パンフレットをでお届け
資料請求

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核兵器禁止条約第2回締約国会議で核被害者援助について発言するピースボートの渡辺里香(2023年11月30日)
世界で核の脅威が高まる中、核兵器禁止条約の第2回締約国会議が11月27日から12月1日までニューヨーク国連本部で開催されました。条約の普遍化や核被害者援助など、第1回締約国会議で課題となった具体的テーマの進展が議論され、力強いさらなる力強い宣言が採択されました。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)によるキャンペーナー会議、世界の核被害者フォーラムや東北アジアの非核化など多くのサイドイベントが行われました。ピースボートはICANの国際運営団体として、川崎哲、メリ・ジョイス、ロバートソン石井りこ、渡辺里香が参加し、これらのプログラムを担当しました。
INFO
核兵器禁止条約第2回締約国会議で核被害者援助について発言するピースボートの渡辺里香(2023年11月30日)
世界で核の脅威が高まる中、核兵器禁止条約の第2回締約国会議が11月27日から12月1日までニューヨーク国連本部で開催されました。条約の普遍化や核被害者援助など、第1回締約国会議で課題となった具体的テーマの進展が議論され、力強いさらなる力強い宣言が採択されました。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)によるキャンペーナー会議、世界の核被害者フォーラムや東北アジアの非核化など多くのサイドイベントが行われました。ピースボートはICANの国際運営団体として、川崎哲、メリ・ジョイス、ロバートソン石井りこ、渡辺里香が参加し、これらのプログラムを担当しました。

【毎朝配信】世界中継2023冬~ニューヨーク核兵器禁止条約速報

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
ピースボートも参加する核兵器廃絶日本NGO連絡会では、11月27日から12月2日にかけて、毎朝8時30分より「世界中継2023冬~ニューヨーク核兵器禁止条約速報~」を配信しました。参加中のNGOや専門家、学生らと連携し、現地の熱く具体的な議論の様子をお伝えしました。

★11月27日(月)~12月2日(土)毎日 日本時間 8:30am~(全6回/各30分)
最終日(12月2日)配信分が以下でご覧になれます。その他のアーカイブは以下のリンク「ニューヨーク核兵器禁止条約速報」より視聴できます。

★NGO連絡会ブログ記事は、以下のリンク先よりご覧ください。

日本と世界からの多くのNGOと連携して

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核兵器禁止条約第2回締約国会議に先立ってニューヨーク市内の教会で開かれたキャンペーナー会議(2023年11月26日)
第2回締約国会議に参加するにあたり、ピースボートは、日本と世界からの多くのNGOと連携し、協力しました。
会議前には、日本の記者向けの事前ブリーフィングを行い、外務省への要請と、日本のNGOとしての共同記者会見を実施しました。

会議前日の11月26日にニューヨーク市内の教会で開催されたICANキャンペーナー会議には、全世界から400人以上が参加しました。

国会議員会議の開催をサポート

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核兵器禁止条約第2回締約国会議に合わせて開催された国会議員会議(2023年11月27日)
締約国会議の初日(11月27日)、14カ国から23人の国会議員らが集まって「国会議員会議」を開きました。これは、核保有国やその「核の傘」の下にある国々など、核兵器禁止条約に未署名の国の国会議員が集まって、それぞれの国で署名・批准を進めるための方策を話し合おうというもので、ICANが主催しました。日本からは、谷合正明参議院議員(公明)、塩村文夏参議院議員(立憲)、笠井亮衆議院議員(共産)、櫛渕万里衆議院議員(れいわ)の4名が、与野党各党を代表して参加しました。会議では声明文が採択され(以下よりダウンロードできます)、代表してベルギーの国会議員がその声明を本会議で読み上げました。ピースボートは、これら日本の国会議員の参加を促し同時通訳を提供するなど、この会議の開催を支援しました。

