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Voyage118でカンボジアの地雷問題を学ぶツアーを開催しました

Voyage118でカンボジアの地雷問題を学ぶツアーを開催しました
ピースボート地球一周の船旅 Voyage118で「カンボジア地雷問題検証ツアー」を開催しました。ツアー参加者とスタッフを含めた30名がカンボジアを訪問し、地雷除去団体や地雷被害者を支援するNGO、そしてピースボートが支援を続ける村を訪れ、地雷問題の「今」を学びました。

その中から地雷被害者の社会復帰を支援するNGOと地雷除去現場、支援を続けている小学校を訪問した時の様子をご紹介します。
ピースボート地球一周の船旅 Voyage118で「カンボジア地雷問題検証ツアー」を開催しました。ツアー参加者とスタッフを含めた30名がカンボジアを訪問し、地雷除去団体や地雷被害者を支援するNGO、そしてピースボートが支援を続ける村を訪れ、地雷問題の「今」を学びました。

その中から地雷被害者の社会復帰を支援するNGOと地雷除去現場、支援を続けている小学校を訪問した時の様子をご紹介します。

地雷被害者とスポーツ交流

Voyage118でカンボジアの地雷問題を学ぶツアーを開催しました
ツアーが訪れたのは地雷被害者を中心とした障がい者を支援する現地NGO「アンコール障がい者協会(AAD)」です。

障がい者への職業訓練や、社会復帰のための精神的なサポート、障がい者スポーツの普及、障がい者同士が相談し合える居場所の提供を行なっています。

AAD設立者で地雷被害者のセム・ソワンタさんに自身の半生とAADの活動についてお話を伺いました。

ソワンタさんはかつて、ポル・ポト軍と戦う部隊の隊⻑でした。1990年、戦場で足で物を動かそうとした時、その下にあった地雷が反応して爆発してしまいました。

気づいた時には片足がちぎれ、もう片方の足は切断せざるをえないほどボロボロの状態でした。絶望から手元にあった銃で自殺しようとしましたが、部下に止められて思い留まりました。

その後、自分と同じように地雷被害に遭った元兵士が経済的にも精神的にも追い詰められ、病死したり自死したりする姿を見てなんとかしなければならないと思い、2003年にこの団体をつくりました。
Voyage118でカンボジアの地雷問題を学ぶツアーを開催しました
これまで障がい者を支援するために様々なサポートをしたり、メンバー同士で協力し合って活動を続けてきましたが、今AADが特に力を入れているのがシッティングバレーボールの選手育成プロジェクトです。

スポーツをすることが、障がい者の心を癒し、自分への大きな自信や生きる気力へと繋がっています。ピースボートもこのプロジェクトを資金面で支援しています。

ツアー参加者は、選手としてトレーニングを受けているAADメンバーと一緒にシッティングバレーを体験しました。

AADのセンターには毎日のトレーニングで使っているコートがあります。AADチームとピースボートチームに分かれて対戦しました。脚がない人もある人も同じ目線の高さになって、笑いや興奮した叫び声も飛び交う楽しい時間となりました。

彼らがこれまで地雷事故、そして差別や貧困に直面しながら生きてきたことは、ソワンタさんのお話から想像に難くありません。

それでも今、シッティングバレーに集中している彼らの明るい笑顔に、スポーツで支援することの大切さを実感しました。

地雷除去の完了を目指して

Voyage118でカンボジアの地雷問題を学ぶツアーを開催しました
朝5時半、ツアー参加者は四輪駆動車に分乗してホテルを出発しました。赤土のまっすぐ伸びた道路を約2時間半走り、たどり着いたのは「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」が地雷除去活動を行なっている現場でした。

CMAC隊員の説明や注意事項を聞いた後、参加者は地雷除去員と同じ防具を着用して地雷除去現場を見学しました。気温と湿度が高い中で防具を着けると、歩くだけで体力が奪われます。

ここでは金属探知機と地雷探知犬を使って、地雷除去が行なわれていました。地雷探知犬は、金属探知機のみを使うよりも早く地雷を探すことができますが、暑さは苦手です。そのために、比較的涼しい朝早くからの見学となりました。

地雷は元々、地中数センチのごく浅いところに埋められていましたが、長い年月の間に雨で流されたり、上から土砂が堆積したりして、移動しています。

そして数十年たった今も、重量がかかれば爆発します。様々な状況を想定して、慎重に一歩ずつ地雷除去が行なわれていました。

カンボジアの地雷除去は、1992年に始まりました。当時、カンボジアには400-600万個の地雷が埋められていると言われていました。

危険で地道な地雷除去活動を30年以上繰り返してきた結果、2030年には全ての地雷除去が完了するのではないかと、CMAC隊員の方から聞き、希望も感じられました。

地雷が埋まる村の今

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次に向かったのは、地雷除去現場からすぐ近くにあるコーケー村の小学校です。ピースボートが2005年に地雷除去と校舎建設を支援した小学校で、先生や子どもたちが出迎えてくれました。

約20年前までは地雷原だった土地が小学校になり、今は200人以上の子どもたちが通っています。学校ができてから他のNGOや国際機関の支援も入るようになりました。

授業は朝の7時から始まり、朝ごはんの給食も出ます。給食を出すようになってから、子どもたちの出席率が上がりました。学校には電気がなく、校舎は少し暗い印象でした。中に入ると日陰ではありますが、教室内はとても暑く感じられました。

校舎建設から20年近くが経ち、老朽化で1部壊れているところもありました。これまでもピースボートや他のNGO、そして村の協力を受けて修理されていましたが、子どもたちが安全に授業を受けるためには、さらなる修繕が必要な状況であることもわかりました。
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最後に訪れた場所は、ピースボートが地雷除去と校舎建設を支援して、2016年に完成したスナハイ村の小学校です。コーケー村の近くですが、四輪駆動車でも歩くほどのスピードでしか進めないでこぼこ道を30分ほど行った先にありました。

こちらの小学校にも、現在200人以上の子どもたちが通っていて、私たちを出迎えてくれました。

こちらの小学校には、ピースボートが建設支援した校舎とは別に、EUとカンボジア政府の支援で新校舎が去年完成しました。

また、ピースボートはLUSH(ラッシュジャパン)の協力で、石けんをスナハイ小学校に定期的に届けています。先生のお話では、石けんを使うことで手洗いが習慣になり、これまでに比べて7割ほど病気が防げるようになったそうです。

今回は石けんを届けませんでしたが、前回届けた石けんがまだあり、子どもたちと交流した後で手洗いの仕方を教えて、みんなで手洗いをしました。

ツアー参加者たちはコーケー小学校とスナハイ小学校を訪問して、地雷除去後に建てられた小学校の現状を学びました。どちらの小学校でも先生たちから、文房具や本をはじめとして、あらゆるものが不足していると聞きました。

地雷原が安全な土地になって、子どもたちが小学校に通えるようになったことは大きな変化ですが、それで終わりではありません。今後も支援が必要です。

しかし、これまでNGOや国際機関が行なってきた支援を、今はカンボジア政府が担うことも増えています。国としての自立を目指している事も実感しました。
※ツアー参加者による報告をP-MACのブログに載せています。

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