ウクライナ・ユース・アンバサダー:水先案内人との交流
2024年4月~7月のピースボートVoyage117では、7名のウクライナ・ユース・アンバサダーが、いろいろな分野の専門家と出会い、ウクライナの現状と向き合いました。
「水先案内人」と呼ばれるゲスト講師は、研究者や活動家、ジャーナリストなど様々な分野で活躍している面々で、それぞれの視点からウクライナの現状に焦点をあてた対話やディスカッションを行い、7人は、多くの学びを得ながら、豊かな交流をしました。
「水先案内人」と呼ばれるゲスト講師は、研究者や活動家、ジャーナリストなど様々な分野で活躍している面々で、それぞれの視点からウクライナの現状に焦点をあてた対話やディスカッションを行い、7人は、多くの学びを得ながら、豊かな交流をしました。
- プロジェクト: 紛争予防(GPPAC)
- クルーズ: 地球一周の船旅 Voyage117
船
2024.11.11
2024.11.11
2024年4月~7月のピースボートVoyage117では、7名のウクライナ・ユース・アンバサダーが、いろいろな分野の専門家と出会い、ウクライナの現状と向き合いました。
「水先案内人」と呼ばれるゲスト講師は、研究者や活動家、ジャーナリストなど様々な分野で活躍している面々で、それぞれの視点からウクライナの現状に焦点をあてた対話やディスカッションを行い、7人は、多くの学びを得ながら、豊かな交流をしました。
「水先案内人」と呼ばれるゲスト講師は、研究者や活動家、ジャーナリストなど様々な分野で活躍している面々で、それぞれの視点からウクライナの現状に焦点をあてた対話やディスカッションを行い、7人は、多くの学びを得ながら、豊かな交流をしました。
ウクライナで、グリーンな再建を ~国際環境NGOグリーンピースの活動~
グリーンピース・ジャパンの事務局長であるサム・アネスリー氏は、北アイルランド出身です。サムさんは、北アイルランド問題の時期に紛争地域で育った自身の経験を共有しました。
また、ウクライナ・ユースは、グリーンピースの「グリーン再建パートナーシップ」プロジェクトに特に関心を示しました。ウクライナの学校、病院、幼稚園などの施設を、環境に優しい持続可能な形で再建することを目指しているプロジェクトです。
サムさんはこのように説明します。「たとえば、西ウクライナのシェペティウカ市の病院は、2022年8月にミサイル攻撃を受けて、損傷しました。病院の再建計画には、暖房システムの変更や、屋根の断熱材の設置、さらには太陽光システムの追加も検討しています。停電に対する耐久性が大幅に向上し、同時に、炭素排出量も削減できます」
また、ウクライナ・ユースは、グリーンピースの「グリーン再建パートナーシップ」プロジェクトに特に関心を示しました。ウクライナの学校、病院、幼稚園などの施設を、環境に優しい持続可能な形で再建することを目指しているプロジェクトです。
サムさんはこのように説明します。「たとえば、西ウクライナのシェペティウカ市の病院は、2022年8月にミサイル攻撃を受けて、損傷しました。病院の再建計画には、暖房システムの変更や、屋根の断熱材の設置、さらには太陽光システムの追加も検討しています。停電に対する耐久性が大幅に向上し、同時に、炭素排出量も削減できます」
コロンビアの内戦から学ぶこと ~教育と芸術の力で、トラウマは克服できるか~
南米コロンビア出身で、平和教育のコンサルタントとして活動するマリア・ペレス氏は、祖国で長年続く武力紛争について、ユース・アンバサダーに伝えました。
「私も、戦争の生存者です。私の国では紛争が長年続いていて、さまざまな敵対勢力が互いに、そして政府と対立して、戦ってきました。数え切れないほどの無実の一般市民、特に農民が脅迫され、誘拐され、時として命を奪われました。コロンビアでは、教育や芸術など多様な方法で、そのトラウマを克服しようとしています」
マリアさんは加えて、紛争中や紛争後の再建には、教育、そしてあらゆるレベルでの真実の開示を含む、多数のセクターの協力が不可欠であることを指摘しました。
「私も、戦争の生存者です。私の国では紛争が長年続いていて、さまざまな敵対勢力が互いに、そして政府と対立して、戦ってきました。数え切れないほどの無実の一般市民、特に農民が脅迫され、誘拐され、時として命を奪われました。コロンビアでは、教育や芸術など多様な方法で、そのトラウマを克服しようとしています」
