【体験談】カンボジア地雷検証ツアーには、絶対に行って欲しい(林雄さん)
ピースボートの魅力のひとつは、内容の濃いスタディツアーです。中でも、カンボジアの地雷検証ツアーは、参加した人に強い印象を残しています。今回は、第92回ピースボートでカンボジア地雷検証ツアーに参加した、林雄さん(19歳)の体験談を紹介します。2016年8月に出航した第92回ピースボート(地球一周クルーズ)で行われたカンボジア地雷検証ツアーは、台湾(基隆)から船を離脱、カンボジアを5泊6日で訪れ、シンガポールで船に合流しました。ツアーには、およそ30名が参加しています。
- プロジェクト: 地雷廃絶キャンペーン(P-MAC)
- 寄港地エリア: アジア
- クルーズ: 第92回 地球一周の船旅
船
2017.3.23
2019.3.26
ピースボートの魅力のひとつは、内容の濃いスタディツアーです。中でも、カンボジアの地雷検証ツアーは、参加した人に強い印象を残しています。今回は、第92回ピースボートでカンボジア地雷検証ツアーに参加した、林雄さん(19歳)の体験談を紹介します。2016年8月に出航した第92回ピースボート(地球一周クルーズ)で行われたカンボジア地雷検証ツアーは、台湾(基隆)から船を離脱、カンボジアを5泊6日で訪れ、シンガポールで船に合流しました。ツアーには、およそ30名が参加しています。
サッカー漬けの毎日から
ぼくは小学生から高校まで、プロを目指してサッカー漬けの毎日を送っていました。おかげで、中学3年生のとき5つの高校からスポーツ推薦をもらいました。ぼくは、自分を一番必要としてくれたと感じた大阪の北陽高校のサッカー部に入ります。しかし、名門高校にはうまい選手ばかり入ってきます。次第に、自分の実力でプロでやっていけるのか、という不安も感じるようになりました。
進路について考え始めたのは、高校2年の春のことです。先輩から聞いたことのあるピースボートの話を思い出しました。ぼくは今までサッカーしかしてこなかったので、世の中のことを何にも知りませんでした。一度きりの人生だから、世界のいろいろな所に行きたいと思ったんです。
大阪のピースボートセンターに行って説明を聞くと、サッカーを通じて国際協力をするピースボール・プロジェクトなどもあり、より興味がわきました。サッカー部を引退後は、毎日のようにピースボートセンターに通い、乗船費用が割引になるボランティアスタッフをするようになりました。一番多くやったのは、お店を回ってポスターを貼る仕事でした。
カンボジアの地雷を除去するための募金にも積極的に参加しました。ピースボートセンターのスタッフからカンボジアの地雷問題について聞いたとき、「これは他人事だと思っていちゃダメだ!」と強く感じました。そして自分の手で集めた募金を自分で直接届けたいという思いが募り、自然な流れでカンボジアの地雷検証ツアーに参加しました。
進路について考え始めたのは、高校2年の春のことです。先輩から聞いたことのあるピースボートの話を思い出しました。ぼくは今までサッカーしかしてこなかったので、世の中のことを何にも知りませんでした。一度きりの人生だから、世界のいろいろな所に行きたいと思ったんです。
大阪のピースボートセンターに行って説明を聞くと、サッカーを通じて国際協力をするピースボール・プロジェクトなどもあり、より興味がわきました。サッカー部を引退後は、毎日のようにピースボートセンターに通い、乗船費用が割引になるボランティアスタッフをするようになりました。一番多くやったのは、お店を回ってポスターを貼る仕事でした。
カンボジアの地雷を除去するための募金にも積極的に参加しました。ピースボートセンターのスタッフからカンボジアの地雷問題について聞いたとき、「これは他人事だと思っていちゃダメだ!」と強く感じました。そして自分の手で集めた募金を自分で直接届けたいという思いが募り、自然な流れでカンボジアの地雷検証ツアーに参加しました。
地雷原に足を踏み入れる
船が出航して最初の寄港地である台湾(基隆)から、飛行機でカンボジアへと移動しました。地雷除去がおこなわれている現場に足を踏み入れたときは、人生で一番緊張しました。もちろんぼくらが足を踏み入れる場所は、地雷が除去されて安全になった所ですが、それでも周囲に地雷があるかと思うと怖かったです。
そんな所で、CMAC(カンボジア地雷対策センター)の隊員たちは、リスクを冒して地雷を除去していました。ぼくはその姿に衝撃を受けて、涙があふれて止まらなくなりました。ぼくは彼らのように、他の人たちの安全のために自分の命を賭けるなんて、考えたこともなかったので、本当にスゴイことだと思いました。
