世界190カ国で被爆証言会:第52〜54回を開催しました(デンマーク、米国)
被爆者に残された時間は限られています。私たちは今、なるべく多くの被爆者の方々に世界に向けて語っていただきたいし、そのための場を1つでも多く作っていきたいと思い、「おりづるプロジェクト・オンライン」として、全世界190カ国でオンラインを中心にした被爆証言会を実施しています。
この記事は、2022年1月〜2022年4月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
この記事は、2022年1月〜2022年4月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
- プロジェクト: おりづるプロジェクト
INFO
2023.3.5
2023.3.5
被爆者に残された時間は限られています。私たちは今、なるべく多くの被爆者の方々に世界に向けて語っていただきたいし、そのための場を1つでも多く作っていきたいと思い、「おりづるプロジェクト・オンライン」として、全世界190カ国でオンラインを中心にした被爆証言会を実施しています。
この記事は、2022年1月〜2022年4月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
この記事は、2022年1月〜2022年4月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
核兵器禁止条約・発効記念日をデンマークで
核兵器禁止条約(TPNW)が発効してから一年を記念して、ICANデンマークの「オーフス戦争・テロ反対協会」(日本語仮訳)と共同で、第52回被爆者オンライン証言を開催しました。54カ国目の開催となります。
まず同協会のヘルゲ・ラッツァー(Helge Ratzer)さんが、核拡散防止条約(NPT)を含む様々な軍事・核条約の現状と制限について紹介。デンマーク国民の8割近くが核兵器の全面廃絶を支持しているにもかかわらず、議会を説得して条約を批准することが困難だった経緯も説明しました。
この日の被爆証言は、小谷孝子さんと相棒のあっちゃん(腹話術の人形)との対話の形で事前録画された映像を通して聴きました。
小谷さんは6歳の時広島で被爆。保育の仕事を志した小谷さんは、子ども向けに腹話術も練習しました。原爆で大きな怪我や病気をしていない自分には戦争体験を語る資格はないと思っていた小谷さんですが「語るべき物語と、その方法がある」と背中を押され証言を始めたと言います。
あっちゃんとの対話という形で進む証言の中で小谷さんは、戦争における日本の役割や、日本がアジアの他の地域で侵略者として、いかに苦しみと死に対して責任があったかということにも触れました。
また、原爆投下したアメリカの責任については、「人を責めても何にもならないのです。戦争がなくなり、核兵器が廃絶されない限り、真の平和は訪れないのです」と語りました。
まず同協会のヘルゲ・ラッツァー(Helge Ratzer)さんが、核拡散防止条約(NPT)を含む様々な軍事・核条約の現状と制限について紹介。デンマーク国民の8割近くが核兵器の全面廃絶を支持しているにもかかわらず、議会を説得して条約を批准することが困難だった経緯も説明しました。
この日の被爆証言は、小谷孝子さんと相棒のあっちゃん(腹話術の人形)との対話の形で事前録画された映像を通して聴きました。
小谷さんは6歳の時広島で被爆。保育の仕事を志した小谷さんは、子ども向けに腹話術も練習しました。原爆で大きな怪我や病気をしていない自分には戦争体験を語る資格はないと思っていた小谷さんですが「語るべき物語と、その方法がある」と背中を押され証言を始めたと言います。
あっちゃんとの対話という形で進む証言の中で小谷さんは、戦争における日本の役割や、日本がアジアの他の地域で侵略者として、いかに苦しみと死に対して責任があったかということにも触れました。
また、原爆投下したアメリカの責任については、「人を責めても何にもならないのです。戦争がなくなり、核兵器が廃絶されない限り、真の平和は訪れないのです」と語りました。
体験談を読むよりさらに力強く人間味を感じた
2022年1月27日、米国ペンシルベニア大学の講義の一環として、9名の学生を迎えて第53回目のオンライン証言会を開催しました。同大学博士課程に在籍(当時)していたピースボートスタッフの畠山澄子が企画したものです。
畠山は証言会に先立ち、学生たちに、科学的・政治的・軍事的な背景とは別の視点で、原爆投下が生身の人間にもたらした「影響」についてこの機会に考えてほしいと伝えました。
証言をしたのは生後8カ月のとき広島で被爆された近藤絋子さん。絋子さんはアメリカの大学を卒業されており、直接英語で証言を届けたり学生たちと意見を交わしたりしました。
幼い頃は原爆を投じたアメリカを憎んでいましたが、10歳の頃エノラ・ゲイに搭乗していた米兵の話を聞き、「憎むべきは人ではなく、戦争そのものなのだ」と悟ったと言います。
学生からは、原爆が身体的、社会的、精神的に及ぼした影響について直接当事者から聞くことは、体験談を読むより力強く人間味を感じさせるものだった、といった感想が寄せられました。
また、同じ悲劇を二度と繰り返さないために自身のお話を語り継ぐ勇気に感銘を受けた、という声もありました。
