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「核兵器が子どもたちに与える影響」――ICANの報告書が出ました

「核兵器が子どもたちに与える影響」――ICANの報告書が出ました
核兵器が今日都市に対して使用された場合、子どもたちは大人に比べて死亡しまた重傷を負う可能性が高い。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、このことを詳述する新しい報告書をまとめ、このたび発表しました。ピースボートは、ICANの国際運営団体をつとめています。
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核兵器が今日都市に対して使用された場合、子どもたちは大人に比べて死亡しまた重傷を負う可能性が高い。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、このことを詳述する新しい報告書をまとめ、このたび発表しました。ピースボートは、ICANの国際運営団体をつとめています。

核兵器は、子どもたちを特に傷つける

「核兵器が子どもたちに与える影響」――ICANの報告書が出ました
広島県立広島第二中学校原爆慰霊碑
「核兵器が子どもたちに与える影響」と題するこの報告書は、核兵器が再び使われた場合、それがもたらす熱線、爆風、放射線による影響に対して、子どもたちは大人に比べて著しく脆弱であり、特段の被害を受けることを具体的に述べています。放射線を浴びた子どもたちは、同じ線量を浴びた大人に比べて、長期的には3倍から5倍もがんになりやすく、とくに女児はその影響を受けやすいといえます。

1945年8月の広島・長崎への米国による原爆投下によって、3万8000人以上の子どもたちが亡くなったと推計されています。さらに数え切れないほどの子どもたちが重傷を負い、また、その体験による心理的外傷によって苦しんできました。生き残った子どもたちは、親やきょうだいを失いました。

1945年以降、世界各地で計2,000回を超える核実験が行われてきましたが、これによっても、多くの子どもたちが特段の被害を受けてきました。子どもたちの細胞は、放射性降下物によって傷つきやすいのです。

これらの事実は、本質的に無差別的な兵器である核兵器が、その開発、実験、使用を通じて、不可避的に子どもたちを傷つけるということを物語っています。それゆえICANは、2021年に発効した核兵器禁止条約を通じて核兵器を廃絶するための緊急行動をとることを、世界に呼びかけています。

核兵器廃絶へ、緊急の行動を

「核兵器が子どもたちに与える影響」――ICANの報告書が出ました
原爆の子の像
この報告書の執筆者であるICANの条約コーディネーター、ティム・ライト(Tim Wright)は、次のように述べています。
「核保有国が関わるあらゆる紛争において、核の大惨事が起きる本質的なリスクが存在し、そのような大惨事となればもっとも苦しむのは子どもたちです。そのことは、広島・長崎の子どもたちや、核実験場周辺の子どもたちの経験から明らかです。」

ICANのメリッサ・パーク(Melissa Parke)事務局長は、この報告書について、次のように述べています。
「これは、すべての核保有国政府と世界中の市民に対して、核兵器を廃絶するためにただちに行動しなければいけないことを示す緊急の警告です。1945年の米国による広島・長崎への原爆投下によって死傷した子どもたちや、核実験によって苦しめられた子どもたちの話を伝えていくことによって、私たちは彼らを敬い、そしてもう誰も、彼らと同じような苦しみを味わうことがないことを確保なりません。」

ICANの国際運営委員であるピースボートの川崎哲は、次のように述べています。
「今日ご存命の被爆者の皆さんは、子どものときに原爆に被爆し、その壮絶な体験を語り続けてきてくださいました。いま、ウクライナでもガザでも、日々、多くの子どもたちが傷ついています。世界のどこであれ、子どもたちが核兵器の被害を受けるようなことを、私たちは絶対に防がなければなりません。」

報告書全文はこちらから(英語)

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