スナハイ村では、小学校の開校式に参加しました。その小学校は、P-MAC(ピースボート地雷廃絶キャンペーン)が集めた募金により、地雷の除去や校舎の建設を行ったものです。大勢のボランティアスタッフが3年間かけて100円ずつ集めたこのプロジェクトの募金総額は、約400万円になりました。開校式に参加させてもらって、子どもたちが安全になった校庭で元気に走り回る姿を見て、自分のしたことは間違っていなかったなと思いました。また、いろいろな人の思いが詰まったプロジェクトが、こうして形になるというのは本当に素晴らしいことだと実感しました。
そんな所で、CMAC(カンボジア地雷対策センター)の隊員たちは、リスクを冒して地雷を除去していました。ぼくはその姿に衝撃を受けて、涙があふれて止まらなくなりました。ぼくは彼らのように、他の人たちの安全のために自分の命を賭けるなんて、考えたこともなかったので、本当にスゴイことだと思いました。
スナハイ村では、小学校の開校式に参加しました。その小学校は、P-MAC(ピースボート地雷廃絶キャンペーン)が集めた募金により、地雷の除去や校舎の建設を行ったものです。大勢のボランティアスタッフが3年間かけて100円ずつ集めたこのプロジェクトの募金総額は、約400万円になりました。開校式に参加させてもらって、子どもたちが安全になった校庭で元気に走り回る姿を見て、自分のしたことは間違っていなかったなと思いました。また、いろいろな人の思いが詰まったプロジェクトが、こうして形になるというのは本当に素晴らしいことだと実感しました。
できない理由を探すのではなく
ツアーでは、カンボジアの地雷被害者や障がい者を支援している「アンコール障がい者協会(AAD)」を訪れました。AADの代表を務めているのは、自分も地雷の被害により両方の足を失ったセム・ソワンタさんです。ぼくは、勇気を出して「地雷の被害にあった瞬間はどんな感じでしたか?」という質問を聞きました。
ソワンタさんは、足が吹き飛んだあと、足の部分が熱くなり、猛烈に喉が渇いたこと。即座にその後の惨めな人生を思い、銃で自分を撃って自殺しようとしたが、周囲に止められたことなどを語ってくれました。
それでもソワンタさんは、一生懸命勉強に励み、惨めな人生どころか、いまでは他の障がい者たちを支援するようになっています。彼はぼくたちにこんなメッセージを送ってくれました。「私には足がないので歩くことはできません。でも、聞く耳があり、見る目があり、考える頭があり、感じる心があります。できないことより、できることの方がはるかに多いのです」。
その言葉を聞いたぼくは、今までの自分の人生ではできない理由ばかり探していたような気がしました。そして、自分にはまだまだいろんな可能性がある、できることは何でもしていきたいと思うようになりました。
ソワンタさんは、足が吹き飛んだあと、足の部分が熱くなり、猛烈に喉が渇いたこと。即座にその後の惨めな人生を思い、銃で自分を撃って自殺しようとしたが、周囲に止められたことなどを語ってくれました。
それでもソワンタさんは、一生懸命勉強に励み、惨めな人生どころか、いまでは他の障がい者たちを支援するようになっています。彼はぼくたちにこんなメッセージを送ってくれました。「私には足がないので歩くことはできません。でも、聞く耳があり、見る目があり、考える頭があり、感じる心があります。できないことより、できることの方がはるかに多いのです」。
その言葉を聞いたぼくは、今までの自分の人生ではできない理由ばかり探していたような気がしました。そして、自分にはまだまだいろんな可能性がある、できることは何でもしていきたいと思うようになりました。
自分にはいろんな可能性がある
カンボジアでは毎日いろんなことがあったので、毎晩参加者同士で振り返りの時間を持ちました。他の人がどう感じたかについて聞くのは、とても刺激的でした。同じ物事に対して何通りもの感じ方があるというのが新鮮でしたね。
船に戻って、カンボジア地雷検証ツアーの報告会を行いました。カンボジアツアーの参加者が、他の乗船者に向けて発表をします。みんなで報告会をつくりあげる過程で、小学校を建てて終わりではなく、子どもたちが教育をずっと受けることができるように、支えていく必要があることも議論されました。ぼく自身も、カンボジアや地雷問題との関わりはこれで終わりではなくて、募金活動などはこれからも続けていきたいと思うようになりました。
