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世界190カ国で被爆証言会:第40〜42回を開催しました(ガーナ、ベトナム、スウェーデン)

世界190カ国で被爆証言会:第40〜42回を開催しました(ガーナ、ベトナム、スウェーデン)
2021年11月30日現在、52カ国で50回、累計3356人の方に証言を届けました。
被爆者に残された時間は限られています。私たちは今、なるべく多くの被爆者の方々に世界に向けて語っていただきたいし、そのための場を1つでも多く作っていきたいと思い、「おりづるプロジェクト・オンライン」として、全世界190カ国でオンラインを中心にした被爆証言会を実施しています。
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2021年11月30日現在、52カ国で50回、累計3356人の方に証言を届けました。
被爆者に残された時間は限られています。私たちは今、なるべく多くの被爆者の方々に世界に向けて語っていただきたいし、そのための場を1つでも多く作っていきたいと思い、「おりづるプロジェクト・オンライン」として、全世界190カ国でオンラインを中心にした被爆証言会を実施しています。

「汝の敵を愛すこと」なんて無理と思いました ~伊藤正雄さんガーナの人々に

世界190カ国で被爆証言会:第40〜42回を開催しました(ガーナ、ベトナム、スウェーデン)
8月31日に40回目となる証言会が、ガーナのFOSDA(Foundation for Security and Development in Africa)のテオドラ・ウィリアムス(Theodora Williams)さんの主催で行われました。

当日は約14名が参加しました。

今回、証言してくださったのは、1941年生まれ、当時4歳6ヶ月で被爆を体験した伊藤正雄さんです。

原爆で二人の兄姉を失った正雄さんには苦難が続きます。中学生の時、父親が「原爆ぶらぶら病」にかかり家業が倒産。生計を立てるために高校を中退して働いたものの、自身が結核で入院生活を余儀なくされました。

入院中にたまたま手に入れた聖書を読んだところ、「汝の敵を愛せよ」という一文に原爆を落としたアメリカを重ね、憤りを感じたそうです。しかし、退院後、教会を訪れ洗礼を受けることになります。

時は流れ定年後、牧師さんの提案により広島平和資料館でのボランティアガイドを行なっていました。その活動の中であるアメリカ兵と出会います。正雄さんは、「アメリカ兵たちも最初は興味本位で資料館を訪ねてきたわけですけれども、帰る時には『我が祖国がこんな酷いことをしたのか』と言って涙を流す青年と出会いました」とおっしゃっていました。

その時、正雄さんは「原爆を落とした国、アメリカは憎いけれど、アメリカの中にもこんなに心優しい人もいるのか」と知ったそうです。それ以来、「多くのお友達を作ることが、戦争を回避することになる」と考えています。

会の最後に、正雄さんは「コロナが落ち着いたらぜひ広島に来てください」と、参加者の方に語りかけていました。

ベトナム戦争を経験したレリさんとの出会いが私を突き動かした

世界190カ国で被爆証言会:第40〜42回を開催しました(ガーナ、ベトナム、スウェーデン)
2021年9月18日、第41回目のオンライン証言会を行いました。

軍縮のためのユースリーダー2021(Youth Leaders For Disarmament 2021)に参加するベトナムの学生たち、約150名に証言を届けました。

この会を主催したのは国連の軍縮ユースでもあるリン・トランさんです。冒頭で「この会を通して軍縮についての見聞を広げてほしい」と語っていました。

今回証言をしてくださったのは広島で被爆を経験した坂下紀子さん。

坂下さん自身、被爆当時はまだ2歳だったため、その頃の記憶はほとんどありません。しかし、物心ついたときから周囲の人たちが話していた原爆について私たちに語ってくださいました。

参加した学生からは、苦しい経験をどうやって乗り越え、未来に向かって生き続けているのか、原爆を投下した責任者についてどう思うかなど時間内では収まりきらないほど多くの質問が出ました。

児玉三智子さん、スウェーデンの高校生に語った「原爆被害は過去のことではなく、現在、未来のことです」

世界190カ国で被爆証言会:第40〜42回を開催しました(ガーナ、ベトナム、スウェーデン)
児玉さん(左上)、高校生の皆さん(左下)、ピースボートスタッフのルイーセ・ローレンセン(中央上)、通訳の山本直美さん(中央下)、報告書担当の馬屋原瑠美さん(右下)、レコーディング担当の小林美晴さん(右上)
9月21日、スウェーデンの核戦争防止国際医師会議のクララ・レヴィンさん主催のもと、高校生30人が参加して第42回目のオンライン証言会が行われました。

この度、証言してくださったのは7歳のとき広島で被爆した、児玉三智子さんです。

「8月6日は広島、9日は長崎に投下された原子爆弾は、瞬時に多くの命を無残に奪い、かろうじて生き残った被爆者も、放射能の後遺症で次々に亡くなっていきました。原爆は人として死ぬことも、人間らしく生きることも許さなかったのです」

この10年の間に、放射能後遺症とみられる病で家族を次々と失った児玉さんは、語りました。

証言会後の質疑応答の時間には、スウェーデンの学生から、「どのようにして児玉さん自身が原爆投下から、立ち直ることができたのか」、「なぜ被爆者は差別・偏見を受けるのか」、「現在のアメリカに対する感情」や「核保有国が核兵器を無くすためにはどうすれば良いのか」など多くの質問が寄せられました。

【ご参加とご協力を歓迎します】

世界190カ国で被爆証言会:第40〜42回を開催しました(ガーナ、ベトナム、スウェーデン)
各国での受け入れは、ピースボートが過去数十年にわたり各国で築いてきた幅広いパートナーや、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)その他の国際NGOネットワークを通じて行っています。

それ以外にも、(1)証言者になってくださる被爆者の方、(2)通訳や言語面でお手伝いしてくださる方、(3)諸外国で被爆証言会の受け入れ先を紹介していただける方、(4)その他の形でこのプロジェクトを支えてくださる方(財政的なご支援も歓迎です。以下の欄をご覧ください)がいらっしゃいましたら、どうぞピースボート事務局までご連絡ください。

◆ピースボート事務局(「おりづるプロジェクト担当」宛)
pbglobal◎peaceboat.gr.jp (◎を@にかえてメールしてください)
または「お問い合わせ」ボタンから

【支援金をお願いしています】

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このプロジェクトを成功させていくためには、企画、折衝、実施、通信などに多大な費用が必要です。皆さまからの支援金をお願いします。

◆支援金の送り先

郵便振替口座 00180-3-177458
加入者名 ピースボート
(通信欄に「ヒバクシャ」とお書きください)

ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店
当座 0177458
口座名義 ピースボート
(振込依頼人名の前に「ヒバクシャ」と入力してください)

クレジットカードでの支援金もうけたまわっています。以下のリンクをご覧ください。

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