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WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました

WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました
世界的に非暴力運動を行うNGOワールド・ビヨンド・ウォー(WBW)による初代「戦争廃絶への功労賞」の授賞式が、10月6日に行われました。

受賞者は以下の3団体・個人です。
・NGOピースボート/戦争廃絶への団体特別功労賞2021
・国際NGO非暴力平和隊のメル・ダンカン氏/デビッド・ハートソー戦争廃絶への個人特別功労賞2021
・モンテネグロの市民運動セーブ・シニャイェヴィナ/2021年戦争廃絶への功労賞
INFO
世界的に非暴力運動を行うNGOワールド・ビヨンド・ウォー(WBW)による初代「戦争廃絶への功労賞」の授賞式が、10月6日に行われました。

受賞者は以下の3団体・個人です。
・NGOピースボート/戦争廃絶への団体特別功労賞2021
・国際NGO非暴力平和隊のメル・ダンカン氏/デビッド・ハートソー戦争廃絶への個人特別功労賞2021
・モンテネグロの市民運動セーブ・シニャイェヴィナ/2021年戦争廃絶への功労賞
WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました
スピーチの中で受賞者はそれぞれ、戦争廃絶という難題について語りながらも、これからの平和構築についての希望とインスピレーションを与えてくれました。また、フルート奏者ロン・コーブ氏が奏でる多様な横笛が、その情緒に相応しい音色で会場を包みました。

NGOピースボート

WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました
「戦争廃絶への団体特別功労賞2021」は、退役軍人であり平和活動家、そしてピースボートの長年の仲間でもあるアン・ライト氏から授与されました。ピースボートのスタッフやボランティアも多く参加する中、団体創始者である吉岡達也が代表して賞を受けました。


受賞スピーチの中で吉岡は、これまで38年間も続いてきたピースボートの活動について、協力や応援をしてくださった方々への感謝を述べました。

そして、「ピースボートの活動によって一般の人が紛争地帯を直接訪れて戦争の現実を知ることができ、戦争という概念の不明瞭さを取り払うことができる。戦争では人々が殺し殺されていて、そこに正義はない」と強調し、アフガニスタンの「終戦」が「武力で平和はつくれない」ことの証明であると訴えました。

また、新型コロナウィルスや気候危機によって世界中で人々が苦しみ亡くなっている中で、各国政府が軍備投資を優先している事実についても疑問を投げかけました。今こそ、気候、貧困、平和などの分野で活動するすべての運動が集結し、それぞれの強みを活かして協力する時だと語り、パンデミックから人類が学んだことは、人々が繋がり理解し合う必要があることだと示しました。

最後に、気候変動対策についてパリ協定の立役者となった、国連気候変動枠組み議長を務めたクリスティアナ・フィゲレス氏の言葉を引用し、「頑固な楽観主義者であれ」という言葉で、平和と持続可能性を追求する人々へのエールを贈りました。

メル・ダンカン氏

WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました
非暴力平和隊のローズマリー・カバキ氏
「デビッド・ハートソー戦争廃絶への個人特別功労賞2021」は、医師で平和教育家のジョン・ルーワー氏から授与されました。ルーワー氏は「人が戦争を擁護するのは、殺し合いや破壊を好んでいるからではなく、代わりとなる手段を持ち合わせていないからだ」と論じ、受賞者である非暴力平和隊のメル・ダンカン氏はその「代わりとなる手段」を実践していると称えました。

非暴力平和隊は2002年に発足し、軍事主義に代わる方法、つまり武力に対抗できる武力以外の方法を実践してきました。平和維持のプロによる非武装の組織で、今では非武装市民保護(Unarmed Civilian Protection, UCP)の成功事例を重ねるスペシャリストです。

受賞したメル・ダンカン氏は「創造的で勇敢なコミュニティが広がり続けるからこそ私の活動に意味があると痛感しています」と語り、非暴力平和隊で平和構築と暴力の予防に携わるすべての同僚の活動を称えました。

非暴力平和隊のミャンマーでの活動を指揮するローズマリー・カバキ氏も、タイとミャンマーの国境から授賞式に参加し、メル・ダンカン氏の献身的な姿勢と、彼と非暴力平和隊が行うすべての活動において「人」こそが本質を担っていると語りました。

そして、「空に届こうと巨人の肩にのる必要はない。私たちが成長し巨人になることができるのだから」と締めくくりました。

セーブ・シニャイェヴィナ

WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました
「2021年戦争廃絶への功労賞」は、ワールド・ビヨンド・ウォー理事長リア・ボルガー氏から市民活動セーブ・シニャイェヴィナへ贈られました。

ボルガー氏は、軍事基地は、すでに行われている戦争を支えるだけでなく、戦争を起こしやすくするものであり、軍事は古来の自然や生活様式を破壊するものである、と説明しました。

セーブ・シニャイェヴィナからは環境人類学者パブロ・ドミンゲス氏、映画監督ペタル・グロマジッツ氏、ジャーナリストで「シニャイェヴィナの息子」と呼ばれるミラン・セクロビッツ氏、そして団体代表で「シニャイェヴィナの娘」と呼ばれるペルシダ・ヨバノヴィッツ氏が参加しました。

彼らは、独特で素晴らしい自然と文化を誇るモンテネグロ・シニャイェヴィナ山の草地で進むNATOの訓練基地の建設計画をめぐる困難について説明しました。

グロマジッツ氏は、バルカン半島西部の「移行期」や「私有化」という名のものとに公共の利益が無視されていて、企業による炭鉱や水力発電などによって環境が破壊されていることを説明しました。

セクロビッツ氏とヨバノヴィッツ氏は、彼らの活動によって軍事訓練が停止されたことを勝利と位置づけながらも、国際的な理解と協力を得られなければ今後もシニャイェヴィナの地が軍事訓練基地になり得る危機感を伝えました。
WBW「戦争廃絶への功労賞」授賞式が行われました
40年近くピースボートが取り組む軍縮、連帯、平和構築を讃え、メル・ダンカン氏やセーブ・シニャイェヴィナと並んで「戦争廃絶への功労賞」を授与してくださったワールド・ビヨンド・ウォーに感謝と敬意を表します。

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