もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)

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もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)
およそ100日間で20以上の寄港地を訪れ、各地で交流や観光など多彩なプログラムを実施するピースボートの船旅。船内では、毎日多種多様な船内企画が行われます。中でも、船内企画や訪れる寄港地での通訳や、海外からの参加者の方々との交流サポートなど、言語力を活かして国際交流促進の役割を担うのが国際部のスタッフです。

今回話を聞いたのは、香港出身の国際部スタッフである羅詠琴(琴音)(ラ エーゴン(ことね))です。地球一周の船旅にCC(コミュニケーション・コーディネーター=通訳スタッフ)のコーディネーターとして二度乗船してきた彼女は、どのような思いでスタッフをしているのでしょうか?

人生の可能性を広げる旅

もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)第102回ピースボートの寄港地、ベネズエラにて
私は、小さい頃から日本のアニメと漫画が好きで、ずっと日本で生活してみたいと思っていました。そのため、大学では日本研究を専攻して、日本語の勉強を始めたんです。大学では、日本の社会問題や歴史についても学びました。また、大学二年の時には、東京の立教大学に一年間交換留学をしたこともあります。

大学を卒業してからは、船に乗るまで香港の商社で8年ぐらい働いていました。日々オフィスで仕事をしているうちに、ずっと同じ環境で働き続けていることに疑問を抱くようになり、「人生がこのまま終わってしまったらどうしよう」「私はもう成長することはないのかな」という漠然とした悩みは膨らむ一方でした。

ピースボートの存在を知ったのは、そんなタイミングでした。大学の後輩から教えてもらい、WEBサイトを見て、私が学んできたことを活かしながら世界一周できる!と興奮したことを覚えています。

さらに、船旅の参加者はさまざまな地域から集まっていて、多様なバックグラウンドを持った人々が乗り合わせているため、この船に乗ったら自分自身の成長にもつながるに違いないと思いました。運命を感じましたね。

それからというもの、世界を自分の目で見て感じたい、いろいろな人と出会っていろいろなことを学び、いろいろなことを話し合いたい、もっと視野を広げたい、という気持ちは大きくなるばかり。NGOで働いた経験は一度もないし右も左もよくわからない状態でしたが、思い切って応募してみました。

「世界は広い」と肌で感じる

もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)グアテマラでツアーに同行したときの一枚
面接のときに驚いたのは、思い描いていたイメージとは異なり、とても雰囲気が自然で、気軽に会話できたことでした。企業や大学の面接などでは、礼儀正しく座って一つ一つ質問に答えていく形式が一般的だと思います。でもピースボートの場合は、すごく雰囲気が温かくて、まるで友人とおしゃべりをしているみたいな感じでした。この職場は働きやすいな、一緒にこの人たちと働いたらすごく楽しいだろうなと思ったことが印象に残っています。

私が最初に乗船したのは、2018年に出航した第99回ピースボート地球一周の船旅でした。乗船してみると、洋上の空間は想像していたよりもずっと独特な環境でした。そもそも乗船前には、船内で通訳をすることやチームとして働くことについて、うまくイメージできていなかったこともあります。

船内では、スタッフ同士だけではなく、お客さんとコミュニケーションをとる場面がたくさんありました。毎日たくさんの人と接することは、業務はもちろん日常生活にもいろいろな影響を与えていて、とても豊かな体験だったと思います。

虹のようにいろいろな色が混ざり合っている感覚と言うのでしょうか。学ぶことも楽しいことも、深く考えることもあるし、人との出会いを通してさまざまな知見を得られる機会になりました。

私は、自分が今まで生きてきた世界に窮屈さを感じていたので、さまざまな地域から集まった人たちといっしょに、世界各地をめぐることは、とても刺激的な体験でした。「世界は広い」ということを肌で感じることができたと思います。

五感で触れる経験は自分だけのもの

もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)セレモニーの司会を終え、船長と笑顔で記念撮影
ピースボートの船旅に参加したこと得た大きな変化の一つは、それまでは知らなかったり、関心が薄かった世界各地のさまざまな問題について、興味を持つようになったことです。船旅でのたくさんの出会いや経験を通して、社会問題を身近に考えられるようになったのだと思います。

100日間をかけて世界をめぐりながら、多様な人々と多様な体験ができる場は、ピースボート以外に思い浮かびません。実際にその国に行って自分が体験したことは、ニュースや本から得た情報よりもずっと深く記憶に残るし、自分の糧になるはずです。

いくらメディアを介して得た情報にたくさん接していたとしても、自分で実際にその場所を訪れ、五感のすべてでその国に触れた経験は、確実にその人自身だけのもの。私は船旅に参加して、自分が世界とリンクしていることを改めて実感することができました。

苦手だった司会にも挑戦

もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)メキシコの寄港地イベントで司会通訳を務める
私は人とのコミュニケーションにずっと苦手意識があり、初対面の人と会話するのも不得意でした。人前に出ることがとにかく苦手だったので、ステージに立つことなんて有り得ないと思っていました。しかし同時に、船旅では自分が苦手意識を持っていることでもチャレンジしてみたいという気持ちも強くありました。

そんな私が最初にステージに立ったのは、シンガポールから乗船された方へ向けた、ウェルカムセレモニーでのことでした。会の司会通訳を担当したのですが、すごく緊張しそうだし、自分の言語能力にも自信がなかったので「やりたくないな…」というのが正直な気持ちでしたが、あるスタッフから「できるよ、頑張ろう!」と背中を押され、引き受けてみることにしました。

実際にセレモニーが始まってみると、自分でも驚くほど楽しみながら話すことができました。もちろん完璧にできたわけではありませんが、お客さんの楽しんでいる様子も伝わってきて、やりがいを感じることができました。

その後もメキシコの寄港地イベントで司会を務めたり、水先案内人による講座の司会を務めたり、乗船前には絶対にやらないと思っていたことを何度も経験することができました。

失敗しても意志があればトライできる

もっとこの世界を知って成長したい/スタッフインタビュー 羅詠琴(琴音)
もうひとつ、自分の中ですごく大きかったと思う変化は、失敗したときにただショックを受けて落ち込んでしまうのではなく、そこから何かを学んで、次のステップへどう活かせるのか考えられるようになったことです。

船に乗る前の私は、上手くいかないことがあるとヘコんでしまい、ネガティブな気持ちを引きずってしまう傾向がありました。ところが船旅を通してさまざまな経験を重ねるうちに、次第に考え方が肯定的になっていったように思います。

何よりピースボートの船内は、周囲の人たちがすごく応援してくれる環境でした。失敗しても意志があればトライできることを教えてもらえたので、初めてやることや苦手なことでも挑戦しようと思えたし、結果だけではなく、そこに至るまでの過程も大切だと思えるようになりました。

また船旅を通して、人とぶつかることを恐れずに、自分の考えや気持ちを相手に伝えることの大切さを学んだような気がします。今振り返ると、失敗したことや上手くいかなかったことも含め、どの経験も自分の成長につながっています。

初めて乗船した船旅を降りて、もっとこの世界を知って感じたいし、より多くの人が幸せに暮らせるために自分にできることを探したいと考えるようになりました。そのため、私は国際部のスタッフとしてピースボートで働くようになりました。

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