学生による核兵器禁止条約”模擬”締約国会議が開かれました
核兵器禁止条約の第一回締約国会議は、6月21〜23日に開催されることになりました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くいま、世界における核戦争の脅威は現実のものとなっています。核兵器を禁止し廃絶するための議論が今こそ重要になっており、私たちは歴史的な岐路に立っています。
こうしたなかピースボートは、3月20日、学生団体であるKNOW NUKES TOKYOと協力して、「核兵器禁止条約“模擬” 締約国会議」をオンライン開催いたしました。一般公募で集まった高校生から大学院生32名が、オブザーバー含む10カ国と、核兵器保有国、NGOの代表となり、最終文書採択に向けて活発な議論を交わしました。
こうしたなかピースボートは、3月20日、学生団体であるKNOW NUKES TOKYOと協力して、「核兵器禁止条約“模擬” 締約国会議」をオンライン開催いたしました。一般公募で集まった高校生から大学院生32名が、オブザーバー含む10カ国と、核兵器保有国、NGOの代表となり、最終文書採択に向けて活発な議論を交わしました。
- プロジェクト: 核廃絶
INFO
2022.4.8
2022.4.10
核兵器禁止条約の第一回締約国会議は、6月21〜23日に開催されることになりました。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くいま、世界における核戦争の脅威は現実のものとなっています。核兵器を禁止し廃絶するための議論が今こそ重要になっており、私たちは歴史的な岐路に立っています。
こうしたなかピースボートは、3月20日、学生団体であるKNOW NUKES TOKYOと協力して、「核兵器禁止条約“模擬” 締約国会議」をオンライン開催いたしました。一般公募で集まった高校生から大学院生32名が、オブザーバー含む10カ国と、核兵器保有国、NGOの代表となり、最終文書採択に向けて活発な議論を交わしました。
こうしたなかピースボートは、3月20日、学生団体であるKNOW NUKES TOKYOと協力して、「核兵器禁止条約“模擬” 締約国会議」をオンライン開催いたしました。一般公募で集まった高校生から大学院生32名が、オブザーバー含む10カ国と、核兵器保有国、NGOの代表となり、最終文書採択に向けて活発な議論を交わしました。
オープニング
本会議開催にあたり、まずピースボートの川崎哲が挨拶しました。ウクライナ情勢の中で核兵器の使用が現実的なものになったことについて触れ、核兵器の禁止と廃絶の重要性を呼びかけました。メッセージを寄せた根本かおる国連広報センター所長は、アントニオ・グテレス国連事務総長の提言文を引用し、「国連がより多くのことを若者のために果たすと同時に、若者が交渉のテーブルにつくことを担保するなど、若者の包摂と参加と将来のための提言が重要な軸になっている」ことを強調しました。赤十字国際委員会(ICRC)駐日代表のレジス・サビオさんのビデオメッセージ、長崎から被爆者で核兵器廃絶地球市民集会の実行委員長である朝長万左男さんの発言もいただきました。
各国の主張と共同声明
本会議は、オーストリア議長団による開会宣言によって始まりました。まず各国の出欠を行い、オブザーバー国は参加の理由を述べました。今回の参加国は、条約締約国であるメキシコ、南アフリカ、カンボジア、カザフスタン、ニュージーランド、アイルランド、マレーシア。オブザーバー参加国は、ドイツ、韓国、オーストラリア。核保有国であるイギリスや中国は、不参加の理由を述べました。そのほか、市民社会からの参加として、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)とICRC(赤十字国際員会)が名を連ねました。
各国2分間のスピーチでは、自国の歴史的背景、地理的・政治的状況、核廃絶に向けた取り組みを踏まえ、核兵器禁止条約への署名・批准をどのように増やし、現実的にしていくべきかについて提示されました。非核兵器地帯の確立、核兵器の廃棄、核被害者を抱える状況、ジェンダー(女性への影響)に焦点をおく政策など、具体的な状況説明も加えられました。また、オブザーバー国からは、NATO(北大西洋条約機構)加盟国であること、隣国に核脅威があること、米国との安全保障条約などの懸念が共有されました。NGOは、広島と長崎、核被害者の視点に立ちかえり、つねに人道性を忘れてはならないことを訴えました。
スピーチのあと、立場を共にする国/団体から、15の共同声明が発表されました。核被害者援助、核軍縮への行動、NATO諸国とロシアの融和の醸成、中東非核兵器地帯の提案など、内容はさまざまで、現実を踏まえた具体的な声明となっています。
