軍事力でなく世界に平和の文化を! 第94回ピースボート地球一周の船旅が出航しました
第94回ピースボート地球一周の船旅が、4月12日13時に横浜港より出航しました。22カ国23寄港地をめぐる今回の船旅では、日本、中国、韓国などからおよそ1000名ほどの参加者が乗船しています。出航に先立ち行われた記者会見では、この船旅で中心となるプロジェクトが2つ紹介されました。被曝者らが世界中で核兵器の禁止を訴える、第10回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」と、ベネズエラの管弦楽団である「カラカス市民オーケストラ」の若手音楽家20名が乗船し、各寄港地で演奏会を行うというものです。被曝者の証言の集いと、カラカス市民オーケストラの演奏を組み合わせたプログラムも行う予定になっています。
- プロジェクト: おりづるプロジェクト
- クルーズ: 第94回 地球一周の船旅
船
2017.4.13
2019.3.26
第94回ピースボート地球一周の船旅が、4月12日13時に横浜港より出航しました。22カ国23寄港地をめぐる今回の船旅では、日本、中国、韓国などからおよそ1000名ほどの参加者が乗船しています。出航に先立ち行われた記者会見では、この船旅で中心となるプロジェクトが2つ紹介されました。被曝者らが世界中で核兵器の禁止を訴える、第10回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」と、ベネズエラの管弦楽団である「カラカス市民オーケストラ」の若手音楽家20名が乗船し、各寄港地で演奏会を行うというものです。被曝者の証言の集いと、カラカス市民オーケストラの演奏を組み合わせたプログラムも行う予定になっています。
核兵器の非人道性を世界に訴える
第10回「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」では、広島・長崎の被爆者3名、被爆二世が2名、ユース非核特使が2名の、合わせて7名のチームで、世界各地で証言会を行い核兵器の非人道性を訴えます。
また6月にはメンバーの一部が下船をして、ニューヨーク国連本部で現在行われている核兵器禁止条約の交渉会議に参加する予定です。各国で開催する証言会でも、この禁止条約の交渉に参加するよう求めていきます。以下、記者会見出席者のコメントを紹介します。
■三瀬清一朗さん(長崎で10歳のときに被爆)
「私は10歳で被爆しました。あれから72年が経つ現在、世界は大変な危険を迎えています。原爆被害については、いかに悲惨なものだったかということがまだまだ知られていないので、世界の人たちにそのことを直接伝えていきたい。特に憤りを覚えるのは、原爆が政治の駆け引きの材料に使われていることです。現在、国連では核兵器禁止条約が議論されています。そこで話せる機会があれば、被爆体験者として原爆の実態の生の声をしっかり伝えたいと思っています」
また6月にはメンバーの一部が下船をして、ニューヨーク国連本部で現在行われている核兵器禁止条約の交渉会議に参加する予定です。各国で開催する証言会でも、この禁止条約の交渉に参加するよう求めていきます。以下、記者会見出席者のコメントを紹介します。
■三瀬清一朗さん(長崎で10歳のときに被爆)
「私は10歳で被爆しました。あれから72年が経つ現在、世界は大変な危険を迎えています。原爆被害については、いかに悲惨なものだったかということがまだまだ知られていないので、世界の人たちにそのことを直接伝えていきたい。特に憤りを覚えるのは、原爆が政治の駆け引きの材料に使われていることです。現在、国連では核兵器禁止条約が議論されています。そこで話せる機会があれば、被爆体験者として原爆の実態の生の声をしっかり伝えたいと思っています」
■山村法恵さん(広島の被爆2世)
「私は被爆二世に生まれました。私が小さい頃、父は私に原爆の話をまったくしようとしませんでしたが、小学生の時に「この世の地獄を見た」と言って話してくれました。私は絶対に伝えていかなければと思いました。どれだけのことができるかわかりませんが、一所懸命伝えていきたいと思います」
■遠藤愛弓さん(非核ユース特使)
「戦争を知らない世代を中心として、核保有を肯定したり、自国中心主義に傾いている世の中に危機感を覚えて、このプログラムに応募しました。実際に被爆された方たちほど、強いメッセージを届けられる人はいません。私はそのメッセージが世界の人に伝わるように、お手伝いしたいと思っています。また、被曝者の方たちが高齢化していく中、直接証言を聞ける最後の世代とされているので、継承ということも頭に入れて頑張りたいと思います」