畠山は証言会に先立ち、学生たちに、科学的・政治的・軍事的な背景とは別の視点で、原爆投下が生身の人間にもたらした「影響」についてこの機会に考えてほしいと伝えました。
証言をしたのは生後8カ月のとき広島で被爆された近藤絋子さん。絋子さんはアメリカの大学を卒業されており、直接英語で証言を届けたり学生たちと意見を交わしたりしました。
幼い頃は原爆を投じたアメリカを憎んでいましたが、10歳の頃エノラ・ゲイに搭乗していた米兵の話を聞き、「憎むべきは人ではなく、戦争そのものなのだ」と悟ったと言います。
学生からは、原爆が身体的、社会的、精神的に及ぼした影響について直接当事者から聞くことは、体験談を読むより力強く人間味を感じさせるものだった、といった感想が寄せられました。
また、同じ悲劇を二度と繰り返さないために自身のお話を語り継ぐ勇気に感銘を受けた、という声もありました。
忌まわしい被害と暴力の証言を直接聞ける最後の世代
2022年4月5日、米国モンマス大学の国際理解研究所(IGU)主催で、第54回目のオンライン証言会を開催しました。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)と国連軍縮部(UNODA)軍縮ユースが共催しました。
参加したのは、モンマス大学の学生、モンマスの一般市民、ピースボートUSの若者、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)の代表など多岐にわたる市民でした。
会では、小谷孝子さんとあっちゃんとの証言ビデオを視聴した後、参加者は、被爆者の中村絋さんと小谷さんとのリアルタイムの質疑応答を行いました。
ロシアによるウクライナ戦争が勃発し、核の脅威に対する国際的な警戒が再び高まっている中での開催となり、開催者、参加者ともに、核廃絶に向けた市民社会の行動と政府の政策の必要性について理解を深める機会となりました。
参加したのは、モンマス大学の学生、モンマスの一般市民、ピースボートUSの若者、国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)の代表など多岐にわたる市民でした。
会では、小谷孝子さんとあっちゃんとの証言ビデオを視聴した後、参加者は、被爆者の中村絋さんと小谷さんとのリアルタイムの質疑応答を行いました。
ロシアによるウクライナ戦争が勃発し、核の脅威に対する国際的な警戒が再び高まっている中での開催となり、開催者、参加者ともに、核廃絶に向けた市民社会の行動と政府の政策の必要性について理解を深める機会となりました。
【ご参加とご協力を歓迎します】
各国での受け入れは、ピースボートが過去数十年にわたり各国で築いてきた幅広いパートナーや、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)その他の国際NGOネットワークを通じて行っています。
それ以外にも、(1)証言者になってくださる被爆者の方、(2)通訳や言語面でお手伝いしてくださる方、(3)諸外国で被爆証言会の受け入れ先を紹介していただける方、(4)その他の形でこのプロジェクトを支えてくださる方(財政的なご支援も歓迎です。以下の欄をご覧ください)がいらっしゃいましたら、どうぞピースボート事務局までご連絡ください。
◆ピースボート事務局(「おりづるプロジェクト担当」宛)
pbglobal◎peaceboat.gr.jp (◎を@にかえてメールしてください)
または「お問い合わせ」ボタンから
それ以外にも、(1)証言者になってくださる被爆者の方、(2)通訳や言語面でお手伝いしてくださる方、(3)諸外国で被爆証言会の受け入れ先を紹介していただける方、(4)その他の形でこのプロジェクトを支えてくださる方(財政的なご支援も歓迎です。以下の欄をご覧ください)がいらっしゃいましたら、どうぞピースボート事務局までご連絡ください。
◆ピースボート事務局(「おりづるプロジェクト担当」宛)
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【支援金をお願いしています】
このプロジェクトを成功させていくためには、企画、折衝、実施、通信などに多大な費用が必要です。皆さまからの支援金をお願いします。
◆支援金の送り先
郵便振替口座 00180-3-177458
加入者名 ピースボート
(通信欄に「ヒバクシャ」とお書きください)
ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店
当座 0177458
口座名義 ピースボート
(振込依頼人名の前に「ヒバクシャ」と入力してください)
クレジットカードでの支援金もうけたまわっています。以下のリンクをご覧ください。
◆支援金の送り先
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加入者名 ピースボート
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当座 0177458
口座名義 ピースボート
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