サイドイベント「東北アジアにおける軍縮と平和構築」

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
韓国の被爆者と市民団体によって開催されたサイドイベント(国連本部内)
11月29日には、ピースボートが長年取り組んできたGPPAC(武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ)東北アジア地域のパートナーである参与連帯(韓国)およびブルーバナー(モンゴル)と共同で、国連本部内でサイドイベントを共催しました。朝鮮半島の非核化と平和についてモンゴルの単一国家非核地帯地位の経験をもとに議論し、日本と韓国の被爆者からのメッセージと訴えを聞きました。そして、東北アジアにおいて軍拡競争を回避し、軍縮と平和構築をすすめるための各国政府と市民社会の役割について議論しました。核兵器禁止条約を東北アジアの非核化のために生かしていくことの重要性が確認されました。

世界の核被害者をつなぐ

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核被害者フォーラムでは、太平洋、米国、カザフスタンの核被害者や日本、韓国の被爆者らが交流し意見交換した
今回の会議で、ニューヨークには世界中から核被害者が集まりました。日本と韓国の原爆被爆者、マーシャル諸島、キリバス、フィジー、マオヒヌイ(仏領ポリネシア)など太平洋やカザフスタンからの核実験被害者、そして、オーストラリアや米国内からは核実験やウラン採掘の被害者らです。直接の被害当事者に加えて、その地域を代表する2世、3世らの若い世代の参加もありました。ピースボートは、この機会に、そうした核被害者どうしの横のつながりを強めるための取り組みを行いました。事前には数々の準備会合を開き、会議期間中には、核被害者どうしの朝食会や、討論・交流会(「核被害者フォーラム」、11月30日)を開催しました。

核被害者援助に関する文書を提出、声明を発表

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核兵器禁止条約第2回締約国会議の最終日には、サーロー節子さんや世界の核被害者らが共同で記者会見した(2023年12月1日)
ピースボートとしては、核兵器禁止条約の下で行われようとしている核被害者援助や環境修復の取り組みが「被害者中心のアプローチ」で進められるべきだとの観点から、作業文書を提出し、声明を発表しました。核被害者自身が意思決定に参加すべきであることや、それらのプロセスが、自らを核被害者とみなす全ての人たちに開かれたものでなければならないということを強調しています。これは、日本における原爆被爆者の援護施策が、政府によってきわめて狭い範囲に限定されてきたところを、被爆者自身の運動によって援護の幅を広げさせてきた歴史を踏まえた提言です。また、核被害者援助のための国際信託基金は、条約未締約国や民間にも開かれたものにすべきだと提案しています。
核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核兵器禁止条約第2回締約国会議はメキシコのデラフエンテ前国連大使の議長の下、宣言文を採択して閉幕
ピースボートの文書は、NGOによる同会議への公式の作業文書の一つ(TPNW/MSP/2023/NGO/24)として、国連のホームページに掲載されています。11月30日には、渡辺里香が本会議場で声明を発表しました。

日本の署名・批准を実現するために

核兵器禁止条約 第2回締約国会議に参加しました
核兵器禁止条約第2回締約国会議に参加したピースボートのメンバーら
被爆地の首長や幅広い市民の声、さらには、与野党国会議員からの呼びかけにもかかわらず、日本政府は今回も締約国会議に参加しませんでした。これはきわめて残念な状況であり、ピースボートは、日本がこの条約に加わることを実現するために運動をさらに進めていきます。国際的にはICANの国際運営団体として、世界的なNGOの連携を進めます。2024年4月に出航するVoyage 117では「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」を実施し、世界各国のICAN参加団体と連携して、核軍縮への機運を高めていきます。日本国内では、核兵器廃絶日本NGO連絡会の活動をさらに盛り上げ「核兵器をなくす日本キャンペーン」の発足に向けて中心的な役割を担っていきます。2024年1月には、ICANのメリッサ・パーク事務局長が来日し、ピースボートはそのコーディネートをします。広島・長崎ではパーク事務局長の市民向け講演会が開催されるほか、東京では国会議員討論会が開かれその様子はネットで配信されますので、どうぞご注目ください。

このレポートを読んだ方におすすめ