SDGsをどう実践するのか?香港青年協会リーダーシップインスティチュート主催のグローバルセミナーを行いました
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2019年4月19日から25日の7日間、第101回ピースボート「地球一周の船旅」の大阪から香港の区間を利用して、香港青年協会リーダーシップインスティチュート主催のグローバルセミナーが行われました。このセミナーには、香港を中心に7つの国・地域から23名が参加しました。参加者はそれぞれに企業、政府、市民社会で活躍する若手の社会人です。国連の持続可能な開発目標(SDGs)を実現するために、セクターを越えてどのような取り組みができるかを、乗船前のフィールドワーク(=見聞・検証)、洋上でのセミナー(=議論)、そして船内での企画(=プロジェクトの実践)を通して考えました。
- プロジェクト: SDGs キャンペーン
- 寄港地エリア: アジア
- クルーズ: 第101回 地球一周の船旅
船
2019.6.13
2019.6.14
2019年4月19日から25日の7日間、第101回ピースボート「地球一周の船旅」の大阪から香港の区間を利用して、香港青年協会リーダーシップインスティチュート主催のグローバルセミナーが行われました。このセミナーには、香港を中心に7つの国・地域から23名が参加しました。参加者はそれぞれに企業、政府、市民社会で活躍する若手の社会人です。国連の持続可能な開発目標(SDGs)を実現するために、セクターを越えてどのような取り組みができるかを、乗船前のフィールドワーク(=見聞・検証)、洋上でのセミナー(=議論)、そして船内での企画(=プロジェクトの実践)を通して考えました。
「誰一人取り残さない」取り組み
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釜ヶ崎では、泊まる場所のない人が利用するナイトシェルターも視察
SDGsは17の目標から成っています。それらすべての根っこにあるのが「誰一人取り残さない」という考え方です。さらに、最後の目標として掲げられていることは、SDGsの達成には「パートナーシップ」が欠かせないというものです。
乗船前に大阪で行ったフィールドワークでは、長年、「誰一人取り残さない」ために「パートナーシップ」を重視してきた団体から多くのことを学びました。
1日目に訪れた大阪の西成地区では、いまだに続く部落差別の実態を目の当たりにしました。
また釜ヶ崎の視察では、日本の戦後の目覚ましい経済成長の裏に、不当な雇用形態のもとに酷使された日雇い労働者の姿があることも知りました。支援団体との意見交換からは、行政だけでなく企業が果たせる役割も大きい事が見えてきました。
乗船前に大阪で行ったフィールドワークでは、長年、「誰一人取り残さない」ために「パートナーシップ」を重視してきた団体から多くのことを学びました。
1日目に訪れた大阪の西成地区では、いまだに続く部落差別の実態を目の当たりにしました。
また釜ヶ崎の視察では、日本の戦後の目覚ましい経済成長の裏に、不当な雇用形態のもとに酷使された日雇い労働者の姿があることも知りました。支援団体との意見交換からは、行政だけでなく企業が果たせる役割も大きい事が見えてきました。
経済成長と公害の歴史
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国道沿いで、国土交通省近畿地方整備局の職員から、大気汚染対策の現状について聞く
2日目のあおぞら財団とのフィールドワークでは、西淀川公害の歴史と、その結果として起きた訴訟について、患者の会と企業側の双方の当事者から話を聞く機会がありました。
訴訟の結果、国土交通省が新たに導入した対策については、国交省の職員の案内で実際に見せてもらうこともできました。
ここでは、人々が健康に働き暮らしていくためには、企業は経済成長を追い求めるだけでなく、行政の積極的な介入のもとに、市民との対話の場を定期的にもちながら、方針を決めていくことが必要だと実感しました。
また、パートナーシップをうまく成り立たせるためには、時に戦略的になりつつ、現実的な落としどころを模索することが不可欠ということも気づきました。
