みんなが主役で船を出す、ピースボート100回目の航海が出航!
12月26日、晴れ渡る空のもと第100回ピースボート地球一周の船旅が、横浜大桟橋埠頭を出航いたしました。1983年に創設されたピースボートは、激動の世界情勢の中で35年間船を出し続け、今回100回目の航海を出航させるに至りました。これもこれまで関わってくださった多くの皆様のおかげです。今回のクルーズでは、被爆者とともに世界各地で核兵器の非人道性を訴えるおりづるプロジェクトや、電気のない地域に手作りでできるソーラー照明を届ける「ボヤージ・オブ・ライト」という新しいプロジェクトが行われます。以下に、出航に先立って行われた記者会見の様子をご紹介します。
- プロジェクト: SDGs キャンペーン
- クルーズ: 第100回 地球一周の船旅
船
2018.12.27
2019.5.30
12月26日、晴れ渡る空のもと第100回ピースボート地球一周の船旅が、横浜大桟橋埠頭を出航いたしました。1983年に創設されたピースボートは、激動の世界情勢の中で35年間船を出し続け、今回100回目の航海を出航させるに至りました。これもこれまで関わってくださった多くの皆様のおかげです。今回のクルーズでは、被爆者とともに世界各地で核兵器の非人道性を訴えるおりづるプロジェクトや、電気のない地域に手作りでできるソーラー照明を届ける「ボヤージ・オブ・ライト」という新しいプロジェクトが行われます。以下に、出航に先立って行われた記者会見の様子をご紹介します。
世界を知りたいという思いが原動力に/吉岡達也
本日、35周年、そして100回という大きな節目のクルーズを迎えることができました。ピースボートがはじまった当初は、10日間くらいの短いクルーズを150人くらいの規模でやっていました。その後、日本発として史上初めて世界一周クルーズを実施し、今では年間3回の世界一周クルーズを1,000人規模で行うようになっています。
大企業ではなく、何人かの学生が集まって始めた活動が、大きな財政的な後ろ盾もなくこの規模にまで発展することができた理由は、日本社会で体験型の学びや国際交流といった取り組みが求められていたからだと考えています。創設当時は東西冷戦真っただ中で、日本とアジアの間では歴史教科書問題も噴出していました。
当時は僕も学生でしたが、「世界の本当のことを現地に行って学びたい」という強い思いがありました。ピースボートに参加された多くの方にも、同様の思いがあったはずです。そうした人々の思いが、ピースボートを突き動かしてきたのではないかと考えています。
昨年、ピースボートが国際運営団体を務めるICANがノーベル平和賞を受賞しました。その際に思ったのは、ICANへの受賞は、誰か特定の個人に与えられたのではなく、運動に関わったすべての人に与えられたものだということです。ピースボートも同じで、誰か個人が頑張ったということではなく、そこに関わったすべての方々がこのピースボートを作り上げてきたからこそ、ここまで続いてきたのではないかと思います。
創立当初のキャッチフレーズは、「みんなが主役で船を出す」というものです。その精神はいまも変わりません。そこに関わる人すべてが主役なんだという思いと、世界の戦争や貧困をなくし、持続可能な世界をつくり上げていくんだという気持ちで、これから先も船を出し続けていきたいと思っています。
大企業ではなく、何人かの学生が集まって始めた活動が、大きな財政的な後ろ盾もなくこの規模にまで発展することができた理由は、日本社会で体験型の学びや国際交流といった取り組みが求められていたからだと考えています。創設当時は東西冷戦真っただ中で、日本とアジアの間では歴史教科書問題も噴出していました。
当時は僕も学生でしたが、「世界の本当のことを現地に行って学びたい」という強い思いがありました。ピースボートに参加された多くの方にも、同様の思いがあったはずです。そうした人々の思いが、ピースボートを突き動かしてきたのではないかと考えています。
昨年、ピースボートが国際運営団体を務めるICANがノーベル平和賞を受賞しました。その際に思ったのは、ICANへの受賞は、誰か特定の個人に与えられたのではなく、運動に関わったすべての人に与えられたものだということです。ピースボートも同じで、誰か個人が頑張ったということではなく、そこに関わったすべての方々がこのピースボートを作り上げてきたからこそ、ここまで続いてきたのではないかと思います。
