戦後80年、世界を巡り、平和で持続可能な地球社会をつくる
ピースボートは、戦後80年を迎えるにあたり、核兵器廃絶やガザでの即時停戦、人権・平和の尊重、気候危機など地球規模の課題に取り組む声明を発表しました。
戦後80年、世界を巡り、平和で持続可能な地球社会をつくる
今年は第二次世界大戦の終結、そして広島・長崎への原爆投下から80年となります。また、他のアジア諸国にとっては、日本による植民地支配や侵略戦争からの解放から80年となる節目の年でもあります。
そこで、私たちはこの4~8月の地球一周の船旅 Voyage120において特別プロジェクトを実施すると同時に、8月10日には大阪・関西万博の関連行事として国連パビリオンとの共催船上イベント”Time for Peace “を行いました。これらを通じて、核兵器廃絶とガザでの即時停戦、そして緊急人道支援を訴えてきました。
ピースボートは1983年、冷戦の時代、「過去の戦争を見つめ未来の平和をつくる」という思いで、アジアの隣国を訪問する国際交流の船旅を始めました。1990年代には湾岸戦争に衝撃を受け、地球環境の危機に目覚め、地球一周の船旅を開始しました。
また、2000年からは国連と協力してSDGsキャンペーンに取り組むとともに、世界各地の紛争や気候危機といった現代のグローバル課題を体験的に学ぶ機会を船旅を通じて提供し続けてきました。
しかし、現在、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルによるガザでのジェノサイドなど国際法違反や深刻な人権侵害が繰り返されています。
また、世界各国で自国中心主義の勢力が台頭し、多国間協調や国際的な人権規範が軽視される傾向が強まっています。こうした動きは、国際社会が長年築いてきた「法の支配」の原則を揺るがし、「力による支配」へと世界秩序を変質させつつあります。こうした中、世界の軍事費は増大し、各国は軍拡競争を進めています。NATO諸国を含め、核保有国やその同盟国の多くは「核抑止力の強化を図っており、核戦争の危機がかつてなく高まっています。日本においても、2022年の「安保三文書」の下で大軍拡が進められています。こうした流れを転換させなければなりません。
ピースボートでは2008年から、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)と協力し、広島・長崎の被爆者の方々に乗船いただき、世界各地で証言活動を行ってきました。被爆者の方々の声を伝えていくことは、核兵器の非人道性が国境を越えて理解され、「核のタブー」を強化する力となると信じて実践しています。さらに、日本被団協の活動を紹介するノーベル平和賞洋上特別展「A Message to Humanity」がVoyage120から船上に設置され、世界中で2000人以上の人々が鑑賞しています。私たちはこの取り組みを続け、核兵器禁止条約への署名・批准をさらに広げていきます。
私たちが今、目指すべき道は、「人権・平和」という普遍的な価値観を軸に、持続可能性という価値観を加えた新たなグローバリゼーションの構築です。気候危機、核兵器、武力紛争、海洋汚染、ジェンダー、移民など、現代の課題はいずれも一国単独では解決できません。そしてその土台には、80年前に創設された国連の「紛争の平和的解決」という基本原則が据えられるべきです。
既存の資本主義に依拠したグローバリゼーションが生んだ分断と排外主義を、人権・平和・持続可能性を軸とした新たなグローバリゼージョンで国境を超えてつながり乗り越える――そこにこそ、21世紀を生きる私たちの責務と希望があると信じます。
そこで、私たちはこの4~8月の地球一周の船旅 Voyage120において特別プロジェクトを実施すると同時に、8月10日には大阪・関西万博の関連行事として国連パビリオンとの共催船上イベント”Time for Peace “を行いました。これらを通じて、核兵器廃絶とガザでの即時停戦、そして緊急人道支援を訴えてきました。
ピースボートは1983年、冷戦の時代、「過去の戦争を見つめ未来の平和をつくる」という思いで、アジアの隣国を訪問する国際交流の船旅を始めました。1990年代には湾岸戦争に衝撃を受け、地球環境の危機に目覚め、地球一周の船旅を開始しました。
また、2000年からは国連と協力してSDGsキャンペーンに取り組むとともに、世界各地の紛争や気候危機といった現代のグローバル課題を体験的に学ぶ機会を船旅を通じて提供し続けてきました。
しかし、現在、ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルによるガザでのジェノサイドなど国際法違反や深刻な人権侵害が繰り返されています。
また、世界各国で自国中心主義の勢力が台頭し、多国間協調や国際的な人権規範が軽視される傾向が強まっています。こうした動きは、国際社会が長年築いてきた「法の支配」の原則を揺るがし、「力による支配」へと世界秩序を変質させつつあります。こうした中、世界の軍事費は増大し、各国は軍拡競争を進めています。NATO諸国を含め、核保有国やその同盟国の多くは「核抑止力の強化を図っており、核戦争の危機がかつてなく高まっています。日本においても、2022年の「安保三文書」の下で大軍拡が進められています。こうした流れを転換させなければなりません。
ピースボートでは2008年から、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)と協力し、広島・長崎の被爆者の方々に乗船いただき、世界各地で証言活動を行ってきました。被爆者の方々の声を伝えていくことは、核兵器の非人道性が国境を越えて理解され、「核のタブー」を強化する力となると信じて実践しています。さらに、日本被団協の活動を紹介するノーベル平和賞洋上特別展「A Message to Humanity」がVoyage120から船上に設置され、世界中で2000人以上の人々が鑑賞しています。私たちはこの取り組みを続け、核兵器禁止条約への署名・批准をさらに広げていきます。
私たちが今、目指すべき道は、「人権・平和」という普遍的な価値観を軸に、持続可能性という価値観を加えた新たなグローバリゼーションの構築です。気候危機、核兵器、武力紛争、海洋汚染、ジェンダー、移民など、現代の課題はいずれも一国単独では解決できません。そしてその土台には、80年前に創設された国連の「紛争の平和的解決」という基本原則が据えられるべきです。
既存の資本主義に依拠したグローバリゼーションが生んだ分断と排外主義を、人権・平和・持続可能性を軸とした新たなグローバリゼージョンで国境を超えてつながり乗り越える――そこにこそ、21世紀を生きる私たちの責務と希望があると信じます。