Voyage114:難民としての経験
ピースボート地球一周の船旅 Voyage114は、2023年4月8日に神戸を出航し、地球一周をして、7月24日に神戸に帰港しました。
ここでは、シリア出身の水先案内人カーレッド・カイヤリさんについてお伝えします。
ここでは、シリア出身の水先案内人カーレッド・カイヤリさんについてお伝えします。
- 寄港地エリア: ヨーロッパ
- クルーズ: 地球一周の船旅 Voyage114
船
2023.10.15
2023.10.15
ピースボート地球一周の船旅 Voyage114は、2023年4月8日に神戸を出航し、地球一周をして、7月24日に神戸に帰港しました。
ここでは、シリア出身の水先案内人カーレッド・カイヤリさんについてお伝えします。
ここでは、シリア出身の水先案内人カーレッド・カイヤリさんについてお伝えします。
【水先案内人】カーレッド・カイヤリさん
ドイツ在住で、シリア出身の人権擁護・人道支援活動家であるカーレッド・カイヤリ(Khaled Kaiyali)さんが、Voyage 114に、ギリシャのピレウスからフランスのル・アーブルまで、水先案内人として乗船しました。
カイヤリさんはドイツ赤十字社のコミュニティ・マネージャーであると同時に、教育と文化に取り組むボランティア団体Zakiのプロジェクト・マネージャーです。カイヤリさんは、ドイツにやってきたアラビア語圏からの移民の支援活動に携わっています。
カイヤリさんはドイツ赤十字社のコミュニティ・マネージャーであると同時に、教育と文化に取り組むボランティア団体Zakiのプロジェクト・マネージャーです。カイヤリさんは、ドイツにやってきたアラビア語圏からの移民の支援活動に携わっています。
最前線から:シリア危機の根本的な原因を理解する
乗船して初めての講座のタイトルは「最前線から:シリア危機の根本的な原因を理解する」でした。
シリア国内の複雑な政治的状況が、どのように長期的な紛争に発展したかを解説してくれました。
カイヤリさんはシリアで生まれ育ち、2011年のシリア革命に始まるシリア危機を体験しました。
カイヤリさん自身は、ちょうど2011年から積極的に政治に興味を持ち、人道支援を行っていた時期でした。
祖国の危機の背後には、政治的な理由や経済的な理由があると言います。その根底にある力関係について説明した上で、アラブの春という大きな文脈で、シリア危機を包括的に捉える必要があると強調しました。
カイヤリさん自身が目撃したことや、実際に経験した人から学んだ事例も含まれた講演を聞き、参加者は、シリア危機の多面的な成り立ちを理解することの重要性を感じる機会となりました。
シリア国内の複雑な政治的状況が、どのように長期的な紛争に発展したかを解説してくれました。
カイヤリさんはシリアで生まれ育ち、2011年のシリア革命に始まるシリア危機を体験しました。
カイヤリさん自身は、ちょうど2011年から積極的に政治に興味を持ち、人道支援を行っていた時期でした。
祖国の危機の背後には、政治的な理由や経済的な理由があると言います。その根底にある力関係について説明した上で、アラブの春という大きな文脈で、シリア危機を包括的に捉える必要があると強調しました。
カイヤリさん自身が目撃したことや、実際に経験した人から学んだ事例も含まれた講演を聞き、参加者は、シリア危機の多面的な成り立ちを理解することの重要性を感じる機会となりました。
難民としての道のり
2回目の講座では、カイヤリさん自身が難民としてドイツに到着するまでの自身の体験を通じて、難民が直面する痛切な状況について伝えました。
2015年、カイヤリさんや難民としてまずギリシャを目指し、トルコから45人ほどの人々と共に船に乗りました。周りには、25人乗りに50人が乗り込んでいる船もあったそうです。
今回ピースボートの船室で、当時の難民船にあったものとそっくりなライフジャケットを見つけたことを参加者に伝えました。
そこには、肉体的な苦労だけでなく、難民として受け入れられるまでの様々な障壁についても語り、人間としてのあり方について参加者の心に深く響きました。
その後ドイツに到着したカイヤリさんは、人道支援や難民福祉事業に関する学位を、ルール大学(RUB University)とドイツ・ヨルダン大学(German Jordanian University)で取得します。
自身の経験だけでなく、支援やカウンセリングをする中で出会った難民の視点も交えながら、難民を地域コミュニティに巻き込み、一員とするための活動を紹介しました。
紛争や迫害から逃れる人々を支援し、受け入れることが喫緊の課題であることを、強く意識させる講演でした。
2015年、カイヤリさんや難民としてまずギリシャを目指し、トルコから45人ほどの人々と共に船に乗りました。周りには、25人乗りに50人が乗り込んでいる船もあったそうです。
今回ピースボートの船室で、当時の難民船にあったものとそっくりなライフジャケットを見つけたことを参加者に伝えました。
そこには、肉体的な苦労だけでなく、難民として受け入れられるまでの様々な障壁についても語り、人間としてのあり方について参加者の心に深く響きました。
その後ドイツに到着したカイヤリさんは、人道支援や難民福祉事業に関する学位を、ルール大学(RUB University)とドイツ・ヨルダン大学(German Jordanian University)で取得します。
自身の経験だけでなく、支援やカウンセリングをする中で出会った難民の視点も交えながら、難民を地域コミュニティに巻き込み、一員とするための活動を紹介しました。
紛争や迫害から逃れる人々を支援し、受け入れることが喫緊の課題であることを、強く意識させる講演でした。
ドキュメンタリー映画「娘は戦場で生まれた」を鑑賞して
船内では、ドキュメンタリー映画を上映し、カイヤリさんとディスカッションを行いました。
「娘は戦場で生まれた(For Sama)」は、2011年、シリアの首都アレッポが激しい内戦に巻き込まれていく様子を、幼い子をもつ女性が撮影したドキュメンタリー映画です。
映画の中で描かれる場所や出来事について地図を使って示し、カイヤリさんはシリアの危機の深刻さを、より具体的で現実的に伝えました。
革命の目撃者となったカイヤリさんが語る、アサド政権による残虐行為に関する証言に、参加者は強い緊張を感じ、シリア危機について学ぶだけでなく、共感し、行動に向かう機会にもなりました。
「娘は戦場で生まれた(For Sama)」は、2011年、シリアの首都アレッポが激しい内戦に巻き込まれていく様子を、幼い子をもつ女性が撮影したドキュメンタリー映画です。
映画の中で描かれる場所や出来事について地図を使って示し、カイヤリさんはシリアの危機の深刻さを、より具体的で現実的に伝えました。
革命の目撃者となったカイヤリさんが語る、アサド政権による残虐行為に関する証言に、参加者は強い緊張を感じ、シリア危機について学ぶだけでなく、共感し、行動に向かう機会にもなりました。
▼このレポートは、英語の記事を翻訳・編集して作成したものです。