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TIME FOR PEACE:Voyage120ニューヨーク寄港イベント

TIME FOR PEACE:Voyage120ニューヨーク寄港イベント
地球一周の船旅 Voyage120でニューヨークに寄港したピースボートは、「TIME FOR PEACE―未来の世代のために」と題するイベントを開催しました。第二次世界大戦終結と国連創設から80年を迎える節目にあたり、ノーベル平和センターと共催、国連軍縮局(UNODA)の協力を得て行われたこの催しは、人々の声を広げ、つなげ、平和構築と軍縮への共同の意思を育むことを目的としています。当日は、船内にてノーベル平和センターの特別展示「A Message to Humanity」も公開されました。
地球一周の船旅 Voyage120でニューヨークに寄港したピースボートは、「TIME FOR PEACE―未来の世代のために」と題するイベントを開催しました。第二次世界大戦終結と国連創設から80年を迎える節目にあたり、ノーベル平和センターと共催、国連軍縮局(UNODA)の協力を得て行われたこの催しは、人々の声を広げ、つなげ、平和構築と軍縮への共同の意思を育むことを目的としています。当日は、船内にてノーベル平和センターの特別展示「A Message to Humanity」も公開されました。

はじめに

TIME FOR PEACE:Voyage120ニューヨーク寄港イベント
ピースボートの吉岡達也から開会挨拶があり、続いて国連事務次長兼軍縮担当上級代表の中満泉氏による基調講演が行われました。中満氏は被爆者の訴えの緊急性に触れつつ、「記憶とは過去をたたえるだけでなく、核の脅威なき未来をつくるための行動である。過去・現在・未来をつなげていくことが、私たち一人ひとりの責任だ」と強調しました。

このメッセージに続き、長崎で被爆した倉森照美さんが自身の体験を証言。Voyage120でピースボートに乗船し活動を続けていた倉森さんは、核兵器がもたらす甚大な人道的被害を語り、「『ナガサキを最後の被爆地に』――その願いを世界中の仲間と共に伝え続けたい」と訴えました。

その後、ノーベル平和センターのプログラム戦略・パートナーシップ担当ディレクター、ヘレナ・ボイデン・ラム氏が登壇。2024年ノーベル平和賞受賞団体である日本被団協の活動を世界に広めるための取り組みについて紹介しました。

第1セッション「軍縮教育と若者の役割」

TIME FOR PEACE:Voyage120ニューヨーク寄港イベント
第1セッションでは、平和ガイドとして広島平和記念公園でも活動するピースボートスタッフの高尾桃子がモデレーターを務めました。ジャマイカ駐日大使で国連軍縮諮問委員会議長のショーナ=ケイ・リチャーズ大使、国連軍縮局のサーナ・アンナラ氏、カザフスタンのユース・フォーTPNWのアリシェル・カッセンガリエフ氏、そしてピースボートの学び舎プログラム参加者代表として保坂隆玖さんらが登壇し、核兵器廃絶に向けて若者が果たす役割を議論しました。

リチャーズ大使は、核抑止論から人間中心のアプローチへの転換、市民社会やジェンダー視点を含む多様な参加、そして世代を超えた連携の重要性を指摘。「核兵器のない世界への道はマラソンであると同時にリレーだ」と語りました。若者代表のカッセンガリエフ氏は「準備が整うのを待たなくていい。声を上げること自体が大切だ」と強く呼びかけました。

音楽による平和のメッセージ

TIME FOR PEACE:Voyage120ニューヨーク寄港イベント
ニューヨークの子どもオーケストラ協会のシニアカルテットによる演奏に加え、広島で被爆を生き延びたヴァイオリンの音色が会場を包みました。このヴァイオリンは、当時広島で音楽教師をしていたセルゲイ・パルチコフ氏の愛用品で、現在は孫のアンソニー・ドラゴ氏がピースボートと共に旅をしています。さらに、被爆者の体験から着想を得た合唱曲「To Dream of Life Once More」も披露され、聴衆に深い感動を与えました。

第2セッション「混迷の時代における国際法の擁護」

TIME FOR PEACE:Voyage120ニューヨーク寄港イベント
第2セッションでは、ピースボート共同代表の川崎哲が進行役を務めました。ペース大学のマシュー・ボルトン教授、赤十字国連代表部のブレイディ・メイブ氏、小型武器行動ネットワーク(IANSA)のジョンソン・アサンテ=トゥム氏らが登壇。国際人道法が次々と踏みにじられる現状を前に、法の支配をどう取り戻すかが議論されました。

登壇者らは、地雷やクラスター爆弾、小型武器、そして核被害者など「最も影響を受けた人々」を中心に据えた30年の軍縮の歩みを振り返り、今後も被害当事者や先住民族の声を平和の議論の中心に据える必要性を強調しました。

おわりに

この日の議論と文化交流を通じ、「国際法の尊重」と「市民社会・若者・被爆者・国際機関が果たす役割」の重要性が改めて確認されました。ピースボートは、今回のイベントを起点に、平和構築・軍縮教育・持続可能な開発に向けた国際的な連携をさらに広げていきます。

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