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【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために

【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために
乗客自らが趣味や特技を活かして企画をつくる「自主企画」は、ピースボートクルーズならではのユニークな取り組みです。毎回乗り合わせる人々は変わるため、どのクルーズでも多様で幅広い企画が日々生まれ、さまざまな交流が育まれています。乗客自らが発案者となって企画・運営される自主企画は、日本のほかに台湾や中国、韓国、シンガポール、マレーシアなどアジア各地からの参加者が集うピースボートの船内で、どのように変化しているのでしょうか。

およそ250名の非日本語話者が乗船したVoyage121に自主企画担当として乗船したクルーズスタッフの右田典子さんに、船内も国際化するピースボートの面白さについて聞きました。
乗客自らが趣味や特技を活かして企画をつくる「自主企画」は、ピースボートクルーズならではのユニークな取り組みです。毎回乗り合わせる人々は変わるため、どのクルーズでも多様で幅広い企画が日々生まれ、さまざまな交流が育まれています。乗客自らが発案者となって企画・運営される自主企画は、日本のほかに台湾や中国、韓国、シンガポール、マレーシアなどアジア各地からの参加者が集うピースボートの船内で、どのように変化しているのでしょうか。

およそ250名の非日本語話者が乗船したVoyage121に自主企画担当として乗船したクルーズスタッフの右田典子さんに、船内も国際化するピースボートの面白さについて聞きました。

船内も国際化するピースボート

【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために
右田典子さん(写真左)
私は2010年頃からクルーズスタッフとしてピースボートの船旅に乗船していました。アジア圏からの参加者の方々と共に地球一周をしたのは2017年4月出航の第94回ピースボートが初めてです。ピースボートにアジア圏からの参加者が乗船するようになったのがちょうどその頃だったので、わりと初期から多文化・多国籍クルーズを体験しているほうだと思います。

日本以外に韓国や中国大陸、台湾、シンガポールなどからも参加者が乗船するようになったことで洋上でも国際交流ができるようになり、本当に船内空間が国際化したように思います。その変化はポジティブに受け止めていました。私は日本語しか喋ることができないので、海外の方と深い話ができたりするわけではないのですが、日常的なあいさつやちょっとしたコミュニケーションを通じて日々交流は生まれるので、言葉は通じなくとも近い存在として感じられるようになりました。

多言語化する船内で自主企画担当として心がけたこと

【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために
自主企画申請ひろばの様子
船内各所で開催される自主企画ですが、それぞれの企画を実施するにはまず「自主企画申請ひろば」でエントリーをする必要があります。この申請広場は、自主企画担当のスタッフにとってクルーズの軸となる業務のひとつ。そこでの案内は、どの言語の話者にも平等に伝わるように必ず日本語だけではなく英中韓も加えた四言語で実施していました。

自主企画申請広場は雰囲気もカジュアルですが、れっきとしたピースボート事務局によるオフィシャルな企画です。四言語でおこなった結果、余分に時間がかかったとしても、それが船内のスタンダードで四言語の案内を聞いて待つことを「当たり前」にしたかったんです。内心「こんなの長くてやってられないよ」と思っている人もいたかもしれませんが、四言語での案内が初めてだから長く感じるという側面もあるでしょうし、四言語での案内があるものなのだと認識するようになればそれが普通になっていきます。

大切なのは”選べる”こと

【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために
共に自主企画を担当したスタッフのメンバーたち
もともと自主企画は、その企画を実施する人の話す言語がわかる人のみを対象にするケースがほとんどでした。そのため、日本語でおこなう企画には基本的に日本語話者しか来ません。でも、音楽を聴いたり身体を動かすような企画だったら、そこで話されている内容が100%理解できなかったとしても、音楽に耳を傾けたり見よう見まねで踊ったりと、意外と一緒に楽しめる要素もたくさんあるんです。

例えば歌や踊り、スポーツ、折り紙などの企画には、言語的なサポートはないけれど企画を楽しめますという意味を込めて船内新聞(※)に★マークをつけていました。はじめはイメージが湧かなくても一度やってみると意外と成立するものですし、★マークを付けたことで「外国の方も参加してくれた」と喜んでくれる企画者の方もいらっしゃいました。

もちろん船内新聞に印がついたからといってそうした自主企画のすべてに日本語を話さない方が参加したわけではないのですが、大切なのは、自分がどの企画に参加するか「選べる」ことで、言語にかかわらず楽しめる企画を充実させることはピースボートの姿勢として心がけたことでした。
※船内新聞:翌日のイベントや講座の場所や開始時間を記載。前日の夜に船室に届く

ピースボート特有の助け合い精神

【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために
茶道体験の自主企画の様子
私がすごくいいなと思ったのは、★マークのついた自主企画に日本語がわからない方が参加すると、その人のために周囲が動き出すという光景がよく見られたことでした。その企画の参加者の中で少し英語ができる方がやりとりをサポートをしてくれたり、その人のために浴衣を借りに奔走してくれたりとか、そうした交流が生まれる様子を見ることができたのは自主企画の担当者としてとても嬉しかったです。

ピースボートの船内は、不思議とこうした互助会のような助け合いの精神が育まれるんですよね。やはり同じ船で旅をしているためか、場所や時間がわからなくて困っている人がいたら言葉が通じなくてもその言語ができる人を探したり、カタコトの英語でコミュニケーションを試みたりと、そうした「おせっかい」が生まれやすいのはピースボートの面白いところだと思います。

めぐりめぐるつながりの輪

【特集:共生の船】多言語が”普通”で”当たり前”な船内をつくるために
船内では言葉の垣根を越えたつながりが生まれる
もともと船内で国際交流をするつもりはなかった人でも、自分の企画に海外の方が参加してくれたことが嬉しくなったり、言語が通じなくても困ってる人に手を差し伸べようとしたりという様子を目にします。そう考えると、多言語・多文化への対応というのも、めぐりめぐって誰もが本来の自分を表出することにつながってるのかもしれませんね。

誰にとっても過ごしやすいということは、船内のマジョリティである日本語話者もその恩恵を受け取っているはずです。もちろんその状態を目指す過程で摩擦が生じることもあるでしょうが、多言語・多文化している船内のほうが絶対に豊かで、それ以前と比較してピースボートの旅はさらに面白くなっていると思います。

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