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Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
世界を震撼させたロシア軍によるウクライナに対する軍事侵攻。いまも多くの避難民が国外で暮らしています。ピースボートは、ウクライナの避難民を支援するため、寄付を募ってきました。そしてピースボートVoyage114では、若いボランティアの有志たちが、ウクライナからの避難民への人道支援の現場を訪問するため、一時的に船から離れ、ウクライナ隣国であるルーマニアへと旅立ちました。ここでは、その取り組みを報告します。
世界を震撼させたロシア軍によるウクライナに対する軍事侵攻。いまも多くの避難民が国外で暮らしています。ピースボートは、ウクライナの避難民を支援するため、寄付を募ってきました。そしてピースボートVoyage114では、若いボランティアの有志たちが、ウクライナからの避難民への人道支援の現場を訪問するため、一時的に船から離れ、ウクライナ隣国であるルーマニアへと旅立ちました。ここでは、その取り組みを報告します。

ピースボート災害支援センターのウクライナへの支援

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
今回の訪問の主な目的は、ピースボート災害支援センター(PBV)がサポートをしている支援の現場を訪問することです。PBVは、2022年3月からウクライナ人道支援事業を開始しました。

それ以来、ルーマニアの複数のNGOと連携しながら、以下のような支援を行ってきました。ルーマニア北部にある避難民支援センターの運営支援、ウクライナで治療を受けられなくなってしまったガン患者の転院・移住支援、避難者の法的支援やカウンセリング、ウクライナ各地の病院への医薬品配布といった支援事業です。

日本各地のピースボートセンターでも街頭募金などを行い、ボランティアスタッフも熱心に支援活動に取り組んできました。

今回、そのボランティアたちを中心に、2023年4月7日に日本を出発したVoyage114から有志メンバー5名の参加者(22歳~33歳)と同行スタッフ2名が、ギリシャのピレウスから船を離脱。ウクライナ難民支援の現場を学ぶため、ルーマニアを訪問しました。

現地で滞在した3日間の間、支援を継続して行っているPBVのパートナー団体を訪問し、船内で集めた募金を届ける、というミッションも行いました。自分たちが集めた募金がどのように活かされ、今後も継続するニーズはどのようなものか、自分の目で見て学んできました。

「ルーマニア全国難民協会」の活動現場へ

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
コンスタンツァの支援拠点におけるCNRRの活動について話を聞く
ルーマニアでの滞在中は、ルーマニア全国難民協会( Romanian National Council for Refugees=CNRR、「略称チェネレレ」)にお世話になりました。

1998年に設立されたこの難民支援NGOは、ウクライナ各地への攻撃が始まった直後から、ルーマニアの国境警察や国連機関などと連携し、ウクライナから逃れてきた人々(ウクライナで暮らしていた外国籍の人々を含む)への法的支援やカウンセリング、そして支援者の人材育成などにあたっています。

PBVに集まった寄付金は、CNRRのこうした研修事業や避難民の交流事業、備品提供などの活動も支えています。具体的な実施内容としては、 国境付近での避難民支援、コールセンターの設置、一時保護および難民申請の支援・書類翻訳、支援スタッフの養成、ルーマニア定住に必要な情報提供や説明会の開催、交流イベントの実施といったものです。こうした活動により、これまで2万5千人以上のウクライナ避難民をサポートしてきました。

ピースボートのグループは、まずCNRRの事務所を訪問して、その後同団体が運営する二つの支援拠点も視察しました。

首都ブカレストにある事務所では、事務局長を含むスタッフ数名から活動に関するレクチャーを聞き、意見交換を行いました。言葉も通じない知らない土地で、様々な申請を政府に提出しないと滞在の許可、病院での診断、学校への通学などもできないため、CNRRが全面的にサポートを行っています。

難民の受け入れ拠点

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
難民の方々のためのアート・セラピーのワークショップに参加
この話を聞いた参加者の1人は、「法律的な支援の重要性について改めて認識した」と語りました。また、参加者に深い印象を与えたのは、スタッフの年齢です。「自分たちよりも若い人も多く、明確な目的を持って自分にできることを常に考えて活動していると感じました」。

