パンフレットをでお届け
資料請求

エラ・ガンジーと一緒に ー未来のために「平和の海」を―

エラ・ガンジーと一緒に ー未来のために「平和の海」を―
船内の企画で登壇するエラさんの様子
ここでは、第88回ピースボートに水先案内人として乗船した平和活動家のエラ・ガンジーさんについてお伝えします。インド建国の父、マハトマ・ガンジーは、非暴力による平和活動を貫いた人物として世界的に有名です。マハトマを祖父にもつ彼女もまた、平和活動家、南アフリカ共和国元国会議員として平和のために人生をかけて世界で活躍しています。
船内の企画で登壇するエラさんの様子
ここでは、第88回ピースボートに水先案内人として乗船した平和活動家のエラ・ガンジーさんについてお伝えします。インド建国の父、マハトマ・ガンジーは、非暴力による平和活動を貫いた人物として世界的に有名です。マハトマを祖父にもつ彼女もまた、平和活動家、南アフリカ共和国元国会議員として平和のために人生をかけて世界で活躍しています。

平和活動家

エラ・ガンジーと一緒に ー未来のために「平和の海」を―
船内の企画で登壇するエラ・ガンジーさん
「暴力を暴力によりなくすことはできません。」

非暴力・不服従を提唱した世界的な平和活動家であるマハトマ・ガンジー氏の孫であるエラ・ガンジーさんは壇上から、聴衆へ向かって優しく訴えました。

南アフリカで起こった反アパルトヘイト運動の推進者であり、普遍的平等に尽力した彼女は、ピースボートに乗船し、平和活動家としての半生と祖父のマハトマ・ガンジーの教えを伝えました。

エラさんがピースボートに乗船したとき、日本は岐路に立たされてました。戦後70年間、日本で戦争がなかった要因の一つと考えられている憲法9条の戦争放棄の条文です。

その9条により制限されている自衛隊の活動範囲を変え、同盟国の戦争に参加することを可能にする「安保法案」の制定が進められていました。

物議を醸しているこの法案は最終的に9月19日に可決される見込みでしたが、政府が決断に迫られる中、日本中から多くの人が抗議運動に参加しました。

平和の海を、未来のために

エラ・ガンジーと一緒に ー未来のために「平和の海」を―
左からエラ・ガンジーさん、ラリータ・ラムダスさん、カルメリータ・ヌキさん、武者小路公秀さん
船の上からも何か出来ないだろうか。日本の人々の動きに後押しされて、「平和の海を、未来のために ~ピースボート88回クルーズより世界の人々そして指導者たちへの提言~」という平和の声明文の草案が始まりました。

平和の声明文は、エラさんと他3名の水先案内人よる共同声明となりました。インドの反核活動化でグリーンピースインドの共同設立者ラリータ・ラムダスさん、フィリピンの出稼ぎ労働女性と日本人男性との間にできた子どもの支援活動をおこなっているフィリピンのカルメリータ・ヌキさん、元国連大学副学長で反差別運動家の武者小路公秀さんです。

「現在日本で起こっていることが、この声明を発表するきっかけになりました。日本の動きはアジアだけでなく、世界中に影響を与えるでしょう」とエラさんは訴えました。

「平和な海」の声明文は、平和の希求であり、同時に気候変動、軍事化、核問題、搾取的な構造を強調し、懸念を示しています。呼びかけ人となった人たちは、国家元首を始め国連などの国際組織に送付する意思を表明しました。

「私たちは、地球上のすべての人々に呼びかけます。平和と非暴力を支持する声を上げ、人類共通の課題を解決するための非軍事的な手段を一緒に追求しましょう」(エラさん)。

非暴力の道

エラ・ガンジーと一緒に ー未来のために「平和の海」を―
戦争反対のバナーを掲げる参加者
エラさんは、平和構築の活動を長年続けてきました。1960年代には南アフリカの学校における人種的分離に対する学生運動に参加しました。

反アパルトヘイト運動に積極的に参加し、1975年には活動を禁止され、9年の軟禁生活を迎えることになりました。それでも平和的、非暴力の市民抵抗を続けました。

エラさんの師匠でもあり、教師でもあった祖母の「紛争解決には非暴力的解決策の方が有効」という理念を今でも大切にしているとエラさんは語りました。

軟禁後は南アフリカの国会議員になり、平和と平等のために働き続けました。エラさんは国内の家庭内暴力を減らすため、コミュニティとしての責任を強調しました。このためには教育は欠かせないことが分かりました。

「コミュニティのジェンダーに対する意識を変える必要があります。女性は家にいるべき、弱い、何もできないという偏見を変える必要があります」とエラさんは語りました。

教育で社会を変える

現在のエラさんの二つの主な活動は南アフリカにおける原発の開発を止めることと、学校教育の倫理をより意味のあるものにすることです。

現在の南アフリカの教育では倫理と宗教を強く結びつけています。倫理を宗教から突き放し、非暴力紛争解決の重要性を教えるべきだと考えています。

「変化を起こすためにはまず自分の考えかた、行動を変える必要がある。幸せになるためにはお金より重要なものがあると気づく必要があります。これができれば、教育のシステムを変える第一歩になります」と彼女は言います。

仲間とともに変化を起こす

「平和の海を、未来のために ~ピースボート88回クルーズより世界の人々そして指導者たちへの提言~」という声明文を世界中で行うことによって、ピースボートはエラさんの非暴力のメッセージをも広めることができます。

「我々は代案を与えているのです。平和的な交渉、紛争解決という代案、そして緊張感が高まることのない環境作り。船内外で沢山の人にこの活動に署名してもらえることを願っています。圧迫感ではなく、地球というコミュニティにいて、同じ悩みや考えを持つ多くの人々がいることを忘れないで。第一歩としてピースボートの創設者がしたように、同じ考えの人とつながり、変化を呼び起こす。一人でできる人はいない」とエラさんは語りました。

このレポートを読んだ方におすすめ