バリのグリーンスクールから、もっとグリーンな世界へ
ここでは、第96回ピースボート・オセアニアクルーズで訪れたインドネシア(バリ島)で行われたツアーを紹介します。
- プロジェクト: SDGs キャンペーン
- 寄港地エリア: アジア
- クルーズ: 第96回 オセアニア一周の船旅
- 関連キーワード: エネルギー / 子ども / 教育 / 環境・エコ / 異文化交流
船
2019.3.28
2020.9.15
ここでは、第96回ピースボート・オセアニアクルーズで訪れたインドネシア(バリ島)で行われたツアーを紹介します。
チェンジメーカーを育てる学校
国連の経済社会理事会(ECOSOC)との特別協議資格をもつNGOとして、ピースボートは「国連持続可能な開発目標(SDGs)」を広め促進することに努めています。
SDGsは、私たちが個人および社会として、目の前にある経済・環境・社会問題に取り組み解決するために定められた17の目標です。
2018年1月、ピースボート第96回クルーズはインドネシアのバリ島に寄港し、持続可能性への意識を高めるため、グリーンスクールを訪問しました。
グリーンスクールは、バリ島の豊かな自然環境と共生しながら、そこで学ぶ学生たちが世界を変えるチェンジメーカーになること目指す、世界にひとつだけの教育機関です。
SDGsは、私たちが個人および社会として、目の前にある経済・環境・社会問題に取り組み解決するために定められた17の目標です。
2018年1月、ピースボート第96回クルーズはインドネシアのバリ島に寄港し、持続可能性への意識を高めるため、グリーンスクールを訪問しました。
グリーンスクールは、バリ島の豊かな自然環境と共生しながら、そこで学ぶ学生たちが世界を変えるチェンジメーカーになること目指す、世界にひとつだけの教育機関です。
「不都合な真実」への解決策
緑深い熱帯雨林の奥、グリーンスクールは、アユン川を挟む20ヘクタールに及ぶ敷地に広がっています。元米国大統領候補アル・ゴア氏による「不都合な真実」を観て、何か行動を起こそうと思い立ったジョン・ハーディさんとシンシア・ハーディさん夫妻によって創設されました。
「不都合な真実」とは、地球温暖化の状況と影響を伝え、現代を生きる私たちの行動が未来の世代の見通しを暗くすることを描いたドキュメンタリー映画です。
グリーンスクールという名前の通り、この学校は考えられる限り緑・植物・自然で構成されています。再生可能で用途の広い建材である竹を使って、ほとんどの建物が作られています。
また、全体の電力の30%をまかなう太陽光発電をはじめとした、多様な再生可能エネルギーが使われています。
「不都合な真実」とは、地球温暖化の状況と影響を伝え、現代を生きる私たちの行動が未来の世代の見通しを暗くすることを描いたドキュメンタリー映画です。
グリーンスクールという名前の通り、この学校は考えられる限り緑・植物・自然で構成されています。再生可能で用途の広い建材である竹を使って、ほとんどの建物が作られています。
また、全体の電力の30%をまかなう太陽光発電をはじめとした、多様な再生可能エネルギーが使われています。
実践、協働、体験が生んだもの
建築だけでなく、持続可能性というテーマそのものが、生徒が学ぶための土台となっています。
「地域に根ざすこと」、「自然環境に導いてもらうこと」、「自分の行動が孫に与える影響を考えること」、という3つの指針が、実践・協働・体験という方法論との相乗効果をうみ、生徒はしっかりと考えることを覚え、想像力を鍛えます。
たとえば、鶏の世話をすることになった時、小学4年生たちは、一つ事業が成り立つと思いつきました。学校が提携する銀行に、鶏を育てる場所を作るためのマイクロファイナンス(小規模融資)を求める提案をしたのです。
そして卵が収穫できると、地域の市場に売りに行きました。同時に、プラスチック製の卵の容器を使わずに済む方法も考え出しました。
