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ニューヨーク寄港にあわせて国連で核兵器廃絶を訴えるイベントを行いました

ニューヨーク寄港にあわせて国連で核兵器廃絶を訴えるイベントを行いました
オーストリア政府の共催をえて開催した「ヒバクシャ国際署名」国連サイドイベントにて
10月10日から11日、第102回ピースボート「地球一周の船旅」で航海中のオーシャンドリーム号が、ニューヨークに寄港しました。この期間は国連総会の中でも、軍縮・安全保障のテーマを議論する第一委員会が開会中であったことから、ピースボートでは核兵器廃絶を訴える各種イベントの開催を他のNGOと協力して実施しました。
オーストリア政府の共催をえて開催した「ヒバクシャ国際署名」国連サイドイベントにて
10月10日から11日、第102回ピースボート「地球一周の船旅」で航海中のオーシャンドリーム号が、ニューヨークに寄港しました。この期間は国連総会の中でも、軍縮・安全保障のテーマを議論する第一委員会が開会中であったことから、ピースボートでは核兵器廃絶を訴える各種イベントの開催を他のNGOと協力して実施しました。

核兵器禁止条約の発効促進を呼びかけ

ニューヨーク寄港にあわせて国連で核兵器廃絶を訴えるイベントを行いました
サイドイベントで発言するキッカート大使(中央)と鈴木慧南さん(左)
10月10日(木)には、オーストリア政府国連代表部の共催を得て「ヒバクシャ国際署名」のサイドイベントを国連本部内で開催しました。

このイベントでは、「ヒバクシャ国際署名」連絡会を代表して渡米した日本被団協事務局次長の藤森俊希さんが、広島・長崎の被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名が1050万人分を超えたことを報告し、核兵器禁止条約の発効へさらなる努力を各国に呼びかけました。

同連絡会の鈴木慧南さんは、平均年齢が82歳を超える被爆者の皆さんが今なお証言をし続ける状況に対して、若い世代がより一層活発に活動をしていくことの重要性を訴えました。鈴木さんは、かつてピースボートのおりづるプロジェクトにユース特使として参加しています。

このサイドイベントには、オーストリアのヤン・キッカート大使が出席し冒頭発言をされました。大使は、被爆者のたゆまぬ努力に敬意を表しつつ、「オーストリアは核兵器を始め非人道的な被害をもたらす兵器を許さないという、その議論の最先端に常に立っていたいと思っている」と発言しました。

被爆証言と音楽の夕べ

ニューヨーク寄港にあわせて国連で核兵器廃絶を訴えるイベントを行いました
ニューヨーク・コミュニティ教会のイベントで演奏するインスハート
同日夕方には、国連近くのニューヨーク・コミュニティ教会でコンサートイベントが催されました。「被爆証言と音楽の夕べ」と名付けられたこのコンサートイベントでは、広島で被爆した藤森さんの証言のあと、現役医師の音楽ユニット「インスハート」が演奏を行いました。

彼らが最後に英語で披露した「おばあちゃんののこしもの」は、長崎の被爆者3人の話がもとになった歌です。そのまっすぐな歌詞は、聴衆に大きな感動をもたらすと同時に、被爆証言の継承のひとつの形を見せてくれました。

演奏のあとは、ニューヨークの若者やメキシコ在住の被爆者である山下泰昭さん、そして女優の東ちづるさんがそれぞれに平和の尊さを訴えました。現地で活動するNGO「PEAC研究所」の若者たちも発言しました。ピースボートからは川崎哲が挨拶をしました。

差別や分断、争いが終わらない世界だからこそ、憎しみではなく分かり合い、分かち合うことを平和の原動力にしていくことが大切であると、会場全体が実感する会となりました。

この日の一連のイベントは、「ヒバクシャ国際署名」連絡会が主催し、ピースボートが創価学会インタナショナル(SGI)とともに開催に協力したものです。

ヒバクシャ国際署名の提出

ニューヨーク寄港にあわせて国連で核兵器廃絶を訴えるイベントを行いました
左から、署名を受け取るヨレンティ議長と中満上級代表
翌11日(金)は、一連のイベントのハイライトともいえる、ヒバクシャ国際署名の目録の提出がありました。

この日の午後1時過ぎ、藤森さんは第一委員会の議長を務めるボリビアのサチャ・ヨレンティ大使と中満泉国連軍縮担当上級代表(事務次長)に1,051万7,872人の署名の目録を手渡しました。

