カンボジアの地雷問題を学ぶツアーを開催しました
第99回ピースボートで「カンボジア地雷問題検証ツアー」を開催しました。ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACはカンボジアの地雷除去を支援しています。パートナーである地雷除去団体「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」が活動している現場や地雷被害者を支援するNGO、そしてP-MACが支援を続ける村を訪れ、地雷問題の「今」を学びました。
- プロジェクト: 地雷廃絶キャンペーン(P-MAC)
- 寄港地エリア: アジア
- クルーズ: 第99回 地球一周の船旅
- 関連キーワード: 国際協力 / 子ども / 紛争
船
2018.12.6
2019.7.1
第99回ピースボートで「カンボジア地雷問題検証ツアー」を開催しました。ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACはカンボジアの地雷除去を支援しています。パートナーである地雷除去団体「カンボジア地雷対策センター(CMAC)」が活動している現場や地雷被害者を支援するNGO、そしてP-MACが支援を続ける村を訪れ、地雷問題の「今」を学びました。
生きる希望を与える義足支援の現場
地雷は踏んだ人の足を吹き飛ばすくらいの爆発力があるため、多くの被害者が脚を失います。そのような人々が病院での治療の後に必要となるのが義足です。しかし、地雷被害者は農村部で暮らす貧しい人たちが多く、自分で義足を購入することができません。
シェムリアップ州立リハビリセンターでは、義足を無料で作成して歩行訓練をおこなっています。また、遠方から来る患者の為に宿泊施設を準備したり、センターに滞在する間の生活費や交通費も支給しています。
義足を必要としている人々にとっては必要不可欠な場所ですが、受け入れる患者数が限られていることが問題です。予算不足が大きな原因ですが、それと同時に義足をつくる技術者の不足も深刻です。カンボジア国内には技術者を養成する学校が1つしかなく、授業が英語でおこなわれています。入学することも簡単ではありませんが、この学校を卒業して技術者として働くのであれば、国外で就職した方が条件がよいこともあり、カンボジア国内の技術者の数が不足してしまいます。
歩行訓練をしていたウェイクグアンさんは内戦中の1987年2月26日に地雷を踏んで右足と左目を失いました。今でもその瞬間を忘れられないと言います。ずっと自作の杖を使って生活していましたが、10年前にはじめての義足を手に入れました。義足は数年おきに新しいものに変える必要があるため、今回新しい義足の歩行訓練のためにこのセンターに滞在していました。訓練するウェイクグアンさんは歩いたり、自転車を漕げることに大きな喜びを感じているようでした。
シェムリアップ州立リハビリセンターでは、義足を無料で作成して歩行訓練をおこなっています。また、遠方から来る患者の為に宿泊施設を準備したり、センターに滞在する間の生活費や交通費も支給しています。
義足を必要としている人々にとっては必要不可欠な場所ですが、受け入れる患者数が限られていることが問題です。予算不足が大きな原因ですが、それと同時に義足をつくる技術者の不足も深刻です。カンボジア国内には技術者を養成する学校が1つしかなく、授業が英語でおこなわれています。入学することも簡単ではありませんが、この学校を卒業して技術者として働くのであれば、国外で就職した方が条件がよいこともあり、カンボジア国内の技術者の数が不足してしまいます。
歩行訓練をしていたウェイクグアンさんは内戦中の1987年2月26日に地雷を踏んで右足と左目を失いました。今でもその瞬間を忘れられないと言います。ずっと自作の杖を使って生活していましたが、10年前にはじめての義足を手に入れました。義足は数年おきに新しいものに変える必要があるため、今回新しい義足の歩行訓練のためにこのセンターに滞在していました。訓練するウェイクグアンさんは歩いたり、自転車を漕げることに大きな喜びを感じているようでした。
安全な大地を取り戻すための活動
世界遺産のアンコールワットがあり多くの観光客が訪れるシェムリアップのホテルを出発してからほんの1時間の場所に不発弾処理がおこなわれている現場がありました。ここには地雷はありませんが、内戦当時に残された不発弾が今も埋まっています。地雷と不発弾は金属を含んでいたり、よく似た場所に埋まっていたり、爆発する可能性が大きいなどの共通点が多く、同じ方法を使って探し出します。
カンボジア地雷対策センター(CMAC)の隊員が金属探知機を使って不発弾を探していました。私たちも隊員と同じヘルメットと防具を身に着けて作業現場に近づきました。気温は30度以上あり、炎天下でこれらの防具をつけて歩いているだけで、一気に汗が吹き出し体力も消耗します。
私たちが作業現場に足を踏み入れる直前、一つの不発弾が発見されました。隊員が周辺の安全確認をした後、その不発弾のすぐ手前まで行くことができました。30cmほどの穴の中から砲弾の一部がのぞいていました。
