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カンボジアで地雷除去の現場を訪れました

カンボジアで地雷除去の現場を訪れました
地雷除去作業で発見された地雷(写真中央付近)
第95回ピースボートで「カンボジア地雷問題検証ツアー」を開催しました。ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACはカンボジアの地雷除去を支援しています。パートナーである地雷除去団体「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」が活動している現場やP-MACが支援を続ける村をおとずれて、人々と交流しました。
地雷除去作業で発見された地雷(写真中央付近)
第95回ピースボートで「カンボジア地雷問題検証ツアー」を開催しました。ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACはカンボジアの地雷除去を支援しています。パートナーである地雷除去団体「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」が活動している現場やP-MACが支援を続ける村をおとずれて、人々と交流しました。

復興そして発展の道をあゆむカンボジア

カンボジアで地雷除去の現場を訪れました
1970年代から続いたカンボジア内戦は1991年、和平合意に達しました。そこから長い年月をかけてカンボジアは復興の道を歩んでいます。

内戦や地雷のイメージが強いカンボジアですが、近年は経済発展も進み世界遺産であるアンコールワットを擁する町・シェムリアップは世界中から人々が訪れる一大観光都市でもあります。

「カンボジア地雷問題検証ツアー」に参加した人たちにとっては、大型ホテルやレストランが乱立して中心部では夜遅くまで人々が行き交う町の様子は、イメージしていたカンボジアとは違ったものでした。

それでも、町を歩いていると物乞いをする人や手足を失った人、小さな子どもが裸足で働く姿など、カンボジア内戦の影響を感じる光景があります。そして、シェムリアップの町から離れると、今も地雷が埋まっている地域も多く存在します。

人々が暮らす場所に残る地雷

カンボジアで地雷除去の現場を訪れました
シェムリアップの町から一歩離れると、のどかな田園風景が広がる大地が続きます。数時間後に到着したのは、小さな村です。人々が暮らす家のすぐ近くに目的地がありました。地雷除去団体「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」による地雷除去活動がおこなわれている現場です。

内戦中に埋められた地雷が今でも人々の生活の場のすぐ横に埋められています。CMACはこの場所で、3種類の方法による地雷除去活動をおこなっています。

1つは地雷に含まれるわずかな金属を頼りにさがす金属探知機を使った方法です。とても時間のかかるものですが、一番確実に見つけることができます。

火薬のにおいを見つけられるように訓練された地雷探知犬による方法、そして大型の機械を使った方法もあります。カンボジアでは主にこの3つの方法を使って地雷を探します。

安全な土地を取り戻すために

カンボジアで地雷除去の現場を訪れました
私たちが訪問した日に見つかった地雷もありました。CMACスタッフの指示に従い、数人ずつに分かれて順番に、地雷が埋まっている場所に近づきます。

地表からわずか数センチのところに直径10センチほどの地雷が埋まっています。この地雷をもしも誰かが踏めば、足を吹き飛ばす位の威力があります。

そして、地雷の爆破処理も見学しました。見つかった地雷や不発弾を一カ所に集めてまとめて爆破させます。ツアー参加者の一人が爆破のスイッチを押します。数百メートル離れた場所から見学しましたが、その威力はとてつもなく大きく、参加者も一瞬静まりかえります。

一度埋められた地雷は一つ一つ探し出して処理するしかなく、膨大な時間と手間のかかる作業です。それでも安全な土地を取り戻し、人々が被害に遭わないためには、このような作業を日々続けていく必要があります。

人命を救う「ヒーローラッツ」

カンボジアで地雷除去の現場を訪れました
CMACは、ネズミを使って地雷を探す方法も試験的におこなっています。タンザニアの社会的企業である「APOPO」が、アフリカオニネズミという大型のネズミに火薬のにおいをかぎ分けるように訓練をして、今ではタンザニア以外の国でも地雷除去に使われています。

カンボジアではAPOPOとCMACが協力して、このネズミを使った地雷除去をおこなっています。私たちが見学したのは、地雷を探すための訓練の様子です。近くでみると猫と変わらないぐらいの大きさがあります。

地雷原に見立てた場所を行ったり来たりしながら火薬のにおいを探します。地面に埋めた火薬を感じるとその場所を引っかくことで人間に知らせます。このネズミは地雷を探すことで人の命を救うため「ヒーローラッツ」と呼ばれています。

アフリカオニネズミはアフリカの涼しい地域に生息しているため、高温多湿のカンボジアでは活動時間が限られるなどのデメリットもありますが、優れた嗅覚を持ち人間の指示を理解する賢さも持ち合わせています。地雷原は場所によって土地の状況も様々です。状況に応じて金属探知機、地雷探知犬、大型機械による地雷除去がおこなわれていますが、今後はヒーローラッツの活躍も期待されています。

地雷が残る村に暮らす子どもたち

カンボジアで地雷除去の現場を訪れました
ツアーの最後には、ピースボートが地雷除去を支援しているスナハイ村を訪問しました。スナハイ村は内戦中は激戦地だったため多くの地雷が埋められた場所です。人々が暮らしているすぐ隣にも多くの地雷原が残っています。

2016年には地雷を除去して、その土地に小学校を建設しました。私たちが小学校に到着すると全校生徒が出迎えて歓迎してくれました。ピースボートは2010年からこの村を支援し、ツアーでも何度も訪れています。子どもたちもピースボートが来ることを楽しみにしてくれているようで、交流の時間にはボールや縄跳びなど、参加者と一緒に遊び、そこかしこから楽しそうな笑い声が聞こえてきました。

この学校ができたことで、子どもたちは安全な場所で学ぶことができるようになりましたが、村には今も地雷原があります。他の地域からも離れた場所にあり、生活インフラが整っていなかったり、貧困の問題もあります。参加者の1人は「一緒に時間を過ごした子どもたちの未来のためにも支援を続けたい」と話しました。

今回のスナハイ村訪問にあわせて、小学校に石けんを届けて手洗いの大切さを伝えるプロジェクトを開始しました。詳細は【この記事を読んだ方におすすめ】のリンクからご覧ください。



※2018年3月出航の第97回ピースボート「アジアグランドクルーズ」ではカンボジアに寄港し、カンボジアの地雷問題を学ぶ同様のツアーを予定しています。参加者を募集中ですので、詳しくはピースボート事務局までお問い合わせください。

ピースボート事務局 メール:info@peaceboat.gr.jp

詳しくは

ツアーの詳しい様子はピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACのブログをご覧ください。

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