世界325の金融機関が81兆円を核兵器製造企業に提供。日本からは8銀行等―ICAN2019年版レポート

プロジェクト:核廃絶
世界325の金融機関が81兆円を核兵器製造企業に提供。日本からは8銀行等―ICAN2019年版レポート
核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)による「核兵器にお金を貸すな」プロジェクトの一環で、オランダのNGO「PAX」が、核兵器製造企業に対する世界の金融機関による投資について調査し発表しています。ピースボートは、この2019年版報告書(2019年6月)の主要部分と日本の金融機関に関わる部分を翻訳し編集しました。

世界18の核兵器製造企業への投資を調査

世界325の金融機関が81兆円を核兵器製造企業に提供。日本からは8銀行等―ICAN2019年版レポート報告書「私たちの安全を脅かす取り引き」(2019年6月)
「私たちの安全を脅かす取り引き」と題するこの報告書(2019年6月)によると、2017年1月から2019年1月の間に、世界325の金融機関が7,480憶ドル(約81兆円)以上を主要な核兵器製造企業18社に提供しています。該当金融機関は28カ国に325社あり、昨年の調査時に比べて金融機関の数は減りしましたが、国の数は増えました。また、325社のうち90社は今回新たに核兵器製造企業への投資が分かった金融機関で、これらの機関による投資額は1,078億ドルでした。

日本の金融機関で核兵器製造企業に投資をしていることが分かったのは日本政策投資銀行、芙蓉総合リース、三菱UFJフィナンシャル、みずほフィナンシャル、野村、オリックスコーポレーション、SMBCグループ、三井住友トラストの8社で、投資の総額は256億ドルにのぼります。前回の調査で名前が挙がっていた千葉銀行は投資をやめました。新たに日本政策投資銀行と芙蓉総合リースが投資をしていることが分かりました。2018年の調査と比べて金融機関数は1社増、合計投資額は約70 億ドル(38%)の増加となりました。

世界94の金融機関が核兵器にお金を貸すのをやめた

世界325の金融機関が81兆円を核兵器製造企業に提供。日本からは8銀行等―ICAN2019年版レポート
本調査ではまた、2017年後半以降、世界94の金融機関が核兵器製造企業への投資をやめたことが明らかになりました。金額にして、少なくとも555億ドルになります。これは、核兵器を非人道兵器と断じた核兵器禁止条約(2017年7月に国連で採択)がもたらした効果と言うことができるでしょう。国内外で、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素を考慮した「ESG投資」という概念が浸透してきています。この中で、核兵器を含む非人道的な兵器の開発に関わらないと明記する金融機関が増えています。

このたびの報告書にはまだ掲載されていませんが、日本では、りそなホールディングス(2018年11月)や九州フィナンシャル・グループ(2019年7月)が核兵器製造企業と取引しない方針を発表し注目されています。

なお、前回の報告書が発表された際、ピースボートはそのときに核兵器製造企業に投資していると名指しされた全7銀行等に質問状を送付し回答を得ています。質問と回答は、このページの下にリンクされている2018年3月の記事「世界20の核兵器製造企業に329の金融機関が55兆円を提供。日本からは7銀行等が2兆円―ICANが新レポートを発表」をご覧ください。

関連報道

「核兵器にお金を貸すな」プロジェクトの責任者であるPAXのスージー・スナイダーが9月中旬に来日しました。その機会に、この一連の問題が以下のように報道されています。

2019年9月23日 毎日新聞(京都) 核兵器メーカーへの投融資、回答は20社中3社 反核医師の会がアンケ 金融機関対象
2019年9月24日 朝日新聞 核廃絶へ「融資させない運動」 預金者誰もができること
2019年9月24日 東京新聞 核兵器製造会社への投融資 「日本の金融8社 実施」

報告書などはこちらから

ICAN/PAXによる元の報告書(英語)はこちらから

インフォメーション

ピースボートの活動
PROJECTS