各国2分間のスピーチでは、自国の歴史的背景、地理的・政治的状況、核廃絶に向けた取り組みを踏まえ、核兵器禁止条約への署名・批准をどのように増やし、現実的にしていくべきかについて提示されました。非核兵器地帯の確立、核兵器の廃棄、核被害者を抱える状況、ジェンダー(女性への影響)に焦点をおく政策など、具体的な状況説明も加えられました。また、オブザーバー国からは、NATO(北大西洋条約機構)加盟国であること、隣国に核脅威があること、米国との安全保障条約などの懸念が共有されました。NGOは、広島と長崎、核被害者の視点に立ちかえり、つねに人道性を忘れてはならないことを訴えました。
スピーチのあと、立場を共にする国/団体から、15の共同声明が発表されました。核被害者援助、核軍縮への行動、NATO諸国とロシアの融和の醸成、中東非核兵器地帯の提案など、内容はさまざまで、現実を踏まえた具体的な声明となっています。
非公開セッション 最終文書をめざす自由交渉
オープニング終了後、非公開での自由交渉が行われました。あらかじめ草案されていた最終文書への合意、新たな共同声明作成をめざす時間となりました。【セッション1】では、核被害者援助と環境回復が論点となりました。ジェンダー格差の観点を踏まえた被害者援助や具体的援助に向けた国際機関の設立などの提案がなされました。【セッション2】では、核保有国を含む全ての国における条約の普遍化に向けて、多国間の活発な交渉が必要であり、各国が核保有国と関係を深め、廃絶に向けた具体的な道筋を立てる、ということで合意されました。
解説!”模擬”締約国会議
非公開セッションの裏側では、その自由交渉の様子をダイジェストで紹介する「解説!”模擬”締約国会議」を配信しました。ここでは、川崎哲(ピースボート)、中村涼香さん(KNOW NUKES TOKYO)、高橋悠太さん(KNOW NUKES TOKYO)が登壇しました。学生たちの議論がリアルかつ具体的で、白熱したものであるという感想が述べられたあと、核被害者の範囲や援助する主体など、一歩踏み込んだ見解について解説。本会議には不参加のイギリス、中国を迎え、それぞれの主張も紹介しました。イギリスからは、核保有国からの共通見解説明が行われました。中国は、核保有は自衛のためであり、管理もきわめて責任をもって行っており、先制不使用も約束していることを改めて訴えました。そんな中国に対し、ロシアによる侵攻に対する問いかけをするなど、このセッションでも活発なやりとりが行われました。
最終文書採択 粘り強い交渉の末に
最終文書採択のセッションでは、文言の言い回しや内容の過不足についての最終調整が行われました。文書は、「前文」「核被害者援助・環境回復(核被害者の再定義/認識の共有/行動計画)」「核保有国を含むすべての国の関与(認識の共有/行動計画)」という3つの構成になっており、それぞれに各国による細かなコメントも多く寄せられました。行動計画に関しては、グローバル・ヒバクシャ救済協会の設立や「女性の被害」に特化した医療支援、核兵器廃棄の国際的な検証期間の早期創設など、具体的な事項が盛り込まれました。
さいごに
2月20日に発足し、担当国チームを結成し、その国を調べ学んだ1か月の集大成として、一日がかりの長い議論の末、最終文書が完成しました。実際に各国の役割を得たことで、自分のことととらえ、深く核兵器禁止条約について考えることができたのではないでしょうか。実際の締約国会議に向けても、各国代表が幅広い準備と信念をもって参加していることを実感されたのではないかと思います。一方で、条約に背を向ける核保有国との橋渡しを担うには、それ以上の労力と粘り強さが必要でしょう。そういった状況下においても、核で苦しむ人々がいるかぎり、「核なき世界」に向けての活動を止めてはなりません。ピースボートも、6月ウィーンにて行われる締約国会議に向けて、一層の準備を重ねていきたいと思います。
メディア情報
このイベントは、下記メディアで報道されました:
3月20日 NHKニュース845「核廃絶に向け若者たちが核兵器禁止条約の”模擬締約国会議”」
3月20日 NHK world 「Japanese students hold mock conference on nuclear abolition」
3月21日 西日本新聞「核廃絶願う学生、模擬締約国会議 国内外の30人参加」
4月4日 NHK広島 「核兵器禁止条約 若者が〝模擬〟締約国会議」
3月20日 NHKニュース845「核廃絶に向け若者たちが核兵器禁止条約の”模擬締約国会議”」
3月20日 NHK world 「Japanese students hold mock conference on nuclear abolition」
3月21日 西日本新聞「核廃絶願う学生、模擬締約国会議 国内外の30人参加」
4月4日 NHK広島 「核兵器禁止条約 若者が〝模擬〟締約国会議」