パンフレットをでお届け
資料請求

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
ピースボート地球一周の船旅Voyage117がヨーロッパ区間を航行する間、ウクライナ・ユース・アンバサダーは各地の港で重要な出会いと学びを得ました。

これらの出会いを通じて、ヨーロッパ諸国とウクライナとの関係を見つめ直し、またロシアによる侵略を終わらせ公正で持続可能な平和をウクライナにもたらすべくEUが担う役割を理解することができました。
ピースボート地球一周の船旅Voyage117がヨーロッパ区間を航行する間、ウクライナ・ユース・アンバサダーは各地の港で重要な出会いと学びを得ました。

これらの出会いを通じて、ヨーロッパ諸国とウクライナとの関係を見つめ直し、またロシアによる侵略を終わらせ公正で持続可能な平和をウクライナにもたらすべくEUが担う役割を理解することができました。

ポルトガル(リスボン)

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
5月28日、ポルトガルのリスボンに到着したユース・アンバサダーは、まずウクライナ大使館を訪れました。

そこでは、アナトリー・ピサレスキー(Anatoliy Pysaresky)副大使およびオレクサンドラ・ベズスメルトナ(Oleksandra Bezsmertna)二等書記官から、ポルトガルおよびEUによるウクライナへの軍事的・政治的支援について説明を受けました。

さらに、ポルトガルの欧州委員会代表部で政治顧問のジョアナ・クルーズ=シリング氏(Ms Joana Cruz-Schilling)からは、「ウクライナはEUにとって最優先事項であり、これからもそうであり続ける、そしてEUは長期にわたり無条件の支援を続ける」というお話を聞きました。
ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
ユース・アンバサダーの一人が、ウクライナがEUに加盟できるかどうか尋ねたところ、クルーズ=シリング氏は、加盟のためにウクライナが満たすべきステップや、ロシアとの平和協定が成立した後の復興および経済のプロセスを説明しました。

ユース・アンバサダーのナターリヤ・マコホンさんは1日を振り返り、ヨーロッパがウクライナを優先度高く支援し、投資し続けていると聞いて嬉しかった一方、ウクライナの農業や輸出については誰も保証できないと聞いて悲しくも感じたと言いました。ウクライナの今後に向けてどう貢献できるかを考える機会となりました。

また、この日は偶然にも、ウクライナのゼレンスキー大統領もポルトガルを訪れており、感慨深い1日となりました。

フランス(ル・アーブル)

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
5月31日はフランスのル・アーブルに寄港しました。停泊中の船内で、ウクライナ・ユース・アンバサダー・プロジェクトとおりづるプロジェクトとの共同イベントが開催されました。

このイベントはICANフランスが中心となって準備したもので、副市長を含む代表団や、平和市長会議(Mayors for Peace)、平和運動(Movement for Peace)、ICANフランスなどのメンバーが船を訪れました。

広島と長崎の被爆者の証言が語られた後、ユース・アンバサダーのアデリーナ・リセンコさんとユリヤ・チェコフスカさんが、ロシアの侵略についての証言を届けました。自分たちが住む町が破壊され、恐怖と痛みを感じ、家族が離散し、そして難民となり不安な生活に陥った体験を語りました。

4人の証言を経て、このイベントでは、フランスとEUによる平和交渉の促進の方法や、ウクライナの戦争を終わらせるために何ができるかが議論されました。

イギリス(ロンドン)

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
翌6月1日と2日は、イギリスのロンドンに寄港しました。

ユース・アンバサダーは、ここでもまずウクライナ大使館を訪れ、エドゥアルド・フェスコ臨時代理大使(Mr Eduard Fesko)とイナ・エホロヴァ二等書記官(Ms Inna Yehorova)に温かく迎えられました。

その後、「Leaving Ukraine(ウクライナを離れて)」展を訪れました。この展示は、写真家ポリー・ブレーデン(Polly Braden)さんが、ロシアの侵略により2022年に家を追われ、ヨーロッパ各地に散らばった女性たちの様子を写真に収めたもので、ご本人から直接説明を受けながら見てまわりました。
ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
次に、ユース・アンバサダーは、チャタムハウス(Chatham House)でお話を伺いました。チャタムハウスは、持続可能で安全・公正な世界を構築するために政府や社会を支援することを使命とする世界有数の独立系政策研究所で、ロンドンを拠点としています。

ウクライナ侵攻の人道的、政治的、軍事的な影響について多面的に話を聞く中で、ユース・アンバサダーは特に、侵攻における国際人道法の違反や、ロシアの指導者が国際機関によって戦争犯罪で起訴される方法に関心を示していました。また、ウクライナにとってどのような和平合意が公正であるかについても議論しました。

「とても進歩的な専門家と会話ができて嬉しかったです。ウクライナで続く戦争についての捉え方を共有し、戦略的な国際支援の必要性を確認することができました」と、ユース・アンバサダーのマリア・ボルジクさんはコメントしました。

ノルウェー(ベルゲン)

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
6月5日、ノルウェー(ベルゲン)では、ラフト人権財団(Rafto Foundation for Human Rights)を訪問しました。

財団が行っている若者向けの人権教育や研修プログラムについて説明を受け、その基礎となる考え方として、寛容・批判的思考・開かれた議論・民主主義の価値の重要性と「民主主義の制度なしでは人権は成立しない」というメッセージを受け取りました。
ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
また、フェミニストの平和構築団体として世界的に展開する、平和と自由のための女性国際連盟(Women’s International League for Peace and Freedom, WILPF)の現地代表にも会い、議論しました。

ウクライナでの戦争を終わらせるための外交的和平プロセスの可能性や、ロシアの侵略が世界平和をいかに不安定にし、世界的に新たな軍事化を促進しているか、という点について多くの質問が飛び交いました。

ユース・アンバサダーのユリヤ・チェコフスカさんは、「ロシアは言論の自由を禁止し、反戦を訴える人たちを投獄し、全体主義体制を推し進めることで、自国民の人権を繰り返し侵害してきました。これは民主主義とは逆の世界を示しています」と訴えました。

アイスランド(レイキャビク)

ウクライナ・ユース・アンバサダー:ヨーロッパでの出会いと学び
ピースボート地球一周の船旅Voyage117のヨーロッパ区間は、2024年6月9日、アイスランド(レイキャビク)への寄港で締めくくられました。

レイキャビクには、冷戦終結に向けた重要な一歩となった米国のレーガン大統領とソビエト連邦のゴルバチョフ書記長による首脳会談が1986年に行われたホフディ・ハウスがあります。

副市長と市の担当者の方の案内で、ユース・アンバサダーたちはこの歴史的な首脳会談の場を見学し、当時、両大統領が交渉中に座った椅子にも座ることができました。

いつの日か、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアの指導者と、この場所で和平交渉を行い、握手を交わすことを思い描きながら、ソフィア・デミデンコさんとアデリーナ・リセンコさんは写真を撮りました。
◆この記事は、英語のレポートを和訳・編集したものです。原文はこちらからご覧ください。

このレポートを読んだ方におすすめ