世界190カ国で被爆証言会:第49〜51回を開催しました(ドイツ、ノルウェー、ウズベキスタン)
被爆者に残された時間は限られています。私たちは今、なるべく多くの被爆者の方々に世界に向けて語っていただきたいし、そのための場を1つでも多く作っていきたいと思い、「おりづるプロジェクト・オンライン」として、全世界190カ国でオンラインを中心にした被爆証言会を実施しています。
この記事は、2021年11月〜2022年1月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
この記事は、2021年11月〜2022年1月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
- プロジェクト: おりづるプロジェクト
INFO
2023.2.26
2023.2.27
被爆者に残された時間は限られています。私たちは今、なるべく多くの被爆者の方々に世界に向けて語っていただきたいし、そのための場を1つでも多く作っていきたいと思い、「おりづるプロジェクト・オンライン」として、全世界190カ国でオンラインを中心にした被爆証言会を実施しています。
この記事は、2021年11月〜2022年1月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
この記事は、2021年11月〜2022年1月に実施したオンライン証言会の報告をまとめたものです。
2022年5月24日現在、55カ国で56回、累計3609人の方に証言を届けました。
ドイツの財団と考える「過去との向き合い方」
2021年11月24日、ドイツのベーグホフ財団が主催し、第49回のオンライン証言会が開催されました。15名が参加し、ドイツ語と日本語の通訳を介して証言や感想が相互に届けられました。
今回の証言者は現在92歳の服部道子さん。
当時10代だった服部さんは、軍病院で看護師として働き始めて間もない1945年8月6日の真っ青な空を覚えているそうです。しかし、閃光と大音響に襲われ意識を失い、その後、「この世のものとは思えない」景色を見た、と思い返します。
その後の体験は絶対に風化させてはならないものであり、自分の身に起こったことを語り続けることが、平和な世界を作ることにつながると信じて服部さんは伝え続けています。
「平和に暮らせる世界を一緒に作っていきましょう。具体的な出口もなく、安全な軍縮の方法もないまま、核兵器だらけの世界を後世に残すのかと思うと、怒りがこみ上げてきます。私はそれを恥ずかしく思っています」と服部さんは参加者に訴えました。
ドイツの聴衆からの質問に対し、日本も加害国であるからこそ、どうすれば戦争を防げるかを話し、考えることが大切で、その信念が力を発揮する、と服部さんは答えました。
今回の証言者は現在92歳の服部道子さん。
当時10代だった服部さんは、軍病院で看護師として働き始めて間もない1945年8月6日の真っ青な空を覚えているそうです。しかし、閃光と大音響に襲われ意識を失い、その後、「この世のものとは思えない」景色を見た、と思い返します。
その後の体験は絶対に風化させてはならないものであり、自分の身に起こったことを語り続けることが、平和な世界を作ることにつながると信じて服部さんは伝え続けています。
「平和に暮らせる世界を一緒に作っていきましょう。具体的な出口もなく、安全な軍縮の方法もないまま、核兵器だらけの世界を後世に残すのかと思うと、怒りがこみ上げてきます。私はそれを恥ずかしく思っています」と服部さんは参加者に訴えました。
ドイツの聴衆からの質問に対し、日本も加害国であるからこそ、どうすれば戦争を防げるかを話し、考えることが大切で、その信念が力を発揮する、と服部さんは答えました。
ノルウェーが核兵器禁止条約にオブザーバー参加することが嬉しい
2021年11月30日、第50 回目のオンライン証言会は、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ノルウェーのアンヤ・リレグラッベンさんとICANノルウェーのトゥバ・ウィルショルドさんの主催により開催しました。人類学者や作家、オーストラリアや米国在住の友人などあわせて15名ほどが参加しました。
証言をしたのは田中稔子(としこ)さん。6歳の時に広島で被爆し、ひどい火傷を負いました。時間が経つにつれ、皮膚のやけどは目立たなくなりましたが、精神的な傷と放射線による後遺症は残りました。
12歳の頃から、時には気を失うほどの絶え間ない熱と倦怠感に苦しみ、口の周りに潰瘍やしみで食事を取ることさえも苦しかったと言います。年頃になると、出産について心配しました。当時、被爆者には奇形児が生まれると言われていたからです。被爆者と被爆二世に対する強い偏見もあったことを稔子さんは伝えてくださいました。
参加者からの質問に対し丁寧に答える中で、稔子さんはずっと口を閉ざしてきたけれど、『あなたが話さないと、誰が話すの?』と問われたことが証言を始めるきっかけになったと語りました。
また、当初2022年3月に予定されていたの核兵器禁止条約の第一回締約国会議に、NATO加盟国として初めて、ノルウェーがオブザーバー参加することを大変喜んでいることも話しました。
証言をしたのは田中稔子(としこ)さん。6歳の時に広島で被爆し、ひどい火傷を負いました。時間が経つにつれ、皮膚のやけどは目立たなくなりましたが、精神的な傷と放射線による後遺症は残りました。
12歳の頃から、時には気を失うほどの絶え間ない熱と倦怠感に苦しみ、口の周りに潰瘍やしみで食事を取ることさえも苦しかったと言います。年頃になると、出産について心配しました。当時、被爆者には奇形児が生まれると言われていたからです。被爆者と被爆二世に対する強い偏見もあったことを稔子さんは伝えてくださいました。
