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第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました

第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
第101回ピースボートでは、20代から80代までの幅広い年代層、そして日本・香港・ポルトガル・イギリス等、様々な国籍とバックグラウンドを持つ28名が、植林ツアーに参加しました。ポルトガルのポンタデルガーダにて下船し、飛行機でエクアドル本土を経由して、ガラパゴス諸島を訪問しました。
第101回ピースボートでは、20代から80代までの幅広い年代層、そして日本・香港・ポルトガル・イギリス等、様々な国籍とバックグラウンドを持つ28名が、植林ツアーに参加しました。ポルトガルのポンタデルガーダにて下船し、飛行機でエクアドル本土を経由して、ガラパゴス諸島を訪問しました。

海と陸の豊かさに触れる

第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の公式キャンペーン船に、世界で唯一認定されているピースボートは、そのSDGsの17の目標に関連したツアーを行うことに力を入れています。

今回のガラパゴス諸島へのオーバーランドツアーは、17の目標の中の14「海の豊かさを守ろう」と15「陸の豊かさを守ろう」の二つに関連させたものでもありました。

ガラパゴス諸島は南米エクアドル領ですが、エクアドル本土からは西へおよそ1,000km離れた赤道直下にあります。19の主な島と、100以上の小さな島や岩礁から構成されています。そのためガラパゴスの自然環境は他にはない、独自の進化を遂げた動植物が生息しています。まさに、ガラパゴスの海と陸の豊かさに触れたツアーとなりました。

ゾウガメの保護活動をおこなうチャールズ・ダーウィン研究所

第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
最初に訪問したのは、チャールズ・ダーウィン研究所です。こちらでは、「進化の小宇宙」とも呼ばれるガラパゴス諸島の動植物の調査や研究、自然保護活動を行っています。

かつては多くのゾウガメが生息していたガラパゴス諸島ですが、食用として、また油の原料にするために、何十万というゾウガメが乱獲されました。それにより絶滅してしまった種も珍しくありません。この研究所では、絶滅寸前だった種の繁殖に尽力し、個体の数を増やしている実績もあります。

熱心な研究員たちに見守られ、すくすくと成長する微笑ましい子ガメたちの姿を見ることもできました。

現地の人々とおこなう植林活動

第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
二日目は、現地の高校生たちと国立公園スタッフと一緒に、植林活動を実施しました。かつて人間が外来植物を持ち込んだことで、ガラパゴスの生態系が破壊されてしまいました。現在は固有植物を守る活動が続けられています。

私たちは、ゾウガメの生息地であるランチョ・プリミシアスと国立公園の二箇所で、スカレシアというキク科の植物と、カフェティーユ、グワヤビユという固有種を約200本植林しました。

ランチョ・プリミシアスでは、数年前のピースボートのツアーで植林をした木々が、私たちの背丈よりも大きく育っている姿を見ることができました。

「ガラパゴスに足を運ぶ観光客は数えきれないほどいるが、ツアーの中で植林をしてくれる団体は一握り。かつ継続的に足を運んでくれている団体は、自分たちが把握している中ではピースボートだけ。これからもガラパゴスに足を運んで、成長を見守ってほしい」という現地の方の言葉が印象的でした。

夜には、植林を一緒にした高校生たちと交流の時間を持ちました。まだ学生だとは思えないほどの魅力溢れる民族舞踊を鑑賞したり、調理学校の生徒たちによる料理の数々を楽しむ盛りだくさんな時間を持つことができました。学生たちは卒業後、そのほとんどが観光業を生業としていきます。数人の学生が話をしてくれました。

「子どもの頃から周りにゾウガメがいるのは当たり前でした。この自然は当たり前で、危機に瀕していると聞いてもその実感があまりありません。けれど、遠く離れた日本から多くの人が足を運んでくれていることを知って、自分たちの島がどれだけ価値のあるものかを理解する機会となりました」

「旅行で来ているのに植林をしてくれている姿を見て、普段から暮らしている自分たちも自然を守る努力をしなければいけないと、改めて思いました」

また、ピースボートの参加者からも感想を聞くことができました。

「休み期間中にも関わらず、学生たちが集まってくれたことが嬉しかった。高校には普通科のほかにも、芸術コースや料理コースがあって、学生たちがしっかりと目標を持って取り組んでいる姿が印象的でした。私の高校時代は国際交流はもちろん、地域との繋がりさえ、学校活動に取り入れるという発想はまったくなかったので、うらやましくもあり、出会った学生たちの将来を頼もしくも思いました」

学生たちにとっても、私たちにとってもお互いによい刺激を受けることができた1日となりました。

ガラパゴスの自然を守るためのエコツアー

第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
三日目、私たちはノースセイモア島付近にて、野生動物の見学や海水浴を行いました。ガラパゴスでは、自然や動物を守るために、ナチュラリストガイドという資格を持ったガイドの指示で見学を実施します。ナチュラリストガイドを含め、16名を1グループとして散策します。

足を踏み入れたのは、まさに「野生動物の楽園」でした。運がよいグループは、「ガラパゴスのアイドル」とも言われるアオアシカツオドリの求愛ダンスを見ることもできました。海水浴をしていると、人間を恐れないガラパゴスアシカたちが、まるで一緒に遊ぼうとでも言うかのように、私たちの近くにきて泳いでくれました。

散策をする中で、死に絶えてしまうであろう雛鳥を目にすることもありました。私たちには何もすることができません。「楽園といわれるこの島ですが、それは自然がそのまま残っているということ。厳しい自然界で生きることの難しさにも触れた」と話す参加者もいました。

愛らしい動物たちや雄大な自然を目にし、それを守ろうとする熱意ある現地の人々と出会い、この自然がいつまでも守られるようにと願わずにはいられませんでした。そして参加者たちは、私たちにできることはなんだろうと考えるようになりました。

危機遺産(※)を脱したとはいえ、まだ危険な状態にあるガラパゴス諸島を守ろうとするなら、観光で足を踏み入れるべきではないという考え方もあるかもしれません。でも、ガラパゴスの今を見ることで、固有の動植物を絶滅にまで追い込むのが人間であれば、またそれを回復させるのも人間の仕事であると知りました。

失われた自然を取り戻すためには、大変な労力と長い時間が必要です。だからこそ、より多くの人々が自然をまもることの重要性を理解し、行動するきっかけとなる、このようなエコツアーを継続的におこなうことの大切さも実感しました。
第101回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
(※)ガラパゴス諸島は、1978年に世界遺産(自然遺産)第一号に登録されました。しかし、観光客や島民の増加による環境汚染や、外来種の侵入などにより、独自の生態系の維持が危機的状況にあるとして、2007年6月に「危機にさらされている世界遺産リスト(危機遺産リスト)」に登録されました。その後、保全の取り組みなどが評価され、2010年7月には危機遺産リストから削除されています。
 
ピースボートは、ガラパゴス諸島が危機遺産リストに登録される前月の2007年5月に、『ガラパゴスの森再生プロジェクト』を立ち上げ、植林活動を開始しました。ガラパゴス諸島が危機遺産リストに登録されたことを受け、このプロジェクトの必要性をさらに実感し、それ以降も継続してガラパゴス諸島で植林活動を続けています。

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