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Voyage117「ヒバクシャ地球一周 証言の航海~世代と国境を越えて~」が世界12寄港地で核なき世界を求めました

Voyage117「ヒバクシャ地球一周 証言の航海~世代と国境を越えて~」が世界12寄港地で核なき世界を求めました
カナダ・バンクーバーの大学での証言会(2024年7月8日)
ピースボートは、被爆国・日本を本拠とする国際NGOとして、核兵器の非人道性を世界に訴えることが世界的な使命だと考えています。2008年より「ヒバクシャ地球一周証言の航海」を行い、これまでに170名以上の被爆者とともに地球を周りながら、「核なき世界」への国際世論を高めてきました。
カナダ・バンクーバーの大学での証言会(2024年7月8日)
ピースボートは、被爆国・日本を本拠とする国際NGOとして、核兵器の非人道性を世界に訴えることが世界的な使命だと考えています。2008年より「ヒバクシャ地球一周証言の航海」を行い、これまでに170名以上の被爆者とともに地球を周りながら、「核なき世界」への国際世論を高めてきました。
2024年4月出航の地球一周の船旅 Voyage 117では、コロナ禍により数年間できなかった「ヒバクシャ地球一周証言の航海」を再開しました。被爆者3名(広島1名、長崎2名/長崎1名は一部乗船)と、核実験の影響を訴える米国人核被害者(風下住民)に加えユース2名(中国出身者、日本/フランス出身者)が世界12寄港地でICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のパートナーや各国の自治体に迎えられ、世代と国境を越えて交流をしました。


核被害の実相を伝え、各国の核廃絶への機運を高めました

Voyage117「ヒバクシャ地球一周 証言の航海~世代と国境を越えて~」が世界12寄港地で核なき世界を求めました
セイシェルのラムカラワン大統領(中央)と田中稔子さん(2024年5月1日)
広島・長崎への原爆投下や、世界各地で行われた核実験が、人間に何をもたらしてきたのかという被害の実相を伝えました。また、2021年に発効された核兵器禁止条約の意義を広め、核廃絶に対する活動の機運を高めました。

5月1日、ポートビクトリア(セイシェル)で、ワベル・ジョン・チャールズ・ラムカラワン大統領と、大統領夫人を表敬訪問しました。被爆者の田中稔子さんによる英語での被爆証言に続き、ユースのジョエル・クリストフさんからは、核兵器禁止条約に批准するなど率先して非核化を目指すセイシェルへの敬意と感謝を述べました。大統領は真剣に証言に耳を傾け、「当時の生存者から直接話を聞くことはとても意味がある。改めて核兵器のない、美しい空と海を未来の子どもたちに渡したい」と、核廃絶と気候変動へのさらなる取り組みを約束しました。

5月31日、核兵器国フランスのル・アーブルでは、核兵器反対を訴え、平和の価値観を伝える教育に力を入れているゴンフレヴィル・ロールシェ市のアルバン・ブルーノ市長に迎えられ、中学生・市議・ICANを始めとする市民団体メンバーに向けて証言会を実施しました。その後、ル・アーブル市外交担当兼副市長のカロライン・レクラークさんとも面会し、核に関する政策の意見交換を行ないました。ICANフランスのジャンマリ・コリンさんからは、核兵器禁止条約に賛同するシティー・アピールへの署名を促しました。

6月23日、カルタヘナ(コロンビア)では、CCCM(コロンビア地雷廃絶キャンペーン)主催のイベントにて地元市民へ向けた証言会を開催しました。平和教育の大切さを再認識したという教師や、被爆者の小川忠義さんと孫の長門百音さんが行っている「忘れないプロジェクト」※への協力を約束するものなど、多くの意見が寄せられました。証言会後には、外務省軍縮担当者と核兵器禁止条約に関する意見交換会をもち、被爆者から直接、核兵器禁止条約への理解、署名への感謝を述べ、次のステップである批准を求めました。
※長崎に原爆が投下された日のことを風化させないために「8月9日午前11時2分にシャッターを切ろう!」と呼びかけ、写真を集めているプロジェクト。小川忠義さんが2009年から続けているプロジェクトです。

6月27日、プンタレナス(コスタリカ)では、「軍隊を持たない国」であるコスタリカの外務副大臣も参加し、国連平和大学と国立大学UNEDの共催イベントにて証言を行いました。今回のクルーズで行われていたプロジェクトの一つである「ウクライナ・ユース・アンバサダー」と、水先案内人として乗船していた米国の核被害者メアリー・ディクソンさんも発言し、外務副大臣、駐日コスタリカ大使、NGO団体関係者や学生と共に、今後の世界の平和構築に関する考えを共有する機会となりました。

世代と国境を越えた多くの人々とともに

Voyage117「ヒバクシャ地球一周 証言の航海~世代と国境を越えて~」が世界12寄港地で核なき世界を求めました
スペイン・カナリア諸島にあるラスパルマスのテルデ市役所で、青少年ユース(小学生低学年から高校生までの幅広い年代約60名)に被爆体験を伝えました。(2024年5月25日)
各国の事情や核兵器政策などを学んだうえで、プレゼンテーションの仕方や話す内容を変える工夫をし、核兵器をなくすための歩みについて広い視点で考えました。