過酷な環境で地雷や不発弾を探し出すための危険な作業をおこなうことは本当に大変な仕事です。一歩間違えば大事故にもつながります。それでも、地雷や不発弾を除去するためには人の手によって1つ1つ探し出すしかありません。カンボジアの内戦が終わって20年以上たちますが、今も続く地雷被害と除去作業を思うと地雷問題の深刻さを痛感せずにはいられませんでした。
カンボジア地雷対策センター(CMAC)の隊員が金属探知機を使って不発弾を探していました。私たちも隊員と同じヘルメットと防具を身に着けて作業現場に近づきました。気温は30度以上あり、炎天下でこれらの防具をつけて歩いているだけで、一気に汗が吹き出し体力も消耗します。
私たちが作業現場に足を踏み入れる直前、一つの不発弾が発見されました。隊員が周辺の安全確認をした後、その不発弾のすぐ手前まで行くことができました。30cmほどの穴の中から砲弾の一部がのぞいていました。
過酷な環境で地雷や不発弾を探し出すための危険な作業をおこなうことは本当に大変な仕事です。一歩間違えば大事故にもつながります。それでも、地雷や不発弾を除去するためには人の手によって1つ1つ探し出すしかありません。カンボジアの内戦が終わって20年以上たちますが、今も続く地雷被害と除去作業を思うと地雷問題の深刻さを痛感せずにはいられませんでした。
子どもたちの安全のための地雷除去
カンボジア北部プレアヴィヘア州にある「ピースボート・スナハイ小学校」を訪問しました。この学校はP-MACが地雷除去と学校建設を支援して、2016年に完成しました。現在は230人の子どもたちが通っています。私たちが訪問した9月はカンボジアでは長期休み中でしたが、多くの子どもたちが学校に集まってくれました。以前は地雷原だった校庭で子どもたちと思いきり走りまわったり、ボールを追いかけたり、絵をかいたり......、参加者は思い思いの楽しい時間を過ごしました。
そして、同行したCMACのスタッフからはスナハイ村の現状も教えてもらいました。この小学校の周辺もまだ地雷が残っています。村の人々の日常生活の中に地雷問題が存在している現実を知ることとなりました。学校の裏も敷地から一歩外へ出ると地雷原です。そうとは知らずに子どもたちや村人が地雷原に入り込むこともあったそうです。学校では子どもたちに絶対に地雷原に入らないよう繰り返し伝えてきました。そしてここが次回、P-MACが地雷除去を支援する土地です。子どもたちの安全のために一刻もはやく地雷除去ができるよう、募金活動をおこなっています。
そして、同行したCMACのスタッフからはスナハイ村の現状も教えてもらいました。この小学校の周辺もまだ地雷が残っています。村の人々の日常生活の中に地雷問題が存在している現実を知ることとなりました。学校の裏も敷地から一歩外へ出ると地雷原です。そうとは知らずに子どもたちや村人が地雷原に入り込むこともあったそうです。学校では子どもたちに絶対に地雷原に入らないよう繰り返し伝えてきました。そしてここが次回、P-MACが地雷除去を支援する土地です。子どもたちの安全のために一刻もはやく地雷除去ができるよう、募金活動をおこなっています。
地雷原が安全な森に生まれ変わりました
スナハイ村の近くにあるコーケー村もP-MACが地雷除去支援をおこなっている村の一つです。この村にはコーケー遺跡群というアンコールワットよりも古い時代につくられた遺跡が点在し、近年は多くの観光客も訪れる遺跡となりました。ツアー参加者も遺跡観光を楽しみました。
次に今年5~7月の3ヶ月間かけてP-MACが地雷除去支援した場所に案内されました。そこは私たちが観光を楽しんだ遺跡の隣にある森でした。観光客がのんびりと観光を楽しんでいるそのすぐ横に、数ヶ月前までは地雷原があったとは想像できず驚きの声があがりました。この森から除去活動によって16個の地雷と46個の不発弾が発見されました。安全になった今は、その土地を村人が数十頭の牛を連れて歩いていました。
次に今年5~7月の3ヶ月間かけてP-MACが地雷除去支援した場所に案内されました。そこは私たちが観光を楽しんだ遺跡の隣にある森でした。観光客がのんびりと観光を楽しんでいるそのすぐ横に、数ヶ月前までは地雷原があったとは想像できず驚きの声があがりました。この森から除去活動によって16個の地雷と46個の不発弾が発見されました。安全になった今は、その土地を村人が数十頭の牛を連れて歩いていました。
参加者の1人は「地雷の被害に遭うことがまだこの世界にはあります。地雷が無くならない限り平和は訪れないと思います。これからも地雷除去のための募金活動を続けていきたい。」と語りました。参加者はカンボジアで5日間を過ごし、船に戻りました。そして、カンボジアの地雷をなくすため、船内で他の参加者に地雷問題を伝えたり、募金活動をおこないました。
※2019年4月出航の第101回ピースボート、2019年9月出航の第102回ピースボートでも、カンボジアの地雷問題を学ぶ同様のツアーを予定しています。参加者を募集中ですので、詳しくはピースボート事務局までお問い合わせください。
ピースボート事務局 メール:info@peaceboat.gr.jp
※2019年4月出航の第101回ピースボート、2019年9月出航の第102回ピースボートでも、カンボジアの地雷問題を学ぶ同様のツアーを予定しています。参加者を募集中ですので、詳しくはピースボート事務局までお問い合わせください。
ピースボート事務局 メール:info@peaceboat.gr.jp