パンフレットをでお届け
資料請求

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介
2024年4月~7月のピースボートVoyage117では、7名のウクライナ・ユース・アンバサダーが、戦争体験の証言に加え、ウクライナの文化や風習、歴史や伝統を紹介するワークショップを開催しました。
2024年4月~7月のピースボートVoyage117では、7名のウクライナ・ユース・アンバサダーが、戦争体験の証言に加え、ウクライナの文化や風習、歴史や伝統を紹介するワークショップを開催しました。

洋上で描く、ウクライナのイースター・エッグ

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介
ユース・アンバサダーのタチァーナ・ヴァージンスカさんは、イースター・エッグを作るワークショップを企画しました。他のユースと一緒に、このお祭りの意味や歴史を説明し、ウクライナの復活祭(イースター)の伝統を伝えました。

ウクライナでは、イースター・エッグに様々なシンボルを使ってデザインほどこします。例えば、波や格子の模様は、水、大地、穀物、稲妻といった自然の要素を示し、豊作を象徴します。健康と長寿を示す太陽や動物、魚の形や、癒しを表すヒマワリ、松、ヒル(蛭)も描かれます。樹木や花のイラストは、愛の象徴です。

ワークショップの参加者は、それぞれ卵に絵を描き、ウクライナのイースターについて、ユースたちと語り合いました。

ユリヤ・チェホフスカさんは子供の頃、イースターの日には色とりどりのイースター・エッグが山盛りのバスケットを持って教会へ行き、合唱隊で歌った思い出も話しました。

伝統衣装「ヴィシヴァンカ」

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介
アデリーナ・リセンコさんは、ウクライナの民族衣装「ヴィシヴァンカ」を紹介する企画を実施し、ウクライナ・ユース全員がそれぞれのヴィシヴァンカを装ってステージにあがりました。白地に赤い刺繍のものもあれば、黒地に黄色い装飾刺繍が施されたものなど、多種多様な柄を披露しました。

「ヴィシヴァンカという名称は、ウクライナ語で『刺繍する』という言葉に由来します」とアデリーナさんは説明します。

「本来のヴィシヴァンカを作る時は、刺繍に使用する糸を植物や鉱物といった天然成分で染めます。また、悪い霊が服の開口部から中に入り込むのを防ぐために、襟元や袖口の周りに刺繍がほどこされています。2006年からは、毎年5月の第3木曜日が「ヴィシヴァンカの日」として祝われています」

ヴィシヴァンカは2015年のパリ・ファッションウィークで脚光を浴び、現在では世界中のファッションブランドで扱われています。

伝統人形「モタンカ」

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介
アデリーナさんは、ウクライナで家族のお守りとして親しまれている伝統人形「モタンカ」を作るワークショップも開きました。

「モタンカという名前は、ウクライナ語で『巻く』という言葉から来ています。針を使わず、布をぐるぐる巻きにして人形を作ります」と解説しながら、何枚かの鮮やかな布を互いに巻きつけて、人形の頭と胴体を作る作業の手本を見せました。

「モタンカには顔が描かれず、代わりに十字架の模様が付けられることがあります。これはウクライナの民間信仰で、邪悪な霊は目や鼻、口などを通って体内に入ってくる、と信じられているからです。モタンカはウクライナ文化において、守護と癒しの力を象徴しています」

ことばと音楽で伝えるウクライナ

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介
ユリヤ・チェホフスカさん、アントニナ・コロテンコさん、タチァーナ・ヴァージンスカさん、そしてアデリーナ・リセンコさんは、船内で定期的にウクライナ語のレッスンを行いました。

一方で、ソフィア・デミデンコさんは、言語を超えて心と心を結ぶツールとしての音楽を駆使して、ウクライナのポップ・ミュージックを誰でもが楽しめるよう「ウクライナ・カラオケ・ナイト」と「ウクライナ・ミュージック・ナイト」を企画しました。

また、ウクライナ・ユースに加え、通訳ボランティアとして乗船していたウクライナ出身のアンナ・カルボフニチャさんが、船内の大きな会場で、700名程の観客を前に、民族衣装ヴィシヴァンカを纏ってウクライナ民謡「チェルヴォナ・ルタ」を歌い、美しいメロディを船内に届けました。

大海原で祝う夏祭り「イヴァナ・クパラ」

ウクライナ・ユース・アンバサダー:洋上ウクライナ文化紹介
地球一周の船旅も終盤に差し掛かる頃、オープンデッキでは、マリヤ・ボルジクさんが率いるウクライナの夏祭り「イヴァナ・クパラ」が開催されました。

イヴァナ・クパラは、キリスト教以前の時代にさかのぼる、東スラブの伝統的なお祭りで、ウクライナでは毎年7月6日から7日にかけて祝われます。

お祭りの開幕を飾ったのは、幾度も集まってユースの指導のもと練習を重ねてきた参加者のダンス・グループ。花冠をつけてウクライナのメロディーに合わせて、イヴァナ・クパラ舞踊を披露しました。

焚火に見立てた丸太とイルミネーションが用意され、ウクライナのフォーク・ミュージックやディスコ音楽をバックに、多くの参加者が夜遅くまで輪になって踊りました。

ナタリーヤ・マコホンさんは満面の笑みを浮かべながら、「私の祖国の音楽に合わせて踊ることができて、とても幸せです。ウクライナ人であるなしに関わらず、皆さんが私たちの国の音色に合わせて踊っているのを見て、心の底から感動しました」と語りました。
※この記事は、英語の記事をもとに作成されました。

このレポートを読んだ方におすすめ