【追悼】コーラ・ワイスさん、ピーター・ワイスさんを偲んで

平和、人権、核軍縮、そしてジェンダー平等のために捧げられたお二人の生涯は、私たちにとって大きな道しるべであり続けてきました。この冬、お二人は90歳と99歳で、互いの後を追うように数週間のうちに相次いでこの世を去りました。

ピースボートが初めてコーラさんと出会ったのは1994年、ピースボート初となるニューヨーク寄港の準備を進めていた時でした。それ以来長年にわたり、お二人はニューヨークのご自宅にピースボートのスタッフを温かく招き入れ、励ましの言葉や食事、そして深い愛情を注いでくださっただけでなく、多くの人脈やアイデアを授けてくれました。

リバーサイド教会やセントラルパークでのイベント、そしてNGO「グローバルキッズ」や市民参加型の独立メディア「ダウンタウン・コミュニティ・テレビジョン・センター（DCTV）」との交流プログラムなど、ニューヨークにおけるピースボートの活動の多くは、コーラさんの発案によって生まれたものです。コーラさんは私たちのイベントに何度も登壇し、「World Without War（戦争のない世界）」を思い描くよう、人々に訴えました。

1999年、コーラさんが主導した「ハーグ平和アピール」会議にピースボートが参加できたことを光栄に思います。また、彼女が推進した「平和教育のためのグローバル・キャンペーン」に感銘を受けて始まったピースボートの「地球大学」プログラムでは、初期のグローバル・アドバイザーを務めていただきました。

さらにコーラさんは、「ピースボートUS」設立を推進した一人であり、2024年まで理事として尽力されました。

2006年には、コーラさんとピーターさんご夫妻でバンクーバーからアラスカまでの区間、ピースボートにご乗船いただきました。船上での講演やワークショップを通じ、その深い知識と溢れるエネルギー、そしてウィットに富んだ語り口で、多くの参加者を魅了しました。

お二人と最後にお会いしたのは、今年6月のことでした。ピースボートのスタッフがニューヨークのアパートを訪れ、船内で開催していたノーベル平和賞洋上特別展「A Message to Humanity」の様子をバーチャルツアーでご案内しました。

この展示でも紹介されている「1982年セントラルパーク軍縮行進」を組織したコーラさんは、当時のオリジナルポスターを私たちに見せてくださり、被爆者への連帯のメッセージを託してくれました。お二人は、最期まで献身的な活動家であり、未来を見据えるビジョナリーでした。

ご遺族の皆様に、心よりお悔やみを申し上げます。私たちは、深い尊敬と畏敬の念、そしてあふれるほどの親愛の情を込めて、コーラさんとピーターさんを記憶し続けます。

親愛なるコーラさん、ピーターさん。どうか安らかな旅でありますように。 これまでのすべてに、心から感謝いたします。