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G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
5月19〜21日に被爆地広島で開かれるG7サミットに先立ち、G7諸国を中心とする世界からの若者50名が広島大学に集まり「広島G7ユースサミット」(2023年4月25日~27日)を行いました。そして、4月28〜30日には東京と広島にて「核兵器廃絶に向けたG7国会議員フォーラム」が行われました。カナダとイタリアの国会議員が対面で参加、フランス、イギリス、ドイツの国会議員からはビデオ発言が寄せられました。また、日本からは与野党8党から国会議員が参加しました。ピースボートは核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営団体として、これら2つのプログラムの企画・運営を担いました。
INFO
5月19〜21日に被爆地広島で開かれるG7サミットに先立ち、G7諸国を中心とする世界からの若者50名が広島大学に集まり「広島G7ユースサミット」(2023年4月25日~27日)を行いました。そして、4月28〜30日には東京と広島にて「核兵器廃絶に向けたG7国会議員フォーラム」が行われました。カナダとイタリアの国会議員が対面で参加、フランス、イギリス、ドイツの国会議員からはビデオ発言が寄せられました。また、日本からは与野党8党から国会議員が参加しました。ピースボートは核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の国際運営団体として、これら2つのプログラムの企画・運営を担いました。

核兵器とは何か、広島で考える

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
4月25日、19か国から50名(G7国籍者は37名/うち日本9名、米国9名)の若者たちが広島大学東広島キャンパスに集まり、核兵器の非人道性を学び、3日間にわたり核兵器のない世界に向けた議論を交わしました。広島大学の越智光夫学長は「平和とは一体何を意味するのか。ユースサミットを通じて丁寧に考えてほしい」と言葉を送りました。

参加者たちは広島大学の平和センター長・川野徳幸教授を始めとする講師から原爆投下による健康被害や被爆者の苦しみなどについて学んだ後、核兵器と政治をテーマに意見を交わしました。初めて会う緊張感、久しぶりの再会に喜ぶ歓声の中に、同じ課題に関心を持つ同世代の存在に励まされた様子が多く見られました。かつて核実験が繰り返されたマオヒヌイ(仏領ポリネシア)出身の参加者は、「広島の核研究が印象深かった。(故郷と広島は)同じ苦しみを共有していると気づいた」と述べました。

爆心地で被爆者に会う

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
4月26日、広島市内の平和公園・平和記念資料館に場所を移した一行は、8歳で被爆した小倉桂子さんの証言を聴きました。小倉さんは最初に英語に触れた時の楽しかった記憶、戦争中に敵国の人間は恐ろしいと思いこまされていたこと、食べるものがなくひもじかったこと、被爆してやけどを追った人にお水をあげたこと、その人が眼の前で亡くなり長い間罪悪感を抱いていたことなどを話しました。

最後に「小倉さんのような体験をした方から直接話を聴ける最後の世代として何をすべきか?」という質問に対して「まずは知り、それをみなさんのようなさまざまな国の人々の間で話し、議論してください」と答えました。

証言を聴いた後は、原爆ドームや原爆の子の像などを、HIP(平和のためのヒロシマ通訳者グループ)の案内で巡りました。フランス出身の参加者は「惨禍を繰り返してはならない。広島で学んだことを若者たち多くの人と共有したい」と話しました。

核兵器のない世界に向けた若者の役割

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
4月26日は、被爆者の講話を聞き、平和公園と資料館の見学を行いました。そして、夕方には資料館のメモリアルホールで「核兵器のない世界に向けて若い世代がどのように行動するか」について考える一般公開イベントを行いました。

松井一實・広島市長からメッセ―ジビデオを頂き、ロバート・ジェイコブズ広島市立大学教授の司会のもと、G7の出身者が登壇しました。世界からの参加者を迎える形となった広島出身の参加者は、「被爆の実相をさらに伝えていくなど、核兵器廃絶に向けた活動を続けていきたい」と思いを新たにしました。

米国出身の参加者からは「これまでは原爆でどれだけ多くの人が亡くなったのかなどの事実は学んできたが、個人的な経験に触れることはなかったので、被爆者の話を直接聞いたことは大きかった。同じような考えを持つ若い世代のつながりを深めて、核兵器の廃絶に向けて関与を強めていきたい」という意見が出ました。

