Voyage114:ドキュメンタリー映画で気候変動を探る
ピースボート地球一周の船旅 Voyage114は、2023年4月8日に神戸を出航し、地球一周をして、7月24日に神戸に帰港しました。
ここでは、イタリア人のドキュメンタリー映画監督である水先案内人エレナ・ブルネッロさんについてお伝えします。
ここでは、イタリア人のドキュメンタリー映画監督である水先案内人エレナ・ブルネッロさんについてお伝えします。
- 寄港地エリア: ヨーロッパ
- クルーズ: 地球一周の船旅 Voyage114
船
2023.10.15
2023.10.15
ピースボート地球一周の船旅 Voyage114は、2023年4月8日に神戸を出航し、地球一周をして、7月24日に神戸に帰港しました。
ここでは、イタリア人のドキュメンタリー映画監督である水先案内人エレナ・ブルネッロさんについてお伝えします。
ここでは、イタリア人のドキュメンタリー映画監督である水先案内人エレナ・ブルネッロさんについてお伝えします。
【水先案内人】エレナ・ブルネッロさん
Voyage 114では、スリランカのコロンボからギリシャのピレウスまで、水先案内人として、ドキュメンタリー映画製作を行なっているエレナ・ブルネッロ(Elena Brunello)さんが乗船しました。
イタリア出身のブルネッロさんは、ギリシャのレロス島でボランティアを経験をしたことが、移民というテーマを、自身の芸術的かつ報道的観点から見つめるきっかけになったと言います。
そして、映画の製作を通して、気候変動と難民との結びつきが浮き彫りになりました。
最初のドキュメンタリー映画として、イタリアで養蜂を営むセネガル人政治難民のストーリー、「Bee My Job」の制作に発展。一年後には、気候変動と人間の移住の関係を探るドキュメンタリー「The Climate Limbo」も完成しました。
イタリア出身のブルネッロさんは、ギリシャのレロス島でボランティアを経験をしたことが、移民というテーマを、自身の芸術的かつ報道的観点から見つめるきっかけになったと言います。
そして、映画の製作を通して、気候変動と難民との結びつきが浮き彫りになりました。
最初のドキュメンタリー映画として、イタリアで養蜂を営むセネガル人政治難民のストーリー、「Bee My Job」の制作に発展。一年後には、気候変動と人間の移住の関係を探るドキュメンタリー「The Climate Limbo」も完成しました。
地球規模の課題に、ドキュメンタリー映画を通して取り組む
ブルネッロさんは、世界最大のノンフィクション映画製作者コミュニティである「ビデオ・コンソーシアム」でも活躍しています。
今回の乗船では、自身の映画の上映だけでなく、鑑賞後のディスカッションや、ドキュメンタリー映画というものの利点と欠点を解説したり、動画制作ワークショップを行なったりできることを、とても喜んでいました。
ブルネッロさんは、「同じストーリーでも異なる角度から語ることができる」と伝え、語りたいストーリーを見つけたら自分の視点を探すこと、主体となる人・物と自身の関係性を考えることなどを、ワークショップの参加者に提案しました。
今回の乗船では、自身の映画の上映だけでなく、鑑賞後のディスカッションや、ドキュメンタリー映画というものの利点と欠点を解説したり、動画制作ワークショップを行なったりできることを、とても喜んでいました。
ブルネッロさんは、「同じストーリーでも異なる角度から語ることができる」と伝え、語りたいストーリーを見つけたら自分の視点を探すこと、主体となる人・物と自身の関係性を考えることなどを、ワークショップの参加者に提案しました。
「Bee My Job」
一作目「Bee My Job」は、ミツバチがいかにヒトの生活に大きな役割を果たしているか。同時に、養蜂によってイタリア文化と他の文化がどのように融和したか、を映し出します。
ブルネッロさんは、「ミツバチは自然環境の多様性を守り、同様に、移民は文化的な多様性に貢献する」というミツバチと移民の類似性を説明しました。
この映画の制作にあたり、老若男女、10カ国からの難民75人が参加しましたが、中でも、セネガルのカサマンス地方から逃れてイタリアにたどり着いた主人公アブドゥルの話を紹介しました。
一方で、ヨーロッパの野生のミツバチの1割の種が、大規模農業や殺虫剤の多用が原因で、絶滅の危機にあるという調査結果にも注目。この傾向は、気候変動によって加速しているといいます。
ミツバチが、世界の生態系において8割の受粉を担っていること、そしてヒトの食糧となる植物の3分の1の受粉を担っていることを考えると、深刻な状況です。
ブルネッロさんは、「ミツバチは自然環境の多様性を守り、同様に、移民は文化的な多様性に貢献する」というミツバチと移民の類似性を説明しました。
この映画の制作にあたり、老若男女、10カ国からの難民75人が参加しましたが、中でも、セネガルのカサマンス地方から逃れてイタリアにたどり着いた主人公アブドゥルの話を紹介しました。
一方で、ヨーロッパの野生のミツバチの1割の種が、大規模農業や殺虫剤の多用が原因で、絶滅の危機にあるという調査結果にも注目。この傾向は、気候変動によって加速しているといいます。
ミツバチが、世界の生態系において8割の受粉を担っていること、そしてヒトの食糧となる植物の3分の1の受粉を担っていることを考えると、深刻な状況です。
「The Climate Limbo」
2019年に発表した二作目「The Climate Limbo」は、気候変動がもたらす未来を描いています。
移民の動きが変わり、貧困や紛争は悪化、さらには2050年までに2.5億人から3億人が避難民となるとさえ予想されています。
現に、2008年から2016年の間に世界では、何百万もの人が、自然災害が原因で住む場所を追われたことをとらえ、「気候難民」いう言葉が生まれた状況を説明しました。
ドキュメンタリーでは、石油が原因で地域環境が破壊され国を逃れたナイジェリアの女性、致命的な洪水から逃れたバングラデシュの男性、そして砂漠化と不作に直面したイタリアの農民一家が映し出されます。
地球上の異なる地域の異なる立場の人々の視点を持って気候変動の影響を捉えたこの作品で、ブルネッロさんは、世界の誰もが気候難民になり得る危機的な状況に警鐘を鳴らします。
移民の動きが変わり、貧困や紛争は悪化、さらには2050年までに2.5億人から3億人が避難民となるとさえ予想されています。
現に、2008年から2016年の間に世界では、何百万もの人が、自然災害が原因で住む場所を追われたことをとらえ、「気候難民」いう言葉が生まれた状況を説明しました。
ドキュメンタリーでは、石油が原因で地域環境が破壊され国を逃れたナイジェリアの女性、致命的な洪水から逃れたバングラデシュの男性、そして砂漠化と不作に直面したイタリアの農民一家が映し出されます。
地球上の異なる地域の異なる立場の人々の視点を持って気候変動の影響を捉えたこの作品で、ブルネッロさんは、世界の誰もが気候難民になり得る危機的な状況に警鐘を鳴らします。
ミツバチと生態系のバランス、そして移民や難民の受け入れを通じた異文化の融合や適応といったことが、気候変動に立ち向かい、世界の多様性を育むことを、ブルネッロさんの映画は伝え続けています。
▼このレポートは、英語の記事を翻訳・編集して作成したものです。