地球大学がクルーズ出航前の合宿を行いました
2015年8月に出航する第88回ピースボート地球一周の船旅。その洋上で開催されるピースボート地球大学の出航前オリエンテーション合宿を、7月18日〜20日に東京高田馬場にあるピースボートセンターとうきょうで実施しました。
- プロジェクト: 地球大学
- クルーズ: 第88回 地球一周の船旅
- 関連キーワード: 貧困問題
船
2015.8.2
2019.3.26
2015年8月に出航する第88回ピースボート地球一周の船旅。その洋上で開催されるピースボート地球大学の出航前オリエンテーション合宿を、7月18日〜20日に東京高田馬場にあるピースボートセンターとうきょうで実施しました。
ホームレスへの炊き出しと生活相談
2泊3日の合宿の目的は、これから3ヶ月間のプログラムをともにする仲間とのチームワーク作りや、今回の地球大学のテーマである「貧困をなくし、持続可能な世界をつくる」についての基礎知識を身につけることです。また、日本の貧困、特にホームレスに焦点をあて、社会の構造的な問題について学ぶとともに、ホームレスの自立支援を行うNPOの取り組みに参加しました。今回の合宿の受け入れをしてくださったのは、東京新宿を中心に路上生活者・生活困窮者支援をおこなっている「NPO自立生活サポートセンター・もやい」と「新宿ごはんプラス」です。
合宿1日目は、新宿ごはんプラスが東京都庁前で2週間に1度実施している、生活相談「ごはんの提供&ワンストップ相談会」に参加しました。ここでは、配食を手伝うグループとホームレス支援の案内ビラを配布するグループに分かれてお手伝いしました。ホームレス支援のボランティア活動に参加するのは初めてという地球大学生が多く、配食&相談会に来た方たちとどうコミュニケーションをとっていいのかわからず戸惑う姿もありましたが、積極的に話しかけ質問しながら、精一杯取り組みました。
合宿1日目は、新宿ごはんプラスが東京都庁前で2週間に1度実施している、生活相談「ごはんの提供&ワンストップ相談会」に参加しました。ここでは、配食を手伝うグループとホームレス支援の案内ビラを配布するグループに分かれてお手伝いしました。ホームレス支援のボランティア活動に参加するのは初めてという地球大学生が多く、配食&相談会に来た方たちとどうコミュニケーションをとっていいのかわからず戸惑う姿もありましたが、積極的に話しかけ質問しながら、精一杯取り組みました。
炊き出しのフィードバックと夜回り
その後のフィードバックでは、「路上生活者の身なりが思ったよりしっかりしていた」といった意見や、ホームレスにも地域間で格差があるのではといったことが議論されました。また、グループワークショップでは、貧困問題の原因や結果を考えたり、19歳の元ホームレスの男性を追ったドキュメンタリーを通して、貧困が日本に住むわたしたちの身近にあること、そして様々な社会問題のつながりが負の連鎖を引き起こしていることを学びました。夜は、日中に配食&相談会をおこなった場所で夜回りを行い、路上生活者にシリアルなどの食べ物を配りながら、生活困窮者支援の案内ビラを配りました。
「日雇い労働者の街」山谷を見学
二日目は東京南千住の山谷地域を歩きながら山谷の歴史と現状について学びました。ガイドを務めてくださったのは、自らも山谷で30年間日雇い労働者として働き、その後起業しリサイクルショップや企業組合をつくりホームレスの支援活動を続けている中村光男さんです。小塚原刑場、隅田川貨物駅、吉原の遊郭と遊女の「投げ込み寺」として知られる浄閑寺、など江戸時代にさかのぼる山谷の歴史を教えていただくと共に、強制労働や被差別部落の人々が集められてきた歴史について学びました。また、たくさんの簡易宿泊宿が連なるドヤ街、手配師制度、そして多くの生活保護受給者がアパートに入ることができずドヤで生活している実態など、社会保障制度が行き届いていない現状を知ることができました。
ディスカッションとグループワーク
三日目は、「NPO自立生活サポートセンター・もやい」の大西さんをお招きし、日本のホームレスの現状や、ホームレスに対する取り組みをお話いただきました。また、「自分の家の前にもしホームレスの人が寝ていたらどうする?」といった問いについて、ホームレス排除は良くない・しかたがない、という二つの視点から意見を出し合いディスカッションを行いました。議論では、ホームレス排除は問題の根本の解決にはならないのではないか、そして排除以外にも問題解決の方法はあるのではないかなど様々な意見がでました。
まとめ
最後に、合宿の3日間を振り返って一人ひとりに感想を述べてもらいました。「東京に住んでいるのに山谷のような地域があることを全く知らなかった」、「ホームレスに対する見方が180度変わった」、「これまでホームレスの人がいても見て見ぬふりをしていたが、これからは自分に何ができるか考えていきたい」など、いままで目を向けることのなかったホームレスという問題に対して、それぞれが、「知ること」や「行動すること」の大切さを学ぶ機会となりました。この経験を活かし、8月に「貧困をなくし、持続可能な世界をつくる」のテーマで実施するピースボート地球大学の学びにつなげていきます。今回の合宿は、自立生活サポートセンター・もやいの大西さんをはじめ、新宿ごはんプラスのスタッフの皆様、そして中村光男さんの全面協力により無事に成功をおさめることができました。協力してくださったスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。