ピースボートからの参加者は、グリーンスクールへの訪問について、学校を支える哲学を学べたことが非常に貴重だった、と振り返ります。
「地域に根ざすこと」、「自然環境に導いてもらうこと」、「自分の行動が孫に与える影響を考えること」、という3つの指針が、実践・協働・体験という方法論との相乗効果をうみ、生徒はしっかりと考えることを覚え、想像力を鍛えます。
たとえば、鶏の世話をすることになった時、小学4年生たちは、一つ事業が成り立つと思いつきました。学校が提携する銀行に、鶏を育てる場所を作るためのマイクロファイナンス(小規模融資)を求める提案をしたのです。
そして卵が収穫できると、地域の市場に売りに行きました。同時に、プラスチック製の卵の容器を使わずに済む方法も考え出しました。
ピースボートからの参加者は、グリーンスクールへの訪問について、学校を支える哲学を学べたことが非常に貴重だった、と振り返ります。
クルクル・コネクション
キャンパスやカリキュラムを作り込むだけでなく、グリーンスクールでは、内部の国際性と学校周辺の地域性を繋げることにも取り組んでいます。
アユン川にかかるミレニアム橋がこの繋がりの象徴です。また、クルクル・コネクションというグリーンスクール関係者によるグループも組織され、学校内外の繋がりを促進しています。
クルクル・コネクション代表のティム・フィジャルさんによれば、地元の子どもたちがグリーンスクールと関わりをもち、価値を提供できるよう、放課後に校舎を使って語学教室を開いているといいます。
現在では、約250人の地元の子どもたちが、5キログラムのリサイクル可能なゴミを持ち込むことで、半年間、放課後に英語の授業を受けられる、「トラッシュ・フォー・クラス(ゴミで授業を)」に参加しています。
地域の文化が学校の文化になっていくこともあります。あるバリ人生徒の父親が、メパンティガンと呼ばれるバリ独自の武術を学校に紹介しました。
柔術、テコンドー、カポエラ、バリの伝統芸能を混ぜ合わせた動きで、泥の中で行われます。ここから、卒業生と先生たちが互いを泥に放り込むという伝統行事が生まれました。
アユン川にかかるミレニアム橋がこの繋がりの象徴です。また、クルクル・コネクションというグリーンスクール関係者によるグループも組織され、学校内外の繋がりを促進しています。
クルクル・コネクション代表のティム・フィジャルさんによれば、地元の子どもたちがグリーンスクールと関わりをもち、価値を提供できるよう、放課後に校舎を使って語学教室を開いているといいます。
現在では、約250人の地元の子どもたちが、5キログラムのリサイクル可能なゴミを持ち込むことで、半年間、放課後に英語の授業を受けられる、「トラッシュ・フォー・クラス(ゴミで授業を)」に参加しています。
地域の文化が学校の文化になっていくこともあります。あるバリ人生徒の父親が、メパンティガンと呼ばれるバリ独自の武術を学校に紹介しました。
柔術、テコンドー、カポエラ、バリの伝統芸能を混ぜ合わせた動きで、泥の中で行われます。ここから、卒業生と先生たちが互いを泥に放り込むという伝統行事が生まれました。
目指すは50校
グリーンスクールでは、地域との繋がりを築き保っていくことに注力しながらも、世界規模の影響を生み出すことを目指しています。
共同創設者であるジョン・ハーディ氏は、世界的な講演会である「TEDトーク」で、グリーンスクールがモデルとなり、同じ指針をもつグリーンスクールが世界中に50校できて欲しいと語っています。
グリーンスクールのように持続可能性を追求した包括的な教育を施す学校が増えれば、未来を担う現在の子どもたちによってSDGsが実現される日も近づきます。
共同創設者であるジョン・ハーディ氏は、世界的な講演会である「TEDトーク」で、グリーンスクールがモデルとなり、同じ指針をもつグリーンスクールが世界中に50校できて欲しいと語っています。
グリーンスクールのように持続可能性を追求した包括的な教育を施す学校が増えれば、未来を担う現在の子どもたちによってSDGsが実現される日も近づきます。