参加者からの質問に対し丁寧に答える中で、稔子さんはずっと口を閉ざしてきたけれど、『あなたが話さないと、誰が話すの?』と問われたことが証言を始めるきっかけになったと語りました。
また、当初2022年3月に予定されていたの核兵器禁止条約の第一回締約国会議に、NATO加盟国として初めて、ノルウェーがオブザーバー参加することを大変喜んでいることも話しました。
「地球上に核がある限りは核戦争が起こる可能性はなくならない」
2022年1月21日、第51回目のオンライン証言会は、ウズベキスタンのタシケント国立東洋学大学で日本語を学ぶ学生54名に向けてにて開催しました。
受け入れてくださったのは、日本語学部で日本語を教えているジャスル・ヒクマトラエフさんです。
証言をしたのは岡本忠さん。1歳5カ月で被爆したため自身の記憶はないものの、お母様と当時一緒に住んでいたおじさんの被爆体験記を元に伝承講和を続けていらっしゃいます。
今回は、被害の実態や核兵器の現状について、数値等も提示しながら詳細に説明してくださいました。
そして、「忘れられた歴史は必ず繰り返されます。日本に原爆が投下されたことを決して忘れてはいけない。地球上に核がある限りは核戦争が起こる可能性はなくならない。核兵器のない世界平和に向け、身近からできることをしていきましょう。」と締めくくりました。
エルヨル・マッチャノフ日本語学部長は、日本に留学に行く学生に対し「日本の心まで学びたいのであれば長崎や広島に必ず行ってほしい」と伝えており、今回の証言会が教員にとってもいい機会になると語りました。
受け入れてくださったのは、日本語学部で日本語を教えているジャスル・ヒクマトラエフさんです。
証言をしたのは岡本忠さん。1歳5カ月で被爆したため自身の記憶はないものの、お母様と当時一緒に住んでいたおじさんの被爆体験記を元に伝承講和を続けていらっしゃいます。
今回は、被害の実態や核兵器の現状について、数値等も提示しながら詳細に説明してくださいました。
そして、「忘れられた歴史は必ず繰り返されます。日本に原爆が投下されたことを決して忘れてはいけない。地球上に核がある限りは核戦争が起こる可能性はなくならない。核兵器のない世界平和に向け、身近からできることをしていきましょう。」と締めくくりました。
エルヨル・マッチャノフ日本語学部長は、日本に留学に行く学生に対し「日本の心まで学びたいのであれば長崎や広島に必ず行ってほしい」と伝えており、今回の証言会が教員にとってもいい機会になると語りました。
【ご参加とご協力を歓迎します】
このプロジェクトを実施し目標を達成するためには、多くの皆さんの力を合わせる必要があります。
各国での受け入れは、ピースボートが過去数十年にわたり各国で築いてきた幅広いパートナーや、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)その他の国際NGOネットワークを通じて行っています。
それ以外にも、(1)証言者になってくださる被爆者の方、(2)通訳や言語面でお手伝いしてくださる方、(3)諸外国で被爆証言会の受け入れ先を紹介していただける方、(4)その他の形でこのプロジェクトを支えてくださる方(財政的なご支援も歓迎です。以下の欄をご覧ください)がいらっしゃいましたら、どうぞピースボート事務局までご連絡ください。
◆ピースボート事務局(「おりづるプロジェクト担当」宛)
pbglobal◎peaceboat.gr.jp (◎を@にかえてメールしてください)
または「お問い合わせ」ボタンから
各国での受け入れは、ピースボートが過去数十年にわたり各国で築いてきた幅広いパートナーや、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)その他の国際NGOネットワークを通じて行っています。
それ以外にも、(1)証言者になってくださる被爆者の方、(2)通訳や言語面でお手伝いしてくださる方、(3)諸外国で被爆証言会の受け入れ先を紹介していただける方、(4)その他の形でこのプロジェクトを支えてくださる方(財政的なご支援も歓迎です。以下の欄をご覧ください)がいらっしゃいましたら、どうぞピースボート事務局までご連絡ください。
◆ピースボート事務局(「おりづるプロジェクト担当」宛)
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【支援金をお願いしています】
このプロジェクトを成功させていくためには、企画、折衝、実施、通信などに多大な費用が必要です。皆さまからの支援金をお願いします。
◆支援金の送り先
郵便振替口座 00180-3-177458
加入者名 ピースボート
(通信欄に「ヒバクシャ」とお書きください)
ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店
当座 0177458
口座名義 ピースボート
(振込依頼人名の前に「ヒバクシャ」と入力してください)
クレジットカードでの支援金もうけたまわっています。以下のリンクをご覧ください。
◆支援金の送り先
郵便振替口座 00180-3-177458
加入者名 ピースボート
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当座 0177458
口座名義 ピースボート
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