4月18日、中国の深圳では、ピースボートが国際運営団体を務める「武力紛争防止のためのグローバルパートナーシップ(GPPAC)」で繋がりのある「チャハル・インスティテュート(察哈尔学会)」のメンバーを船内へ招き、「日中平和のための市民対話イベント」を実施しました。同インスティチュート主席研究員の邱国洪大使からは、時間をかけて互いを理解し両国間の友好関係を築くことの大切さが語られました。また、中国出身のユース、ロンユアン・ファンさんは、語り続けてきた被爆者の勇気を讃え、核兵器が使用されれば世界に終止符が打たれることを伝えたいと発言しました。

5月11日、ケープタウン(南アフリカ)では、アフリカとグローバルサウスの発展と平和構築のために、科学や教育などさまざまな面からAIを研究している「Equiano Institute(エクイアノ研究所)」メンバーと意見交換会を実施しました。「アパルトヘイトを経験した南アフリカの人だからこそ伝えられることは何か」と問われた田中稔子さんは、「戦争は何もしなくても発生するが平和は訴え創り続けなければなくなってしまう」と答え、共感が生まれました。

5月25日、ラスパルマス(スペイン)にある「9条の碑」(スペインがNATOに加盟する際に、非武装の理念に共感して建てられた)とそれがあるヒロシマナガサキ広場を訪問しました。また、地元ユースチームに向けて証言会をおこない、「話していただいた(被爆)体験が二度と繰り返されないように、今後一緒に考え平和をつくっていきましょう」と心強いメッセージをもらいました。

6月2日、ティルベリー(イギリス)では、核軍縮キャンペーン(CDN)と英国のクエーカー教徒をはじめとする多くの団体の共催イベントにて、市民へ向けた証言会と交流会を開催しました。午後からは核兵器廃絶に向けて、効果的な方法を研究するEffective Altruism(効果的利他主義)コミュニティに、世界中から集った約300名の若者に向けて話をしました。

6月16日、17日に訪れたニューヨーク(米国)では、一日目にマンハッタン計画などの原爆開発の関連現場を訪れ、核兵器の開発・使用・禁止に関わるニューヨーク市の取り組みを学びました。二日目には、国連軍縮局の#Youth4Disarmamentプロジェクトとの協力で「未来の世代のために平和な明日を築く」を開催しました。グローバルヒバクシャ(米国とマーシャル諸島の核被害者)とともに証言をし、次世代の核兵器廃絶活動にむけて、どんな活動ができるのかを話し合いました。

7月8日、バンクーバー(カナダ)のサイモン・フレーザー大学にて、カナダを代表する人道的軍縮団体Mines Action Canada (MAC)主催で、証言会と交流会を実施しました。大学生とNGO関係者、在バンクーバー日本国領事館の方やカナダ・アジア太平洋財団の方が参加しました。

プロジェクトメンバーも各地で学びました

Voyage117「ヒバクシャ地球一周 証言の航海~世代と国境を越えて~」が世界12寄港地で核なき世界を求めました
アイスランド・レイキャビクのホフディハウスにて(2024年6月9日)
4月22日、シンガポールの国立歴史博物館と、日本軍により虐殺された人を追悼する「血債の塔」(正式名称:日本占領時期死難人民記念碑) を訪れました。田中煕巳さんは「(当時は)イギリスの支配からシンガポールを解放させるための戦いだと教えられてきたので、日本の侵略の歴史を知るのは複雑(な気持ち)だが、原爆被害を伝えるには同時に、日本が何をしてきたのか(という加害の事実)を知り、伝えていくことも必要」と話しました。

6月9日、レイキャビク(アイスランド)では、過去に米国とソ連との会談が行われ、「すべての核兵器を禁止する」との提案まで至った歴史的な建物、ホフディハウスを訪問しました。ウクライナ・ユース・アンバサダーと一緒に見学したこともあり、核兵器廃絶や現在も続く戦争終結に向けての思いを新たにしました。

12か国で証言し、横浜に帰港しました

12か国で約1000名に直接語りました。国の代表や学生などの市民との交流を通して伝えてきたのは、核兵器が使用された時の壊滅的な被害についてです。それが意図的に使用された場合はもちろん、人的なミスや誤解により爆発したとしても、世界を混乱と恐怖に陥れることを伝えることができました。 今回は、ユースの多言語スキルのお陰で直接現地の方々と語り合うことができ、グローバルヒバクシャの1人であるメアリー・ディクソンさんとも経験を共有できたことが大きな成果でした。クルーズは7月26日に横浜に帰港しました。

日本国内および各国のメディアで、今回の活動が取り上げられました(一例紹介)

4月7日中国新聞・核廃絶願い5度目航海へ 7年ぶり 18か国に寄港「愚直に証言を」
4月8日・長崎新聞 未来見据え「証言の航海」へ
4月13日・共同通信 ピースボートが横浜出港 ウクライナの若者も乗船
4月14日・毎日新聞 核廃絶や平和訴え 被爆者とウクライナの若者乗船 横浜・ピースボート出港
6月28日・TBSラジオ 『荻上チキ・Session』 6月28日(金)
7月3日・週刊ニューヨーク生活 NYで被爆者が証言
7月11日・毎日新聞 船上で語る 核の恐ろしさ

以下の動画(Youtube)は、出港前に取材を受け、放映された内容です。
5月9日・長崎放送 被爆1世・3世が被爆証言の旅「モネとじいじの平和の航海」

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