また、支援団体が複数ある中で、CNRRの強みは法律のプロであることです。その大切さを痛感する声もありました。「法律の壁にぶつかる時に、そこの部分をサポートしてくれることは心強いと感じました。他の支援団体がやっていない翻訳サービスや、法律的な砦の役割を担っていることを知ることができました」と語ります。

事務局での説明を伺った後は、Romexpo Hub for Ukrainian Refugeesというウクライナ難民の受け入れ拠点(ハブ)に案内してもらいました。ここでは、国連や国際機関、他のNGOの現場の職員それぞれから話を伺いました。

また、夜にはCNRRが定期的に行っているウクライナからの難民の方々のためのアート・セラピーのワークショップにも、一緒に参加しました。

粘土で笛を作ることで、言葉では表現できない心に潜んでいる悲しみや希望を表し、また、お互いの制作物を見ながら対話をする、というアクティブティーに、ピースボートからのグループも一緒に手を動かしながら、思い思いの作品を作りました。

ウクライナとの国境へ

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
複数の団体が活動しているコンスタンツァの支援拠点
翌日5月17日には、ブカレストから数時間移動し、ウクライナとの国境を見学しました。ルーマニアのイサクチャ という国境エリアは、ウクライナからフェリーで渡れる距離にあります。

そして、ピースボートがこれまでも何度も寄港しているオデーサ港にも一番近い国境エリアです。ここでは一時期、多くのボランティアが食料、水、ルーマニアのSIMカードなどを配布していました。

ウクライナから逃れる人たちが、海を越えて来れるかどうかは、オデーサの戦闘の状況次第で、日々状況が変わってきます。参加メンバーは、国境での数時間の滞在中、避難民支援の設備について伺い、実際に行き来する姿を見ながら、戦争で故郷を離れざるを得ない状況にいる人たちの現実を想像しました。

嬉しい再会

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
コンスタンツァの支援拠点内にあるラジオ局を訪問
ルーマニアでの旅の最後に、とても嬉しい出会いが待っていました。港町のコンスタンツァでは、ピースボートのクルーズで、これまでも何度も船長を務めたビクター・アリモフ船長が一同を迎えてくれたのです。

ウクライナ出身のアリモフさんはVoyage114の横浜からシンガポール区間で名誉船長として乗船しました。アリモフさんは、現在一緒にウクライナから避難している家族と一緒にコンスタンツァの街を散策しながら、ルーマニアでの生活ついて紹介をしてくれました。

また、ウクライナ南部のヘルソン市から避難している、元ピースボートクルーズ乗組員のハンナさんも参加して、ウクライナに対する思いや避難先での生活、またピースボートの皆さんへのメッセージも共有してくれました。

継続的な支援の大切さ、あなたにもできること

Voyage114で、ウクライナ支援の現場を訪問しました!
ブカレストにある CNRRの事務所を訪問
ルーマニア訪問を終えた一同は、Voyage114に再合流しました。その後、船内で報告会やウクライナに対する支援のためのイベントや、船内募金などが行われました。

ルーマニアを訪問したメンバーの1人は、「現場の状況を実際に自分たちの目で見て、活動する人たちや当事者の声を聞くことによって、事前に想像していた支援のあり方と、本当に必要なニーズについて、改めて考えるきっかけになった」と話しました。そして、「特に継続した支援の大切さと、サポートする側が共倒れしないようなケアの必要性について考えた」と言います。

Voyage114では、合計約245万円の募金が集まりました。募金はCNRRを含む、PBVが支援しているルーマニアの団体に届けられます。PBVは、今後もルーマニアのNGOを通じた支援を継続していく一方で、黒海沿いの国ジョージアで、ウクライナの戦争で負傷した人々のリハビリを日本の医療技術で支援するプロジェクトを新たに立ち上げ、彼らが一日も早く社会復帰を果たせるよう応援していきます。

また、ウクライナの状況が落ち着き次第、ウクライナ国内での復興支援も実施したいと考えています。ウクライナ支援事業への寄付は、以下のPBVのサイトで募集を行っています。是非ご協力ください。

ルーマニア訪問中の中継企画の動画

メンバーがルーマニアにい間に、緊急企画としてオンラインで生配信を行いました。それぞれの参加者が支援現場で見てきたこと、感じたことが述べられています。ぜひご覧ください。

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