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希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ

希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ
2017年に核兵器禁止条約が国連で採択され、これに貢献したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞しました。このことに心を動かされた広島の被爆者でバラの育種家である田頭数蔵さんが、新種のバラを作り「ICAN(アイキャン)」と名付けました。東京にも贈られたバラ「ICAN」は今まさに美しく咲き誇り、核のない世界に向けて、世界中の人々に希望を与えています。ピースボートはICANの国際運営団体として、このバラを国内外に広めていきたいと考えています。
INFO
2017年に核兵器禁止条約が国連で採択され、これに貢献したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞しました。このことに心を動かされた広島の被爆者でバラの育種家である田頭数蔵さんが、新種のバラを作り「ICAN(アイキャン)」と名付けました。東京にも贈られたバラ「ICAN」は今まさに美しく咲き誇り、核のない世界に向けて、世界中の人々に希望を与えています。ピースボートはICANの国際運営団体として、このバラを国内外に広めていきたいと考えています。

田頭さんのバラ「ICAN」

希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ
田頭数蔵さん(左)とピースボートの川崎哲。2019年4月
田頭数蔵(たがしら・かずぞう)さんは今年91歳。75年前の8月6日の夕方、田頭さんは市内の爆心地近くに入り、多くの死体が重なり合うなかを通って自宅に帰りました。そのときに傷ついた人たちから助けを求められた様子を忘れられないと田頭さんは言います。弟さんを被爆により亡くした田頭さんは、しかし、その日の凄惨な体験を最近までご家族を含め人にはほとんど話すことができなかったそうです。戦後田頭さんは独学でバラの育種家となり、廿日市市で「広島バラ園」を営んでこられました。

2017年のICANノーベル平和賞受賞を知った田頭さんは「世界中の戦争体験を持たない若者が被爆者と同じ思いで核兵器をなくそうしていることがありがたい」と感じ、新作のバラをICAN(アイキャン)と名付けました。淡いピンクで次々と房咲きするこのバラは、世界の人々が集まって平和のために協力する姿を象徴しているかのようです。

核のない平和な世界を願って

希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ
バラ「ICAN」の苗。2019年4月
2019年1月に田頭さんからの連絡を受けたピースボートの川崎哲は、即座にICANの国際運営グループにこのことを報告しました。メンバーらは一同感激し、このバラにICANの名を使っていただくことはとてもありがたく、世界的な運動にとって大きな励みになると口々に歓迎しました。田頭さんのバラ「ICAN」の写真は、彼の思いと共に、ICANのSNSで世界中に広がりました。

同年4月、ピースボートの川崎哲、野口香澄、松村真澄の3名が、田頭さんの広島バラ園を訪ねました。ICANの小さな苗木がびっしりと育てられている様子を見学し、バラ作りがいかに繊細で忍耐を要するものかを学びました。田頭さんのお話には、人間の知恵や努力は戦争や武器のためではなく、こうしたバラ作りのように、人を幸せにすることのために注がれなければならないという強い思いが感じられました。

恵泉女学園と多摩市に贈呈

希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ
左から大日向雅美恵泉女学園大学学長、阿部裕行多摩市長。ピースボートの野口香澄より贈呈。2020年2月
今年に入り、田頭さんから「ICAN」を寄贈したいとのありがたいお申し出がありました。相談した結果、恵泉女学園大学と多摩市が計40株を受け取ってくださることになり、ピースボートのスタッフの家族が計10株を育てることとなりました。バラの株は、2月に、田頭数蔵さんの息子の恵さんが営む広島バラ園から送られました。

実は、2017年のICANノーベル平和賞授賞式の際に、被爆者らがオスロに行くことができるようにと募金を呼びかけてくださったのが、恵泉女学園大学の大日向雅美学長と多摩市の阿部裕行市長でした。恵泉女学園はまた、川崎哲が非常勤講師として平和学を教えているほか地球大学プログラムで提携するなど、ピースボートとは縁の深い大学です。同大学は園芸に力を入れており、キャンパスには有機栽培のバラ園もあります。「ICAN」は今、恵泉女学園の大学および中学・高等学校でも綺麗に花を咲かせています。

バラ「ICAN」はまた、多摩センター駅から徒歩7分の市立グリーンライブセンターで育てられ、美しく咲いています。このグリーンライブセンターは、多摩市と恵泉女学園大学が連携して運営している市民の憩いの場です。5月末日まで休館中ですが、入口前でバラ「ICAN」を見ることができます。(人との距離を十分にとってご鑑賞ください。)

サヘル・ローズさん「この娘を大切に育てます」

希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ
バラ「ICAN」とサヘル・ローズさん。多摩市立グリーンライブセンターにて。2020年5月
5月23日、女優のサヘル・ローズさんと養母のフローラ・ジャスミンさんが、グリーンライブセンターを訪ねてくれました。イラン生まれで、イラン・イラク戦争の戦禍のなか孤児となったサヘルさんは、フローラさんに助けられ8歳で来日しました。現在は女優として活躍しながら「戦争のない世界」をめざして積極的に発言し、難民や児童養護施設の子どもたちの支援活動にも熱心です。

「ICAN」を鑑賞しながらサヘルさんは、平和の大切さや子どもたちへの思いを語り、「このバラをいろんな国の大使館に贈呈しましょうよ」と提案してくれました。そんなサヘルさんに「ICAN」1株を、ご自身が営んでいるバラ園のために贈呈しました。サヘルさんは「平和を祈る気持ちが本当に強くなりました。大切に育てます」と言ってくださいました。

「ICAN」をさらに世界に広めて、核のない世界への希望の花を世界中に咲かせたいと思います

広く報道されています

希望のバラ「ICAN」~核兵器のない世界へ
バラ「ICAN」をサヘル・ローズさんに川崎哲より贈呈。多摩市立グリーンライブセンターにて。2020年5月
バラ「ICAN」については、次の通り報道されています。

2019年1月28日 中国新聞 新作のバラ「ICAN」被爆者で育種家田頭さん 核廃絶運動に共感

2019年4月16日 中国新聞 バラICAN 活動の励み 川崎氏、育種家の田頭さんを初訪問 広島県廿日市市

2020年2月18日 中国新聞 新品種のバラ「ICAN」贈呈 被爆者、多摩市へ苗

2020年3月5日 タウンニュース(多摩版) 恵泉×多摩市 広島から新作バラ寄贈 名前は「ICAN」核廃絶へ

2020年5月24日 毎日新聞 新品種バラ「ICAN」 核廃絶の思い込め 被爆の育種家、サヘルさんに贈呈

2020年5月25日 The Mainichi New 'ICAN' roses cultivated by A-bomb survivor gifted to actress promoting peace

2020年5月26日 毎日小学生新聞 バラに託す「核兵器のない世界」 広島の被爆男性

2020年5月28日 タウンニュース(多摩版) 「ICAN」のバラ咲く  GLC(グリーンライブセンター)で核廃絶の思い重ね

[お断り] 右の写真は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令期間中のものです。撮影のとき以外は、人の間の距離をとり、マスクを着用して感染防止を心がけました。ご鑑賞にあたっては皆さまもご注意ください。

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