創立当初のキャッチフレーズは、「みんなが主役で船を出す」というものです。その精神はいまも変わりません。そこに関わる人すべてが主役なんだという思いと、世界の戦争や貧困をなくし、持続可能な世界をつくり上げていくんだという気持ちで、これから先も船を出し続けていきたいと思っています。
平和という編物を地球上で縫う /鎌田慧さん(ルポライター・水先案内人)
ピースボートとは30年以上関わっています。どうして長く付き合っているのかと言うと、単に旅をしているわけではないからです。僕にとってピースボートというのは、編み物の棒みたいなもので、それで港と港を編んでいくようなイメージなんですね。平和という編物を、いろんな港に寄港しながら縫っていく。そういうことを、30年以上やってきた。
それから、ピースボートに乗って市民運動をやるようになった人がたくさんいます。だから、日本の市民運動をつくってきたという側面もあるのかなと思います。日本側だけでなく、行った先でもいろんな運動家とつながって、そういう運動と連帯してきた。日本でも海外でも編物みたいなネットワークを、地球上でつくってきたということになります。
また、船の中でも勉強したりコミュニケーションをつくってきた。お互いにいろんなことを学び合う中で新しい価値が生まれています。あるいは船に乗った人たち同士とか、海外の人と10年や20年たっても付き合っていたりする。
船で地球を行ったり来たりするプロセスの中に、そのようないろんな意味がでてきていると思うんです。こんなユニークな運動は他にないと思います。
最初は教科書問題から始まっています。日本の侵略を否定する動きが日本で盛り上がったときに、侵略された国に行って聞いて、確認しようとという精神が原点になっています。行って聞いて考える、確認する精神は大事だと思います。だから僕は応援しています。
それから、ピースボートに乗って市民運動をやるようになった人がたくさんいます。だから、日本の市民運動をつくってきたという側面もあるのかなと思います。日本側だけでなく、行った先でもいろんな運動家とつながって、そういう運動と連帯してきた。日本でも海外でも編物みたいなネットワークを、地球上でつくってきたということになります。
また、船の中でも勉強したりコミュニケーションをつくってきた。お互いにいろんなことを学び合う中で新しい価値が生まれています。あるいは船に乗った人たち同士とか、海外の人と10年や20年たっても付き合っていたりする。
船で地球を行ったり来たりするプロセスの中に、そのようないろんな意味がでてきていると思うんです。こんなユニークな運動は他にないと思います。
最初は教科書問題から始まっています。日本の侵略を否定する動きが日本で盛り上がったときに、侵略された国に行って聞いて、確認しようとという精神が原点になっています。行って聞いて考える、確認する精神は大事だと思います。だから僕は応援しています。
電気のない地域の人々に照明を/イラク・ディアスさん(NGOリッター・オブ・ライト代表)
※フィリピンで創設されたNGOリッター・オブ・ライトは、小さなソーラーパネルとバッテリー、ペットボトルなどの廃材とLEDライトなどを組み合わせて、電気のない地域に照明システムを届けています。今回は、リッター・オブ・ライトから5名のスタッフが乗船して、100回クルーズでめぐる国々へ約1000個のライトを届け、さらにその作り方やメンテナンスの仕方を伝えるプロジェクト「ボヤージ・オブ・ライト」を実施します。
フィリピンから始まったリッター・オブ・ライトのプロジェクトは、現在は世界30以上の国で活動しています。今回ピースボートと連携して、ユニークなプロジェクトを実現することができたことを喜ばしく思います。電気へのアクセスのない生活をしている人たちは、世界中に14億人以上います。国連のSDGsに掲げられているような持続可能な目標の達成は、水や食料だけでなく、その電気というインフラが不可欠です。
リッター・オブ・ライトが提供する照明は、誰にでも簡単に作ることができます。また、壊れてしまっても簡単に修理することができます。子どもたちでもこのプロジェクトには参加することができます。船の中でも、作り方などの知識を普及させていきたいと思っています。
一般市民が参加して作ることができるというのは、市民社会の力を強め、コミュニティ作りに貢献するという意味でも大切なことです。今回、SDGsの目標達成をめざすピースボートと協力して、よりいっそうプロジェクトを広めていけるのではないかと期待しています。