ヨレンティ議長は「ボリビアが核兵器禁止条約に署名・批准していることを誇りに思う」とした上で、広島を訪問したことがあると紹介しながら改めて被爆者の活動に感謝し、中満事務次長は「被爆者の方々の支援とエネルギーをいただきながら頑張っていきたい」と藤森さんに述べました。

船上では若者向けの軍縮イベント

ニューヨーク寄港にあわせて国連で核兵器廃絶を訴えるイベントを行いました
ピースボート船上の軍縮イベントでディスカッションする世界の若者たち
一方、マンハッタンに停泊中のピースボート船上では、国連軍縮部(ODA)とピースボートの共催で「人類共通の未来を守るためのユースチャンピオン(Youth Champions for Securing our Common Future)」と題する若者向けのイベントを行いました。

来年が国連設立75周年ということにちなみ、75名の若者の参加を募って、国連事務総長が昨年発表した「軍縮アジェンダ」を主軸としたプログラムを実施しました。

前半は、アジェンダで挙げられている「人類を守るための軍縮」、「人命を救うための軍縮」、そして「未来世代のための軍縮」という3つの優先課題に呼応する形で、核兵器、小型武器、自律型致死兵器をテーマとした3部制のパネルディスカッションを行いました。ピースボートの畠山澄子が全体の司会進行をしました。

それぞれのテーマに対して、国連、各国政府、市民社会を代表して3名のパネリストが参加し、各視点から課題や今後の展望を議論しました。

続く後半は、パネルディスカッションを踏まえて参加者自身がアクションを考えました。テーマごとにグループに分かれ、自分たちが実際に行うことができる具体的なプロジェクト案を話し合いました。

議論の中では学校でのイベントの案から、軍縮に関する情報を提供するオンラインプラットフォームまで、様々な案が出されました。

ピースボートでは、今回培った国連や各国政府、NGOとのパートナーシップを活かしながら、来年のNPT再検討会議、また戦後75周年に向けて、核なき世界への取り組みを一層加速させていきます。

広く報道されました

一連のイベントは、以下の通り広く報道されています。

2019年10月8日 西日本新聞 医師2人、NYで原爆歌う 長崎大出身の「インスハート」 体験や患者の人生を曲に
2019年10月8日 サンケイスポーツ 現役医師ユニット「インスハート」、平和を願いNYで10日にライブ
2019年10月11日 NHK 核廃絶「保有国の協力得る努力が必要」 NYの軍縮イベント
2019年10月11日 時事 核保有国と非保有国の協力訴え=被爆者藤森さん、国連で証言
2019年10月11日 NHK World UN disarmament committee begins discussions
2019年10月11日 Nippon.com / Jiji Hibakusha Seeks Cooperation between Nuclear Haves, Have-Nots
2019年10月11日 Japan Times / Jiji A-bomb survivor Toshiki Fujimori urges nuclear haves and have-nots to join hands on abolition
2019年10月12日 NHK 核のない世界願う1000万人署名 国連に提出 被爆者代表
2019年10月12日 広島テレビ ヒバクシャ国際署名 国連に提出
2019年10月12日 TBS 「ヒバクシャ国際署名」約1050万人分、国連に提出
2019年10月12日 中日新聞ほか/共同 核廃絶1千万署名を提出 被爆者、国連委議長に
2019年10月12日 毎日新聞 核廃絶1000万署名を国連委議長に提出 被団協
2019年10月12日 毎日新聞 核廃絶に向け「被爆者は負けない心持つ」 1000万署名を国連委議長に提出
2019年10月12日 朝日新聞 1千万筆超のヒバクシャ署名、国連に提出 核全廃訴える
2019年10月12日 産経新聞 1000万人超の核廃絶署名提出 国連
2019年10月12日 Nippon.com / Jiji Hibakusha Submits 10 M. Signatures for Nuke Abolition to U.N.
2019年10月12日 東京新聞 核廃絶署名1000万筆 被爆者団体が国連提出
2019年10月14日 Reaching Critical Will First Committee Monitor Hibakusha Appeal: Over 10 million signatures submitted to the UN (Kimiaki Kawai and Akira Kawasaki)
2019年10月21日 Reaching Critical Will First Committee Monitor Youth champions for securing our common future: 75 youth members plan actions as agents for change (Sumiko Hatakeyama and Meri Joyce)
2019年11月13日 RCC中国放送 ヒバクシャ国際署名 1051万人分届け帰国報告

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