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「被爆者の声に耳を傾けて」――核兵器廃絶国際デーの国連会合で訴えました

「被爆者の声に耳を傾けて」――核兵器廃絶国際デーの国連会合で訴えました
国連が「核兵器廃絶国際デー」と定める9月26日、広島の被爆者であり日本被団協代表理事の田中聰司(さとし)さんが、ニューヨーク国連本部でのハイレベル会合にて発言を行いました。またこの日、新たに2カ国が核兵器禁止条約に加わり、同条約参加国は世界の過半数となりました。これらはICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)による働きかけの成果です。今回、ピースボートの渡辺里香が田中さんに同行し、通訳しました。
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国連が「核兵器廃絶国際デー」と定める9月26日、広島の被爆者であり日本被団協代表理事の田中聰司(さとし)さんが、ニューヨーク国連本部でのハイレベル会合にて発言を行いました。またこの日、新たに2カ国が核兵器禁止条約に加わり、同条約参加国は世界の過半数となりました。これらはICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)による働きかけの成果です。今回、ピースボートの渡辺里香が田中さんに同行し、通訳しました。

命ある限り「人類は核兵器と共存できない」と訴えます

「被爆者の声に耳を傾けて」――核兵器廃絶国際デーの国連会合で訴えました
核兵器廃絶国際デーで発言する田中聰司さん
この日は正式には「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」といい、核兵器による脅威と廃絶の必要性について世界的に啓発する日として、2013年に国連総会で定められました。1983年9月26日に、ソ連軍のシステム誤作動による核ミサイル攻撃の警報が鳴った事件に由来しており、毎年、国連事務総長のメッセージが発表され、市民社会による記念イベントが開催されています。

国連本部で開かれたハイレベル会合では、100を超える加盟国から核軍縮・核廃絶に向けての発言がありました。このことからも、核兵器を廃絶することでしか本当の安全は守られないという気概が感じられました。

発言の中で、田中さんは以下のことを強調しました。
- 核兵器と核被害者(グローバルヒバクシャ)が地球規模で拡散し、核戦争のリスクが極限に達していることへの警告。
- 日本被団協へのノーベル平和賞授与は「被爆者の声に耳を傾けよう」という世界へのメッセージであり、核への危機感の薄さに対する警鐘でもある。
- 核保有国のリーダーが耳を貸さない現状に触れつつ、「人類は核兵器と共存できない」という信念を命ある限り訴え続ける決意を表明。

国連TVでも、「核兵器国にこそ被爆者の声を聞いてほしい」と

「被爆者の声に耳を傾けて」――核兵器廃絶国際デーの国連会合で訴えました
国連TVに出演する田中聰司さんとメリッサ・パーク事務局長
田中さんは国連TVの番組にも出演し、メリッサ・パークICAN事務局長とともに、核兵器廃絶の重要性について語りました。
田中さんは、自身が1歳の時に母親と一緒に被爆したこと、核兵器国にこそ自分たちの声を聞いてもらい、(核兵器廃絶に向けて)動いてもらいたいと訴えました。パーク事務局長は核兵器禁止条約の意義と、参加国が増え続けていることを説明しました。2つのノーベル平和賞受賞団体が協力して被爆者の声を国際社会に届け、世界をより平和にするため対話と軍縮の必要性を強調しました。

核兵器禁止条約に参加する国が世界の多数に

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キルギスの署名式典にて
国際デーに合わせて、核兵器禁止条約への新たな参加が報告されました。キルギスの署名とガーナの批准です。これにより、同条約に締約または署名した国は99カ国となり、世界でこの条約に加わることのできる197カ国の過半数となりました。
田中聰司さんはICANのメンバーとともに、キルギスの署名、ガーナの批准を見守りました。

国内外のメディアのカメラを前にして「核兵器国を動かしたい」

「被爆者の声に耳を傾けて」――核兵器廃絶国際デーの国連会合で訴えました
メディアの取材を受ける田中聰司さん
田中さんの発言と国際デーの動きは、国内外の複数のメディアに取り上げられました。

国際的機運の醸成に、引き続き尽力

「被爆者の声に耳を傾けて」――核兵器廃絶国際デーの国連会合で訴えました
ガーナの担当者と田中聰司さん
今回の国際デーでは、日本被団協、ICAN、ピースボートが協力をして被爆者の訴えを届けました。

被爆者の声を国際社会に届ける取り組みは、核兵器禁止条約の進展とともに重要性を増しているという認識を得ました。また、核保有国の態度の硬直性が課題であり、今後も市民社会の声を通じて変化を促す必要があります。

被爆者は今後も「命ある限り」核兵器廃絶を訴え続ける姿勢を明確にしています。ピースボートは、その声を受け継ぎ核廃絶を実行していく国際的な機運の醸成に、引き続き尽力していきます。

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