電気のない地域に太陽の光を!〜「ボヤージ・オブ・ライト」活動報告〜
電気へのアクセスのない生活をしている人たちは、世界中に14億人以上いると言われています。NGOリッター・オブ・ライトは、フィリピンで2011年に創設された団体です。小さなソーラーパネルとLEDライト、バッテリー、ペットボトルなどの廃材などを組み合わせ、電気のない地域に照明システムを届けてきました。ピースボートは、リッター・オブ・ライトとの共同プロジェクトとして、「ボヤージ・オブ・ライト」を実施しました。
- プロジェクト: SDGs キャンペーン
- クルーズ: 第100回 地球一周の船旅
船
2019.7.11
2020.5.15
電気へのアクセスのない生活をしている人たちは、世界中に14億人以上いると言われています。NGOリッター・オブ・ライトは、フィリピンで2011年に創設された団体です。小さなソーラーパネルとLEDライト、バッテリー、ペットボトルなどの廃材などを組み合わせ、電気のない地域に照明システムを届けてきました。ピースボートは、リッター・オブ・ライトとの共同プロジェクトとして、「ボヤージ・オブ・ライト」を実施しました。
第100回ピースボート地球一周の船旅では、リッター・オブ・ライトから代表のイラク・ディアス氏をはじめとする5名のスタッフが乗船。
船内でワークショップを実施。また訪れた国のうち、8寄港地へ約500個のライトを届け、さらにその作り方やメンテナンスの仕方を伝えました。ここでは、プロジェクトの様子をお伝えします。
船内でワークショップを実施。また訪れた国のうち、8寄港地へ約500個のライトを届け、さらにその作り方やメンテナンスの仕方を伝えました。ここでは、プロジェクトの様子をお伝えします。
船内のワークショップには300名以上が参加
船内では、リッター・オブ・ライトのスタッフによるソーラーライト製作ワークショップが行われました。比較的手に入れやすい素材を使い、ハンダやドライバーなど初歩的な工具を使って組み立てていきます。
今回作ったソーラーライトは2種類で、簡易タイプは小学生でもドライバーだけで15分から30分程度で製作可能です。配線を組み立てたら、最後は照明を拡散させるためにペットボトルをかぶせて完成です。
もうひとつは、ハンダごてを使用するもので、本格的なランタンで明かりを届けます。制作時間は40分から1時間程度です。
いずれもソーラーパネルで充電し、その電気をバッテリーに蓄電することで、送電線がなくても明かりが付く仕組みになっています。
ワークショップは航海中に17回開催。1回の参加者は上限が約20名なので、全部合わせると約340名の人々が参加したことになります。
ワークショップに参加したのは、小学生からシニアまでさまざま。その反応は、「中学の頃の技術の時間を思い出す」「実際に手を動かして役に立つモノを作れるのは新鮮」というものでした。
参加した小学生は、初めてのハンダごてを確認しながら使い、うまく組み立てることができました。まさに誰でも簡単にできる持続可能な照明づくりとなっています。
今回作ったソーラーライトは2種類で、簡易タイプは小学生でもドライバーだけで15分から30分程度で製作可能です。配線を組み立てたら、最後は照明を拡散させるためにペットボトルをかぶせて完成です。
もうひとつは、ハンダごてを使用するもので、本格的なランタンで明かりを届けます。制作時間は40分から1時間程度です。
いずれもソーラーパネルで充電し、その電気をバッテリーに蓄電することで、送電線がなくても明かりが付く仕組みになっています。
ワークショップは航海中に17回開催。1回の参加者は上限が約20名なので、全部合わせると約340名の人々が参加したことになります。
ワークショップに参加したのは、小学生からシニアまでさまざま。その反応は、「中学の頃の技術の時間を思い出す」「実際に手を動かして役に立つモノを作れるのは新鮮」というものでした。
参加した小学生は、初めてのハンダごてを確認しながら使い、うまく組み立てることができました。まさに誰でも簡単にできる持続可能な照明づくりとなっています。
世界各地に500個の明かりを届ける
寄港地では、ピースボートが交流を続けてきたパートナー団体を通して、合計で約500個のライトを届けました。
届けた国々は、モーリシャス、マダガスカル、南アフリカ、ナミビア、ブラジル、ウシュアイア、チリ、イースター島、サモアの、8カ国、9地域です。
リッター・オブ・ライトのスタッフは、船内と同様に現地でワークショップを開催。
各地の人々とともに小さなソーラーライトをつくりました。また、比較的大きな室内灯や街灯については、船から持ち込んだ材料に加え現地で材料を調達。地域の事情に合わせて、その場で製作しています。
大切なことは、完成品を届けるのではないことです。どこでも手に入るものを使い、人々と一緒につくることで、故障しても現地の人たちが修繕することができるのです。
