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核兵器禁止条約第3回締約国会議で「核被害者フォーラム2025」を開催しました

核兵器禁止条約第3回締約国会議で「核被害者フォーラム2025」を開催しました
©︎Darren Ornitz/フォーラムでのグループディスカッションの様子
2025年、核兵器禁止条約の第3回締約国会議が開かれました。この会議では、政府だけでなく、NGOや市民団体もさまざまなイベントを開き、核によって被害を受けた人々(核被害者)の声を届けようとしました。その一つが、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)とピースボートが共催した「核被害者フォーラム」です。

このフォーラムは、核被害者の方々が集まり、互いの経験を語り合い、聞き合うための大切な場です。また、彼らの経験をもとに、核兵器のない世界をどう実現していくかを考える時間でもあります。2021年から始まったこのフォーラムは今年で4回目の開催となりました。
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©︎Darren Ornitz/フォーラムでのグループディスカッションの様子
2025年、核兵器禁止条約の第3回締約国会議が開かれました。この会議では、政府だけでなく、NGOや市民団体もさまざまなイベントを開き、核によって被害を受けた人々(核被害者)の声を届けようとしました。その一つが、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)とピースボートが共催した「核被害者フォーラム」です。

このフォーラムは、核被害者の方々が集まり、互いの経験を語り合い、聞き合うための大切な場です。また、彼らの経験をもとに、核兵器のない世界をどう実現していくかを考える時間でもあります。2021年から始まったこのフォーラムは今年で4回目の開催となりました。

被害者たちの証言

核兵器禁止条約第3回締約国会議で「核被害者フォーラム2025」を開催しました
©︎Darren Ornitz/広島の被爆者、濱住治郎さんによる証言会
会場では、核被害者たちが輪になって座り、その周りを支援者たちが囲むように座りました。最初のセッションでは、参加者全員が簡単に自己紹介を行い、この場に来た理由を共有しました。

その後、2人の被爆者が証言を行いました。1人目は、広島で生まれる前に被爆した濱住治郎さんです。濱住さんは、2024年にノーベル平和賞を受賞した日本被団協の事務局長次長も務めています。2人目は、韓国出身で広島で被爆した朴貞順(パク・ジョンスン)さんです。韓国原爆被害者協会で活動しています。

彼らの話には共通するテーマがありました。爆撃や放射線による家族の死への悲しみ、自分自身の病気や死への恐怖、社会からの差別や偏見、そして医療や経済的な支援の不足です。これらは、他の地域の核被害者たちにも共通する経験でした。

核被害者の権利と支援についての議論

核兵器禁止条約第3回締約国会議で「核被害者フォーラム2025」を開催しました
©︎Darren Ornitz/アリシア・サンダース=ザクレさん(左)によるICANからの報告
続いて、ICANの担当者、アリシア・サンダース=ザクレさんから、核被害者の支援や環境回復について、各国が今どこまで取り組んでいるかの報告がありました。核兵器によって傷ついた人々や自然環境をどのように助けていくのか、そしてそれに必要な資金や国際的な協力の話が進んでいることが紹介されました。

その後のグループディスカッションでは、「自分たちの地域の課題は何か?」「他の地域と比べて共通点や違いは?」「国際会議のリーダーにどんなメッセージを伝えたいか?」という問いに対して、各地からの参加者が意見を出し合いました。

参加者は、健康や環境汚染に関する正確な情報の不足や、核実験の事実を隠すのではなく、公開することの必要性を訴えました。特に、若い世代への教育や、政府と市民社会の連携の強化も求められました。

また、具体的な要望として、カザフスタンの参加者は、核実験の影響を受けた若い世代にも補償をしてほしいと話しました。韓国の被爆者たちは、日本政府からの正式な謝罪と、アメリカによる責任の明確化を求めました。広島から来た被爆者の女性は、「生きているうちに核兵器がなくなるのを見たい」と語りました。

支援者の役割と行動提案

核兵器禁止条約第3回締約国会議で「核被害者フォーラム2025」を開催しました
©︎Darren Ornitz/Peace Boat USインターン生によるディスカッションの報告
支援者グループでは、「私たち支援者に何ができるのか?」をテーマに話し合いが行われました。

彼らはまず、核兵器の影響や、被爆者・核被害者の体験をもっと広く伝えていく必要があると語りました。特に若い世代への教育や、被爆者がその体験を語れるような場を作ることが大事だと強調しました。

また、「声を奪うのではなく、声を届ける場をつくる」という姿勢が重要だという意見も出ました。さらに、先住民族の知恵や自然との共生の考え方を核軍縮の活動に取り入れることも提案されました。

最後に、支援者ができる具体的な行動として、以下の2つがあげられました
1. メディアやSNSを活用して、核の被害と生存者の声をもっと多くの人に伝えること
2. 核兵器を持つ国々に対して、被害者支援のための国際基金に出資するよう求めること

最後に

核兵器禁止条約第3回締約国会議で「核被害者フォーラム2025」を開催しました
©︎Darren Ornitz/核被害を受けたコミュニティがある韓国、カザフスタン、日本からの参加者
フォーラムの最後には、ファシリテーターを務めたカザフスタンの核実験で被害を受けた人たちの団体の代表であるイェルダウレット・ラフマトゥッラさんと、ICANの代表メリッサ・パークさんからの感謝の言葉がありました。

パークさんは、「皆さんが体験を語るたびに、それは幼少期のトラウマや家族の苦しみを再び思い出すことになるはずです。それでも、何度も語ってくださって、本当にありがとうございます」と述べ、フォーラムを締めくくりました。

ピースボートは、今後も核被害のない世界をめざして、さまざまな活動を続けていきます。

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