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ミャンマーの民主化・人権運動家キン・オーンマーさんが来訪されました

ミャンマーの民主化・人権運動家キン・オーンマーさんが来訪されました
5月31日、ミャンマーの民主化・人権運動に携わっているNGO「プログレッシブ・ボイス」の、キン・オーンマーさんと藤松りんさんが、ピースボートセンターとうきょうに来訪されました。オーンマーさんは、これまでに水先案内人として、ピースボートにご乗船いただいたことがあります。

今回は、これから乗船するボランティアスタッフや、ミャンマーとゆかりのあるピースボートスタッフなど、約30名ほどと、ミャンマーの近況について意見交換会を行いました。以下で、お話しの要旨をお伝えします。
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5月31日、ミャンマーの民主化・人権運動に携わっているNGO「プログレッシブ・ボイス」の、キン・オーンマーさんと藤松りんさんが、ピースボートセンターとうきょうに来訪されました。オーンマーさんは、これまでに水先案内人として、ピースボートにご乗船いただいたことがあります。

今回は、これから乗船するボランティアスタッフや、ミャンマーとゆかりのあるピースボートスタッフなど、約30名ほどと、ミャンマーの近況について意見交換会を行いました。以下で、お話しの要旨をお伝えします。
2021年に、ミャンマーでは総選挙があり、国民の意思で選ばれた国の代表者が決まりました。しかし、軍部はその結果を不正と主張しクーデターを実施します。反対の声を上げる市民や、その家族を次々と拘束します。

2歳の子どもまで拘束するケースもありました。また、デモが盛り上がると銃撃を繰り返し、多数の犠牲者が出ました。

日本では、サッカーのミャンマー代表チームの選手が来日した際、3本指を立てるなどして、軍事政権に抗議の意思を示したことで帰国できなくなる事件もありました。その選手はその後、難民認定を受けて日本に在留しています。

また、タイで開かれたミス・コンテストでは、ミャンマー代表の女性が国際社会に対し、助けを求めるスピーチを行いました。

それでも国際社会は、有効な手段を取れず、解決の糸口を見いだせないまま、軍部による市民への圧力は増しています。

オーンマーさんは、そんな状況でも、これまでの民主化運動とは違う変化が起きていると語りました。

「ミャンマーの若者たちは、民主的に選ばれた人たちが、国の政治を行うべきだということを知っています。ミャンマーの人たち、特に若い世代は、この10年で鎖国状態だったミャンマーが国の扉を開き、自分たちの国以外のことを知り始めました。

そして民主的な国に少し近づいたと実感しました。しかし、クーデター後、このままだと自分たちが国の代表を選ぶ権利をもはく奪されるのではないかと危機感を抱き、デモを行いました。

しかし、国際社会からの支援が得られないため、自ら武器を持ち、時には武器をつくることを選ばざるを得ない状況があるのです」

話の最後に、オーンマーさんが日本の私たちに向けてくれたメッセージがあります。

「一般的なミャンマーの人たちは日本に対して好意的です。でも、日本政府の対応についてとても困惑しています。本当にミャンマーの人たちのことを想って行動をしているのか疑問に思っているのです」

オーンマーさんが言うように、日本政府は、軍部の人権侵害などの犯罪行為を止めるような圧力をかけているわけではありません。そして、ODA(政府開発援助)の支援は続いています。さらに、日本がODAで支援した旅客船が、兵士や武器の輸送に使われたことが明らかになっています(23年4月)。そういったことがあっても、日本政府はODAを停止しているわけではありません。

ミャンマーの人たちは、日本を含む国際社会に対して、助けを求め続けています。歴史的に、ミャンマー国軍と深い関わりを持ってきた日本政府は、ミャンマーの課題を解決すべく、リーダーシップをとる義務があります。

そして、私たち日本の市民も、そうした政府の対応を求めるために行動する必要があります。ピースボートはこれからも、ミャンマーの民主化を求める人々の動きに注目し、サポートを続けたいと考えています。

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