マリアさんは加えて、紛争中や紛争後の再建には、教育、そしてあらゆるレベルでの真実の開示を含む、多数のセクターの協力が不可欠であることを指摘しました。
移民の視点 ~国境を越える「自分」の保ち方~
いまは日本に住み、いつ故郷のウクライナに帰れるか分からないウクライナ・ユースにとって、中国系アメリカ人として有数の活動家でありジャーナリストで作家でもあるヘレン・ジア氏とのディスカッションは刺激的なものでした。
ユースのユリヤ・チェコフスカさんは、ヘレンさんに「中国のルーツを持ちながら米国で育った経験を踏まえて、新しい国で生活を築こうとしている人へのアドバイスをお願いします」と尋ねました。
ヘレンさんは、ご自身の家族の話をしました。
「私が子供の頃、父は私が中国語を話すことを禁じました。中国語を知っていることが、私にとって不利になる、差別の原因になる、と懸念したのです。でも私は今、中国語が話せたらよかったと思っています。忘れないでください。スキルが多いことは、決してマイナスにはなりません。自分が背負っているすべての文化を受け入れ、ありのままの自分を受け入れることで、本当の、健全なアイデンティティを見出せるようになるのです」
ユースのユリヤ・チェコフスカさんは、ヘレンさんに「中国のルーツを持ちながら米国で育った経験を踏まえて、新しい国で生活を築こうとしている人へのアドバイスをお願いします」と尋ねました。
ヘレンさんは、ご自身の家族の話をしました。
「私が子供の頃、父は私が中国語を話すことを禁じました。中国語を知っていることが、私にとって不利になる、差別の原因になる、と懸念したのです。でも私は今、中国語が話せたらよかったと思っています。忘れないでください。スキルが多いことは、決してマイナスにはなりません。自分が背負っているすべての文化を受け入れ、ありのままの自分を受け入れることで、本当の、健全なアイデンティティを見出せるようになるのです」
国際政治に正義はあるのか ~政権を変える権利~
ワシントンDCにある政策研究所フェローのサンホ・ツリー氏は、船内でウクライナとロシアの関係について講演しました。
ユースのナターリヤ・マコホンさんは、以下のような感想を述べました。「ロシアによるウクライナ侵攻や、ロシア軍が、ウクライナ人や自国軍の兵士に対して犯している人権侵害や残虐行為について、私たちウクライナ人は既に知っています。でも、サンホさんが、いろいろな国から集まった船内の参加者に向けて、分かりやすく説明してくださって嬉しいです」
サンホさんとウクライナ・ユースは、ウクライナでの戦争、平和に馳せる想い、そして国際政治にまつわる実際の課題について議論しました。サンホさんは強調します。「ある国の政権を変えたり、与党を倒したりする権利を持つのは、その国の市民だけであり、他の国の政治家ではありません」
いろいろな分野の専門家との対話は、ウクライナ・ユースに新しい視点やアイデアを与え、現在の状況だけでなく、戦争が終わって機能する平和協定が成立した後、ウクライナの再建にどのように貢献できるかを考えるきっかけとなりました。
ユースのナターリヤ・マコホンさんは、以下のような感想を述べました。「ロシアによるウクライナ侵攻や、ロシア軍が、ウクライナ人や自国軍の兵士に対して犯している人権侵害や残虐行為について、私たちウクライナ人は既に知っています。でも、サンホさんが、いろいろな国から集まった船内の参加者に向けて、分かりやすく説明してくださって嬉しいです」
サンホさんとウクライナ・ユースは、ウクライナでの戦争、平和に馳せる想い、そして国際政治にまつわる実際の課題について議論しました。サンホさんは強調します。「ある国の政権を変えたり、与党を倒したりする権利を持つのは、その国の市民だけであり、他の国の政治家ではありません」
いろいろな分野の専門家との対話は、ウクライナ・ユースに新しい視点やアイデアを与え、現在の状況だけでなく、戦争が終わって機能する平和協定が成立した後、ウクライナの再建にどのように貢献できるかを考えるきっかけとなりました。
※この記事は、英語の記事をもとに作成されました。