何も知らなかった自分がカンボジアを訪れたことで、日本や世界を見る目が大きく変わりました。ひとつは、自分がこれから世界の問題に対して何ができるかについて考えるようになったことです。ぼくは、自分がたまたま日本国籍を持っているというだけで、世界の中で特別な役割を与えられているんじゃないかと思います。カンボジアに生まれていたら、こんなに気軽に世界一周なんてできないかもしれない。そんないろいろな可能性のある立場の人間として、具体的にはまだこれからですが、何か行動を起こさないといけないと感じています。
船に戻って、カンボジア地雷検証ツアーの報告会を行いました。カンボジアツアーの参加者が、他の乗船者に向けて発表をします。みんなで報告会をつくりあげる過程で、小学校を建てて終わりではなく、子どもたちが教育をずっと受けることができるように、支えていく必要があることも議論されました。ぼく自身も、カンボジアや地雷問題との関わりはこれで終わりではなくて、募金活動などはこれからも続けていきたいと思うようになりました。
何も知らなかった自分がカンボジアを訪れたことで、日本や世界を見る目が大きく変わりました。ひとつは、自分がこれから世界の問題に対して何ができるかについて考えるようになったことです。ぼくは、自分がたまたま日本国籍を持っているというだけで、世界の中で特別な役割を与えられているんじゃないかと思います。カンボジアに生まれていたら、こんなに気軽に世界一周なんてできないかもしれない。そんないろいろな可能性のある立場の人間として、具体的にはまだこれからですが、何か行動を起こさないといけないと感じています。
たくさんの人に訪れて欲しい
自分にとってカンボジアのツアーは、「あの一週間に感じたこととずっと付き合っていくことになるんだろうな」と思えるほど強烈な体験になりました。まず現場を訪れて、自分の目で見ることの大切さを実感できました。また、そんな経験を地球一周クルーズが始まってすぐのタイミングでできたので、その後の船内や寄港地での生活をより中身の濃いものにすることができました。
カンボジアでは、辛い歴史や残酷な現実を目の当たりにして世界に絶望するような気持ちになったこともありますが、それだけではありません。たくさんの人との出会いや出来事に心を動かされました。心から行ってよかったと思うし、できるだけ多くの人に行ってもらいたいというのが今の気持ちです。何より自分にできることがたくさんあると気づいたことは、今の自分を突き動かす力になっています。
最後に、カンボジアに行くなら絶対にピースボートで行ってほしいですね。ピースボートは、20年にもわたってカンボジアの地雷除去を支援してきました。だからツアーでも、カンボジアの受け入れ先の人たちからすごくリスペクトされているのがわかりました。ピースボートのツアーで行けば、普段は見られない所に案内してもらったり、すごい人に会えたりと、できることの幅がぜんぜん違いますから。
※2017年8月出航の第95回ピースボート「地球一周の船旅」内でも、カンボジアの地雷問題を学ぶ同様のツアーを予定しています。参加者を募集中ですので、詳しくはピースボート事務局までお問い合わせください。
ピースボート事務局 メール:info@peaceboat.gr.jp
カンボジアでは、辛い歴史や残酷な現実を目の当たりにして世界に絶望するような気持ちになったこともありますが、それだけではありません。たくさんの人との出会いや出来事に心を動かされました。心から行ってよかったと思うし、できるだけ多くの人に行ってもらいたいというのが今の気持ちです。何より自分にできることがたくさんあると気づいたことは、今の自分を突き動かす力になっています。
最後に、カンボジアに行くなら絶対にピースボートで行ってほしいですね。ピースボートは、20年にもわたってカンボジアの地雷除去を支援してきました。だからツアーでも、カンボジアの受け入れ先の人たちからすごくリスペクトされているのがわかりました。ピースボートのツアーで行けば、普段は見られない所に案内してもらったり、すごい人に会えたりと、できることの幅がぜんぜん違いますから。
※2017年8月出航の第95回ピースボート「地球一周の船旅」内でも、カンボジアの地雷問題を学ぶ同様のツアーを予定しています。参加者を募集中ですので、詳しくはピースボート事務局までお問い合わせください。
ピースボート事務局 メール:info@peaceboat.gr.jp