明かりのなかった地域では、「危険だった夜道を安心して歩けるようになった」「夜に学校の宿題ができるようになった」といった喜びの声も聞かれました。
届けた国々は、モーリシャス、マダガスカル、南アフリカ、ナミビア、ブラジル、ウシュアイア、チリ、イースター島、サモアの、8カ国、9地域です。
リッター・オブ・ライトのスタッフは、船内と同様に現地でワークショップを開催。
各地の人々とともに小さなソーラーライトをつくりました。また、比較的大きな室内灯や街灯については、船から持ち込んだ材料に加え現地で材料を調達。地域の事情に合わせて、その場で製作しています。
大切なことは、完成品を届けるのではないことです。どこでも手に入るものを使い、人々と一緒につくることで、故障しても現地の人たちが修繕することができるのです。
明かりのなかった地域では、「危険だった夜道を安心して歩けるようになった」「夜に学校の宿題ができるようになった」といった喜びの声も聞かれました。
南アフリカでは街灯も設置
南アフリカのイカヤ・レ・ランガは、ピースボートがケープタウンに寄港する時に受け入れてくれている団体です。
団体の拠点となっている街は、人種差別が続いていたアパルトヘイト政策の時代に、6つの地区から黒人たちが移住させられてできました。
代表のトニー・エルヴィンさんは、このように語りました。
「これまでピースボートを6年間受け入れてきています。いつも古い友人が会いにきてくれるようで、嬉しく思っています。今回は、ボヤージ・オブ・ライトが一緒にきて、家の中を照らす照明と、コーヒーショップの前を明るくする街灯を作るワークショップを行いました。社会的支援の要素が加わって、より良いプログラムになったと思います」
団体の拠点となっている街は、人種差別が続いていたアパルトヘイト政策の時代に、6つの地区から黒人たちが移住させられてできました。
代表のトニー・エルヴィンさんは、このように語りました。
「これまでピースボートを6年間受け入れてきています。いつも古い友人が会いにきてくれるようで、嬉しく思っています。今回は、ボヤージ・オブ・ライトが一緒にきて、家の中を照らす照明と、コーヒーショップの前を明るくする街灯を作るワークショップを行いました。社会的支援の要素が加わって、より良いプログラムになったと思います」
より多くの光を届けたい
ボヤージ・オブ・ライトの担当スタッフ・渡辺里香は、このように言います。
「今回はたくさんのワークショップを行いましたが、人は手を動かすと頭も心も動くものだな、と実感することができました。話を聞くだけ、状況を知るだけよりも、手を動かすことで、SDGsの課題も身近に感じられた参加者がいたのではないでしょうか」
リッター・オブ・ライト代表のイラク・ディアス氏は、今回ピースボートとともにソーラーライトを届けることができたことに、新たな可能性を感じたと言います。
「ピースボートは、私たちの最良のパートナーで、次の寄港地を訪れるまでの間に船の中の皆さんと一緒に準備を進めることができました。力を合わせ大きなプロジェクトを成し遂げました。またピースボートが長い年月をかけて育ててきた世界中のネットワークのおかげで、私たちの活動もスムーズにより深く理解してもらうことができたと感じています」
なお、ピースボートとリッター・オブ・ライトは、今後のクルーズでも、プロジェクトを継続していくことにしています。
今回は初めてだったので、船内で製作したソーラーライトを、参加者が寄港地で直接手渡しする流れを作ることはできませんでしたが、今後はそのようなことも含め、明かりのない地域により多くの光を届けていきたいと考えています。
「今回はたくさんのワークショップを行いましたが、人は手を動かすと頭も心も動くものだな、と実感することができました。話を聞くだけ、状況を知るだけよりも、手を動かすことで、SDGsの課題も身近に感じられた参加者がいたのではないでしょうか」
リッター・オブ・ライト代表のイラク・ディアス氏は、今回ピースボートとともにソーラーライトを届けることができたことに、新たな可能性を感じたと言います。
「ピースボートは、私たちの最良のパートナーで、次の寄港地を訪れるまでの間に船の中の皆さんと一緒に準備を進めることができました。力を合わせ大きなプロジェクトを成し遂げました。またピースボートが長い年月をかけて育ててきた世界中のネットワークのおかげで、私たちの活動もスムーズにより深く理解してもらうことができたと感じています」
なお、ピースボートとリッター・オブ・ライトは、今後のクルーズでも、プロジェクトを継続していくことにしています。
今回は初めてだったので、船内で製作したソーラーライトを、参加者が寄港地で直接手渡しする流れを作ることはできませんでしたが、今後はそのようなことも含め、明かりのない地域により多くの光を届けていきたいと考えています。