フィリピンから始まったリッター・オブ・ライトのプロジェクトは、現在は世界30以上の国で活動しています。今回ピースボートと連携して、ユニークなプロジェクトを実現することができたことを喜ばしく思います。電気へのアクセスのない生活をしている人たちは、世界中に14億人以上います。国連のSDGsに掲げられているような持続可能な目標の達成は、水や食料だけでなく、その電気というインフラが不可欠です。
リッター・オブ・ライトが提供する照明は、誰にでも簡単に作ることができます。また、壊れてしまっても簡単に修理することができます。子どもたちでもこのプロジェクトには参加することができます。船の中でも、作り方などの知識を普及させていきたいと思っています。
一般市民が参加して作ることができるというのは、市民社会の力を強め、コミュニティ作りに貢献するという意味でも大切なことです。今回、SDGsの目標達成をめざすピースボートと協力して、よりいっそうプロジェクトを広めていけるのではないかと期待しています。
核兵器禁止条約の発効を求めて/川崎哲、森山景さん(ユース特使)
川崎:過去10年にわたって、広島、長崎の被爆者の方々とともに世界をめぐり、核兵器の非人道性について訴える「被爆者地球一周証言の航海(通称:おりづるプロジェクト)」を、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)の一員として実施してきました。それが核兵器禁止条約の成立や昨年のノーベル平和賞の受賞にもつながりました。
今回は、在ブラジル被爆者である渡辺淳子さんに、ブラジルから日本まで乗船いただきます。訪れる各国では、核兵器禁止条約への署名や批准を求めながら、2019年中の条約発効をめざしていきます。また今クルーズでも、ノーベル平和賞のメダルと賞状のレプリカを船に載せていきます。
このプロジェクトにユース特使として乗船するのが、森山景さんです。広島出身の被爆三世で、東京でいまは平和や反核をテーマに演劇などをやっていらっしゃいます。
森山:ご紹介いただいた森山です。私は被爆3世で、祖父が被爆しました。彼は毎朝、私が学校に行くときに「行って帰ってらっしゃい」と言っていました。それは彼の家族が、家を出たまま原爆の被害にあい帰ってこなかったことに由来しています。私は演劇をしていますが、これからも原爆や原発の問題について描き続けていきたいと思っています。
ピースボートのおりづるプロジェクトは、被爆者の方と旅をしながら、世界各国で被爆証言会を実施しています。大切なことだと思います。今回、渡辺淳子さんと旅をしながら、いろいろな人と話し合い、自分の考えを深めていきたいと思っています。
今回は、在ブラジル被爆者である渡辺淳子さんに、ブラジルから日本まで乗船いただきます。訪れる各国では、核兵器禁止条約への署名や批准を求めながら、2019年中の条約発効をめざしていきます。また今クルーズでも、ノーベル平和賞のメダルと賞状のレプリカを船に載せていきます。
このプロジェクトにユース特使として乗船するのが、森山景さんです。広島出身の被爆三世で、東京でいまは平和や反核をテーマに演劇などをやっていらっしゃいます。
森山:ご紹介いただいた森山です。私は被爆3世で、祖父が被爆しました。彼は毎朝、私が学校に行くときに「行って帰ってらっしゃい」と言っていました。それは彼の家族が、家を出たまま原爆の被害にあい帰ってこなかったことに由来しています。私は演劇をしていますが、これからも原爆や原発の問題について描き続けていきたいと思っています。
ピースボートのおりづるプロジェクトは、被爆者の方と旅をしながら、世界各国で被爆証言会を実施しています。大切なことだと思います。今回、渡辺淳子さんと旅をしながら、いろいろな人と話し合い、自分の考えを深めていきたいと思っています。
◆メディア掲載情報
出航と記者会見については以下のメディアで報道されています。
・12月26日 朝日新聞
ピースボート、100回目の船出 35年で7万人、世界とつなぐ
・12月27日 毎日新聞
世界を巡り市民交流 ピースボート100回記念クルーズに出航
・12月27日 神奈川新聞
「平和」へ出港、100回目 横浜、ピースボート
出航と記者会見については以下のメディアで報道されています。
・12月26日 朝日新聞
ピースボート、100回目の船出 35年で7万人、世界とつなぐ
・12月27日 毎日新聞
世界を巡り市民交流 ピースボート100回記念クルーズに出航
・12月27日 神奈川新聞
「平和」へ出港、100回目 横浜、ピースボート
ピースボート35年の歩み、寄港地での主な活動と主なプロジェクト
第100回ピースボートを記念して、これまでの歩みや寄港地での活動、プロジェクトの概要をまとめました。以下の添付ファイルをダウンロードしてください。