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第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました

第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
第95回ピースボートでは、2017年10月にガラパゴス諸島を訪れるツアーを開催しました。参加者13名はニューヨークで一時船を離れ、エクアドルから西におよそ1,000km離れた赤道直下にあるガラパゴス諸島を訪問し、地元の高校生と植林をおこないました。
第95回ピースボートでは、2017年10月にガラパゴス諸島を訪れるツアーを開催しました。参加者13名はニューヨークで一時船を離れ、エクアドルから西におよそ1,000km離れた赤道直下にあるガラパゴス諸島を訪問し、地元の高校生と植林をおこないました。

ゆたかな生物多様性の島

第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
ガラパゴスゾウガメ、アオアシカツオドリ、ダーウィンフィンチ、ウミイグアナ、リクイグアナ、アシカ、ペリカン、グンカンドリ......。ガラパゴスには多様な動物たちが生活しています。

ツアー参加者はナチュラリスト・ガイドとともに島をめぐり、ガラパゴスに生きる動物や植物を観察しました。動物たちは人間を恐れることがないため、愛らしい姿を存分に見せてくれます。ガラパゴス諸島は19の主な島と100以上の小さな島や岩礁から構成されています。島により環境が異なるため、生息するや動植物にも違いがみられ、ガラパゴスの生物多様性を感じることができました。

危機に直面したガラパゴスの自然

第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
「進化の小宇宙」と形容され、固有種も多いガラパゴス諸島は1978年、ユネスコ世界自然遺産第一号に登録されました。また、2001年には海洋保護区も世界自然遺産に追加登録されました。陸地の97%が保護区に制定されており、残りの3%のみが居住地と農地、さらに訪問者が上陸出来る場所は全体の1%という、まさに自然の宝庫です。

しかし2007年には危機遺産リストに登録されてしまいます。観光客の増加と人口増加により、ナマコやサメ、イセエビの過剰な漁獲、密漁が増えました。また、人間が持ち込んだ家畜や外来種が繁殖し、ガラパゴスの生態系に大きな影響を与えてしまったからです。

エクアドル政府は対応策として、観光客の入島数や滞在期間の制限、外来種の持ち込みを防ぐための取り締まり強化などの改革を行い、その取り組みが評価され2010年にガラパゴス諸島は危機遺産リストから除外されることになりましたが、今も予断は許されません。

ガラパゴスの未来のためにできること

第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
4年前に植えた苗は4メートルほどに成長している
ガラパゴスの固有種であるスカレシア(キク科の植物)は、かつてサンタクルス島で数万ヘクタールの原生林を作り、ゾウガメやさまざまな動物の「進化のゆりかご」となっていました。ところが、島外から持ち込まれた外来種が急激に増え、それに押されてスカレシアの森が急速に失われました。

そこでピースボートは2007年5月に、フォトジャーナリストでガラパゴス自然保護基金代表を務める藤原幸一さん(水先案内人)と、現地チャールズ・ダーウィン財団と共に、「ガラパゴスの森再生プロジェクト」を開始しました。残念なことに、プロジェクトを開始した翌月にガラパゴス諸島は危機遺産リストに登録されてしまいましたが、私たちが行っていたことの必要性を改めて感じ、ガラパゴス国立公園と一丸になって今日まで植林活動を続けてきました。

地元の高校生と植林活動

第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
ピースボートの参加者は、ガラパゴスの高校2年生とペアを組み、片言のスペイン語と英語で交流しながら一日をともにし、スカレシアの植林を行いました。スカレシアは、一年に数メートル成長するため、森の再生に適しています。4年前に植えたスカレシアは人の背丈よりはるか大きく育っています。今回は2ヵ所に110本のスカレシアを植林しました。私たちが植林するすぐそばでは、ゾウガメが気持ちよさそうに泥浴びをしたり草を食べていました。

植林をしたサンタクルス島の人口は約16,000人。そのうち3分の1以上の約6,000人がガラパゴスの未来を担う子どもたちです。地元の高校生にとっても、私たちとの植林はガラパゴスの自然の大切さを学ぶいい機会になります。今回一緒に植林した高校生の中からもガラパゴスの自然保全に関心を持って生活する人が増えることを願います。

自然と人間が共生するために

第95回ピースボートで「ガラパゴスの森再生プロジェクト」植林ツアーを実施しました
ツアー参加者の多くは、動物たちが人間を恐れず、間近で観察できることに感激していました。参加者の1人は言います。

「ガラパゴスの大自然の素晴らしさが喧伝されるほど訪れる観光客が増え、自然破壊につながるもどかしさもある。自分自身ガラパゴスの自然に魅了された者として、多くの人にその魅力と自然を守る大切さを伝えたいと思う」

ガラパゴスの豊かでユニークな自然と、人間による環境破壊がもたらした現実を目の当たりにすることで、私たちは自然と共生することの大切さを学びました。失った自然環境をもう一度よみがえらせる事は多くの時間と労力を必要とする大変な作業です。だからこそ、その土地に暮らす人々と共に植林活動を続けることで、本来のガラパゴスの森を取り戻したいと思います。

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