Voyage114：地中海ギリシャからフランス

ギリシャのピレウスから乗船したのは、水先案内人のカーレッド・カイヤリさん。フランスのル・アーブルまで船旅を共にしました。

カイヤリさんはシリア生まれの人権擁護・人道支援活動家で、ドイツ赤十字社のコミュニティ・マネージャーでもあります。

講演のテーマは、シリア危機や人権問題そして難民が直面する課題など、まさに航行中の地域では欠かせない問題です。

自身の経歴や学術的知識、人道擁護への情熱といった内容をもとにしたカイヤリさんの講演は、ピースボート参加者の意識を高め、理解を深めるものとなりました。

イタリア、ミラノ生まれのエレナ・ブルネッロさんは、ドキュメンタリープロデューサーでコンテンツ・クリエイターです。

現在は気候変動と移民の関係性に焦点をあてた活動をしています。

ギリシャのレロス島でのボランティア活動をきっかけに、芸術的および報道的な観点から、移住というテーマを研究し始めました。

2018年の初制作ドキュメンタリー“Bee My Job”では、イタリアで養蜂を営むセネガル人政治難民のストーリーを取り上げました。

2019年には二作目となるドキュメンタリー“The Climate Limbo”を制作し、気候変動と人間の移住の関連性を探りました。

これら二つの映画が船内で上映され、活発な議論や質疑応答に発展しました。

世界最大の映画製作コミュニティ「ビデオ・コンソーシアム」のコーディネーターでもあるブルネッロさんは、ドキュメンタリー映画の長所と短所についての講演を行い、参加者を交えた映画製作のワークショップも実施しました。

地中海の青い空の下、Voyage114の船上で夏祭りが開催されました。

参加者は輪投げやヨーヨー釣りなどの日本では定番のゲームを楽しみ、特設ステージでは歌やダンスなどのパフォーマンスが行われました。

そしてもちろん、伝統的な盆踊りなくして夏祭りは終わりません。参加者はデッキのプールを囲んで円になって踊り明かしました。

北極に向かう前に暑い夏を感じる日となりました。