訴訟の結果、国土交通省が新たに導入した対策については、国交省の職員の案内で実際に見せてもらうこともできました。
ここでは、人々が健康に働き暮らしていくためには、企業は経済成長を追い求めるだけでなく、行政の積極的な介入のもとに、市民との対話の場を定期的にもちながら、方針を決めていくことが必要だと実感しました。
また、パートナーシップをうまく成り立たせるためには、時に戦略的になりつつ、現実的な落としどころを模索することが不可欠ということも気づきました。
実践者の声
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香港、ブルネイ、台湾からの参加者が、一般のパッセンジャー向けの企画で自分たちの取り組みについて発表する
大阪でのフィールドワークを経て乗船したピースボートの船内では、各分野で活躍してきた水先案内人からより多くの「実践者の声」を聞きました。
国連世界食糧計画(WFP)でアジア局長を務めた忍足謙朗さんは緊急支援の重要性と必要性を、アジア欧州財団のジーナ・プラウスカさんはSDGsの達成を促すための地域間の協力と資金をうまくまわしていくための手法を、さらにカンボジアで教育支援に携わった経験もある深津高子さんは平和の担い手としての子どもに対する教育への情熱を、それぞれ熱く語ってくれました。
国連世界食糧計画(WFP)でアジア局長を務めた忍足謙朗さんは緊急支援の重要性と必要性を、アジア欧州財団のジーナ・プラウスカさんはSDGsの達成を促すための地域間の協力と資金をうまくまわしていくための手法を、さらにカンボジアで教育支援に携わった経験もある深津高子さんは平和の担い手としての子どもに対する教育への情熱を、それぞれ熱く語ってくれました。
行動できるリーダーを育てる
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洋上にてSDGsのロゴと
グローバルセミナーが目指したのは「行動できるリーダー」を応援すること。プログラムの後半は、デザインシンキングの手法を取り入れて、参加者が主体となってプロジェクトを考案し、実践しました。
環境保護の啓蒙のためのプロジェクト、室内の空気洗浄のためのアプリ、若者とお年寄りの交流を仲介するサービスなど、グループごとに工夫を凝らしたプロジェクトを考えました。
船内では1000名を超える年齢も国籍も多様な乗船者にアンケートをとり、意識調査や需要調査を行ったり、プロジェクトの案を発表してフィードバックをもらうという場を設けました。
ピースボートならではの環境を活かしたリーダーシップ研修になったと言えます。
プログラムの参加者からは、「これまでも様々な研修に参加をしたことがあるけれど、座学を見聞や実践と結びつけるこの研修はこれまでのものとは全然違いました!」との声もありました。
参加者にとっても、アンケートをとってみることで自分たちの仮説を練り直したり、何百人という聴衆を前にアイディアを発表するといった経験は貴重だったようです。
ピースボートではこれからも、船の上というユニークな学びの空間をいかし、SDGsの達成のために当事者の声に耳を傾けながら具体的に行動を起こせる人材を少しでも増やすべく取り組んでいきたいと思います。
環境保護の啓蒙のためのプロジェクト、室内の空気洗浄のためのアプリ、若者とお年寄りの交流を仲介するサービスなど、グループごとに工夫を凝らしたプロジェクトを考えました。
船内では1000名を超える年齢も国籍も多様な乗船者にアンケートをとり、意識調査や需要調査を行ったり、プロジェクトの案を発表してフィードバックをもらうという場を設けました。
ピースボートならではの環境を活かしたリーダーシップ研修になったと言えます。
プログラムの参加者からは、「これまでも様々な研修に参加をしたことがあるけれど、座学を見聞や実践と結びつけるこの研修はこれまでのものとは全然違いました!」との声もありました。
参加者にとっても、アンケートをとってみることで自分たちの仮説を練り直したり、何百人という聴衆を前にアイディアを発表するといった経験は貴重だったようです。
ピースボートではこれからも、船の上というユニークな学びの空間をいかし、SDGsの達成のために当事者の声に耳を傾けながら具体的に行動を起こせる人材を少しでも増やすべく取り組んでいきたいと思います。