、学び体験する ピーススタディーツアー~

福島子どもプロジェクト2023~夏の広島を舞台に、学び体験する ピーススタディーツアー~
2023年8月3日から7日に、福島子どもプロジェクトを広島にて実施しました。このプロジェクトは、福島原発事故の影響を受けた子どもたちの「夢と健康」をテーマに、ピースボート、一般社団法人ピースボート災害支援センターが、NPO法人南相馬こどものつばさとともに2011年夏から始め、10回目となります。

福島の子どもたちが置かれた状況は時間と共に変化し、当時の記憶を持つ子も少なくなっていますが、ピースボートは子どもたちのさまざまなニーズを聞き取りながら、今後も支援活動を続けていきます。本年は、パルシステム生活協同組合連合会の東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金の助成を受け、実施しました。
INFO
2023年8月3日から7日に、福島子どもプロジェクトを広島にて実施しました。このプロジェクトは、福島原発事故の影響を受けた子どもたちの「夢と健康」をテーマに、ピースボート、一般社団法人ピースボート災害支援センターが、NPO法人南相馬こどものつばさとともに2011年夏から始め、10回目となります。

福島の子どもたちが置かれた状況は時間と共に変化し、当時の記憶を持つ子も少なくなっていますが、ピースボートは子どもたちのさまざまなニーズを聞き取りながら、今後も支援活動を続けていきます。本年は、パルシステム生活協同組合連合会の東京電力福島第一原子力発電所事故被災者応援金の助成を受け、実施しました。

わくわくドキドキのピーススタディーの始まり

福島子どもプロジェクト2023~夏の広島を舞台に、学び体験する ピーススタディーツアー~
今年は南相馬市から中学生7名が参加しました。「夏の広島を舞台に、学び体験するピーススタディーツアー」をテーマに、原爆資料館訪問や被爆証言聴講などを通しての平和学習とともに、自然豊かな似島でのフィールドワークやバームクーヘン体験教室など、学びも遊びもたっぷり取り入れたプログラムを実施しました。

初日は福島から飛行機で広島空港へ。参加者7人のうち6人が初めての飛行機で、上空からの眺めは、まるでジオラマを見ているかのようでとても楽しかったそうです。広島到着後は、オリエンテーションを兼ねて市内を散策し、広島城や広島護国神社などを訪れ、広島の歴史や文化に触れました。

被爆地を歩き、被爆証言を聞く

福島子どもプロジェクト2023~夏の広島を舞台に、学び体験する ピーススタディーツアー~
2日目は、漫画「はだしのゲン」の舞台ともなった爆心地から一番近い本川小学校資料館や平和公園内の遺構を訪れ、被爆証言を聞きました。平和公園内は、被爆者の伊藤正雄さん、被爆二世の横山マサ子さんにガイドをしていただき、「原爆のことを思い出したくない」「崩壊の危険がある」という理由で取り壊される予定だった原爆ドームがなぜ残されることになったのか、国籍を問わず多くの人が原爆の被害にあったこと、一家や親戚全員が亡くなったため、今も引き取り手のいない遺骨が収められていることなどを学びました。

午後には被爆当時4歳で被爆した伊藤正雄さんから、ご家族の話やこれまで生きてこられた話を聞きました。お話を聞く中で、最後に伊藤さんから、「これからは君たちが主役の時代になります。どうすれば戦争を繰り返さないようになるのか考えてほしい」と参加者に投げかけました。広島平和記念資料館では、当時の状況を残した写真や絵を見ることにより、授業で習った理科の知識が戦争と繋がることを実感しました。

戦争を知り、平和の大切さを実感

3日目は、原爆負傷者の治療所にもなった似島を訪れました。「似島歴史ボランティアの会」の宮崎佳都夫さんと秋月敏勝さんにガイドをしてもらいながら、島の戦争遺構をめぐりました。原爆を落とされる前は日本最大の検疫所があったことや、原爆以外の戦争遺構は人の手が入らず少しずつ自然に還りつつあるが、2度と戦争を起こさないためには誰かが語りづいていく必要があることを学びました。

4日目は8月6日、平和公園にて広島平和式典を見学しました。参列者が静かに黙祷し、平和を祈っている姿とともに、同世代の子ども代表が言った「平和とはなんですか」がすごく心に響いた子もいました。日が沈んでからは、平和公園の横を流れる元安川で灯篭流しを見学。灯篭に平和のメッセージを書き、自分たちの手で川に流しました。

地球市民の一人として

参加者から「教科書には載っていなかった本当の被害のことを知った。もっとたくさんの人にも知ってほしい」「今回学んだことを友達にも伝えて、どうすれば戦争が無くなるのかを一緒に考えたい」と声が上がりました。子どもたちのなかで、現地を訪れたことによって教科書や歴史のなかの出来事だったものが、身近にある自分にも関わる出来事に変わった瞬間でした。
”地球市民の一人としてさまざま人と交流しともに考え平和の文化を築いていく”、今回のツアーで経験したその片鱗が、いつの日か芽を出し、次の世代へのバトンへ繋がることを願っています。

今回のプロジェクト実施にあたり、たくさんのご支援ご声援をいただき誠にありがとうございました。中学生にとって世界を広げる大切なきっかけとなるこのプロジェクト、今後も続けていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

掲載記事は以下の通りです。
8月26日・福島民報 平和への思い強く 南相馬 広島、長崎派遣の小中学生 市役所で成果報告

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