ユース声明を発表

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
最終日の4月27日、G7首脳たちに核軍縮の前進を迫る「広島G7ユースサミットからのユース声明」を発表し、閉幕しました。この声明では、世界のヒバクシャの支援や原爆資料館の訪問、核兵器禁止条約を前進させるための措置、核兵器による被害を受けた地域の調査・研究など11の要請項目を列挙しました。これを7人の代表者が「しっかり受け止め、断固たる行動を取るよう強く求める」と訴えました。

閉幕後、核保有国出身者も含めて多くの参加者が「核兵器は廃絶できると、より自信を持てるようになった。実現に向け一緒に行動したい」と力を込めて語る姿がありました。

核兵器廃絶に向けたG7国会議員フォーラム:東京セッション

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
4月28日、「核兵器廃絶に向けたG7国会議員フォーラム」の東京セッションが参議院議員会館特別会議室で行われました。フロリアン・エブレンカンプ(ICANアドボカシー・オフィサー)主催者挨拶のあと、猪口邦子参議院議員(元軍縮大使、自民党)による基調報告を行われ、軍縮外交の重要性を再認識しました。

海外からの発言では、核兵器の禁止がこれまで以上に重要かつ緊急であることが強調されました。日本の国会議員からは、核兵器禁止条約の批准やオブザーバー参加を求めていく意志が表明されました。4月25〜27日に行われた広島G7ユース・サミット参加者2名も発言に加わり、被爆者の声を直接聞ける最後の世代としての強い願いを訴えました。

国会議員フォーラム:広島セッション

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4月29日、国会議員フォーラムの会場は広島に移りました。会合に先立って原爆資料館を視察し、平和公園の慰霊碑に献花しました。 広島大学未来創造センターで行われた広島セッションでは、平和センター長・川野徳幸氏による開会挨拶のあと、6歳で被爆した田中稔子さんが英語で被爆体験を証言をし、議員らは総立ちで拍手を送りました。

続いてアリシア・サンダース=ザクレ・ICAN政策調査コーディネーターが、核軍縮諸条約をめぐる動向と市民社会の取り組みについて報告し、国会議員がそれぞれの立場から発言を行いました。このフォーラムでは、「核兵器廃絶に向けたG7国家議員フォーラムの声明」が採択されました。

国会議員と広島の被爆者・市民の交流

G7広島サミット「核なき世界」実現のためにーーユースサミット、国会議員フォーラムを行いました
海外から来日した国会議員らは、4月30日、核兵器の非人道性をより深く理解するために、ANT-Hiroshimaのコーディネートで、平和記念公園周辺を見学し被爆者・田中稔子さんと交流しました。渡部朋子ANT-Hiroshima理事長による被爆樹木の紹介、平和記念公園内の碑の案内のあと、田中稔子さんの自宅ギャラリーに向かいました。田中さんの七宝作品についての質問も多く出ました。

世界平和記念聖堂では白浜満司教と面会し、最後に訪れたANT-Hiroshima事務所では千羽鶴を受け取り、広島の人々との「核なき世界」に向けた決意を共有しました。

メディア掲載

2023/04/25 共同通信(北海道新聞ほか) 核廃絶へ世界の若者集う 広島で「ユースサミット」
2023/04/26 朝日新聞(広島)「核廃絶へ行動」ユースサミットが開幕 ICAN主催
2023/04/26 中国新聞 核兵器なき世界への一歩に 安全保障や軍縮 若者議論 広島大でユースサミット開幕
2023/04/27 中国新聞 19カ国の50人 平和公園訪問 ユースサミット参加者
2023/04/27 NHK(広島) 広島G7ユースサミット 若い世代が議論
2023/04/28 中国新聞 「G7首脳 核軍縮前進を」ユースサミット 声明まとめ閉幕
2023/04/29 中国新聞 核による威嚇を非難 6カ国の国会議員フォーラム 東京でICAN主催
2023/04/30 広島ホームテレビ G7各国国会議員が広島で核兵器廃絶のフォーラム開催
2023/04/30 中国新聞 「核なき世界」へ声明文 G7国会議員 広島で会合
2023/05/04 中国新聞 核兵器禁止条約 市民レベル 広がる支持 新興・途上国 批准増の鍵
2023/05/12 NHK(広島) 広島出身の大学生 G7ユースサミットで語る思い

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