大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―

プロジェクト:地球大学 クルーズ: 第98回 地球一周の船旅
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大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―憧れのニューヨーク・タイムズスクエアにて
世界中を旅しながら人々と交流し、グローバルな視点を学ぶこともできるピースボートの船旅には、これまで多くの学生が参加しています。現在スタッフとなった村上佑理も、学生として地球一周を経験し、ピースボートセンターおおさかで地球一周をめざす学生のサポートをしています。

多くの学生の相談に乗り、地球一周に送りだしてきた彼女に、学生時代に地球一周する意義を聞きました。インタビューを2回にわけて紹介します。1回目は、出発する前に多くの学生が持つ悩みをどう解消していくかをお伝えします。

自分のことばで世界を語れる教師になりたい

大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―教育に力を入れているシンガポールで教員養成機関を訪問するツアーに参加
わたしがピースボートを知ったのは、大学で教師になることをめざして学んでいる時でした。ここでは、多くの人が4年間の学生時代を過ごした後は、そのまま教師になります。わたしはそこに疑問を感じていました。

子どもたちにグローバルな視点を持たせようという教育界の流れがあります。でも、教師自身が世界を知らなければ、子どもたちにグローバルな視点を伝えて、力を身につけさせることはできない。だから、教師がずっと日本から外に出ないことには、しっくりきません。

わたしはもっといろんな経験をして、それを自分のことばで伝えられる教師になりたいと思いました。そこで、「世界一周した先生」になろうと決めました。自分が見た世界の国々について話せる先生がいたら、子どもたちにとって楽しいだろうなと思ったのです。

大学4年生の時に1年間の休学をして、第98回ピースボート地球一周の船旅に乗船しました。船内では、「平和で持続可能な世界をつくる教育」をテーマに開催されていた地球大学プログラムに参加しました。 地球一周しながら世界中の教育について学ぶ授業があり、シンガポール、デンマーク、スウェーデン、キューバでは、それぞれの国に特化した教育現場を訪問しました。

帰国後は大学に通いながらピースボートのスタッフとして働き、今年卒業しました。今はピースボートセンターおおさかで、地球一周をめざす人の相談に乗ったり、ボランティアスタッフ説明会を担当するなど、ピースボートに来た若者が地球一周に出発するまでのサポートをしています。そして、いずれは教師になりたいと思っています。

大学生が直面する、地球一周への2つのハードル

大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―船上でおこなわれる大運動会には実行委員として参加
ピースボートの船旅には多くの学生が参加していますが、何のハードルもなく地球一周に参加できる人はほとんどいません。特に学生にとって、大きな問題となってくるものが2つあります。

1つ目は、どのタイミングで乗船するかという時期の問題です。約100日間の船旅なので、どこかで大学を休む必要が出てきます。そのため、約6割の学生は休学します。休学せずに参加する学生は、夏休み期間にかぶっているクルーズを選んだり、単位取得の計画を立ててうまく調整したり、4年生の就職活動を終わらせた後に参加したり、地球一周経験をもとにして卒業論文を書くなどして乗船している人もいます。

わたしは1年間の休学をして乗船しましたが、休学をせずに地球一周するのは難易度が高めだと思っています。でも、地球一周しながらゆっくり将来のことを考えるための休学も悪くないんじゃないでしょうか。

そして2つ目はお金の問題です。学生で地球一周する資金をポンと準備できる人はほとんどいません。ピースボートには、船賃が割引になるボランティアスタッフ制度があります。時間がある人には、ぜひ乗船前にボランティアスタッフをしてもらいたいと思っています。

ボランティアスタッフ活動は多様な人々との出会いがいっぱい

大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―出航前にピースボートセンターでおこなわれたボランティアスタッフ「行ってらっしゃいパーティー」
ピースボートのボランティアスタッフ制度は、活動に応じて船賃の割引を受けられるため、多くの方がボランティアスタッフに登録しています。実は、わたしもボランティアスタッフ活動をして船賃の全額割引を達成しました。

ボランティアスタッフは、商店などをまわってポスターを貼ったり、ピースボートセンター内でポスターの準備や事務作業などをおこないます。学校や仕事の状況に応じて、自分のペースで活動することができます。また、ボランティアスタッフを対象とした交流イベントや勉強会も定期的に開催しています。

この活動は、割引が貯まるという以上に、人との出会いに大きな価値があると実感しています。ボランティアスタッフには、さまざまな年齢、職種、国籍の人たちがいます。共通点は、ピースボートの船旅に参加したいという想いだけです。これほどバラエティー豊かな人々と出会える場は、なかなかないのではないでしょうか。

ボランティアスタッフ同士の交流も盛んで、気がつくとお互いの悩みや夢を語りあったり励ましあっている姿を目にします。わたし自身がボランティアスタッフだった時も同様の経験をしましたが、学校や職場などのように特定のつながりがない人同士だからこそ、しがらみを感じることなく自分をさらけ出せるのかなと思います。わたしは、ボランティアスタッフ活動をすることで、一生の親友になるんだろうと思える人たちに出会うことができました。

1人ひとりの悩みに向き合って一緒にハードルを越えていきたい

大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―ピースボートでスタッフをやりながら大学も卒業。卒業式の日には、ボランティアスタッフのみんなも祝福してくれました
地球一周に参加するには、家族の協力も重要です。学生として地球一周することに賛成して、簡単に資金を出してくれる家族はまれだと思います。それでもボランティアスタッフ活動をして、自分がなぜ地球一周をしたいかを伝えることで家族を説得して、最終的には家族に見送られて地球一周に旅立つ学生がたくさんいます。

学生といっても、本当に一人ひとり状況が違います。わたしは、そんな学生たちの相談に乗っています。どの時期の船旅に参加するか、勉強とアルバイトとボランティアスタッフ活動をどうやって両立するか、どれくらいの割引をためるためにどれくらいの頻度でピースボートセンターに通うかなど、必要に応じて細かく話を聞いて一緒に考えたり、アドバイスをしています。なので、「私には地球一周は無理だな」とあきらめる前に一度、相談してもらいたいです。

地球一周して自分の将来をじっくり考えてほしい

大学生だからこそできる地球一周の魅力(前)―準備編―パナマで先住民族のエンベラ族と交流
わたし自身が学生の時に地球一周に参加したからということもありますが、地球一周するなら学生のうちに行くことをおすすめします。もちろん社会人を経験しているからこそ見えてくる世界もあるかと思いますが、一度社会に出ると、長期間休むことはより難しくなります。

わたしは、世界をまわっていろんなものを見て経験して、多くの人に出会うことで、自分の将来に対しての選択肢が広がりました。また自分自身についてより深く理解する機会も多くありました。

わたしは小さい頃から、自分がやりたい事よりも、世間や親からみて何が求められているのか?どう進むことが正しいか?そんなことを気にしながら、生きてきました。「いい学校」に行き、安定した「いい職業」に就くことが正しいと思い、レールに引かれた人生を歩んでいくことに必死でした。

地球一周したことで、1番大切なのは、正しい選択をするよりも「自分がした選択を正しくしていく力を身につける」ことだと感じています。

自分のやりたいことが見つからず、将来のことに不安を感じている学生の方も多いと思います。なんとなく目の前のレールに沿って歩む方が楽かもしれませんが、自分の人生をコントロールする選択肢を握っているのは自分自身です。

貴重な学生生活の中の100日間を、地球一周しながら自分の将来を考える時間にしてもらえたらと思います。


※後編は、下にある「この記事を読んだ方におすすめ」のリンクからご覧ください。

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