「私は被爆二世に生まれました。私が小さい頃、父は私に原爆の話をまったくしようとしませんでしたが、小学生の時に「この世の地獄を見た」と言って話してくれました。私は絶対に伝えていかなければと思いました。どれだけのことができるかわかりませんが、一所懸命伝えていきたいと思います」
■遠藤愛弓さん(非核ユース特使)
「戦争を知らない世代を中心として、核保有を肯定したり、自国中心主義に傾いている世の中に危機感を覚えて、このプログラムに応募しました。実際に被爆された方たちほど、強いメッセージを届けられる人はいません。私はそのメッセージが世界の人に伝わるように、お手伝いしたいと思っています。また、被曝者の方たちが高齢化していく中、直接証言を聞ける最後の世代とされているので、継承ということも頭に入れて頑張りたいと思います」
若手音楽家たちがコンサートやレッスンを実施
カラカス市民オーケストラは、1971年にベネズエラの首都、カラカスに誕生した管弦楽団です。市民が親しめるオーケストラをめざし、コンサートホールだけでなく教育機関や社会福祉施設、広場や病院などで演奏活動を行っています。団員のほとんどが、ベネズエラの音楽教育システム「エル・システマ」の出身で、エル・システマを通して子どもたちに音楽を教えてきました。今クルーズでは、20代の若手音楽家を中心に、20名が乗船。寄港地だけでなく、船内でのコンサートや文化紹介、楽器レッスンなども行う予定です。
■駐日ベネズエラ大使・セイコウ・イシカワさん
「42年前に始まったベネズエラの音楽教育「エル・システマ」は、単に教育になっているというだけではなく、子どもたちに精神的な成長を促してきました。そして現在では50カ国以上で演奏され、世界に平和の想いを伝えるという役割も果たしています。今回、私たちの誇りであるベネズエラの若者たちが、未来への希望を抱いてピースボートで世界に旅立つことを、とても嬉しく思います」
「私たちの国の憲法は、平和を求め、核兵器などの大量破壊兵器をなくすことを掲げています。そんなベネズエラの若者たちが、被曝者の方たちとともに旅をすることは、歴史的な出来事と言えます。被曝者の方々は、ピースボートに乗って何度かベネズエラを訪れています。その存在はとても大きいもので、訪れる度にベネズエラ人たちの感情は大きく動かされています。特に今回の訪問は、世界で核兵器が使われるかもしれない危機を迎えているだけに、とても重要だと考えています」
■駐日ベネズエラ大使・セイコウ・イシカワさん
「42年前に始まったベネズエラの音楽教育「エル・システマ」は、単に教育になっているというだけではなく、子どもたちに精神的な成長を促してきました。そして現在では50カ国以上で演奏され、世界に平和の想いを伝えるという役割も果たしています。今回、私たちの誇りであるベネズエラの若者たちが、未来への希望を抱いてピースボートで世界に旅立つことを、とても嬉しく思います」
「私たちの国の憲法は、平和を求め、核兵器などの大量破壊兵器をなくすことを掲げています。そんなベネズエラの若者たちが、被曝者の方たちとともに旅をすることは、歴史的な出来事と言えます。被曝者の方々は、ピースボートに乗って何度かベネズエラを訪れています。その存在はとても大きいもので、訪れる度にベネズエラ人たちの感情は大きく動かされています。特に今回の訪問は、世界で核兵器が使われるかもしれない危機を迎えているだけに、とても重要だと考えています」
音楽を通じて平和への思いを
■サダオ・ムラキさん(カラカス市民オーケストラ代表)
「日本のみなさんとともに旅をすることは、日本にルーツを持つ私にとってとても感慨深いものです。今回は、私たちには大切な役割があります。被曝者の方たちがそれぞれの寄港地に降りて証言を伝える際に、音楽を演奏して証言をより効果的に届けるということを行います。被曝者の方の話や平和への思いをどれだけ伝えることができるか、ということを一番大事にしながら演奏していきたいと思います」
「日本のみなさんとともに旅をすることは、日本にルーツを持つ私にとってとても感慨深いものです。今回は、私たちには大切な役割があります。被曝者の方たちがそれぞれの寄港地に降りて証言を伝える際に、音楽を演奏して証言をより効果的に届けるということを行います。被曝者の方の話や平和への思いをどれだけ伝えることができるか、ということを一番大事にしながら演奏していきたいと思います」
平和は、平和的な手段でしか達成できない
■吉岡達也(ピースボート共同代表)
「世界情勢が緊迫している今、被曝者の方たちとベネズエラの若い音楽家たちを乗せて世界を旅するこのクルーズは、世界にとっても大きな意味をもつ歴史に残る船旅だというふうに思っています」
「いま軍事行動をしようとしている国々は、軍事的方法によって世界を導くと考えています。しかし、平和は決して軍隊によっては達成できないし、核兵器によっても達成できません。私たちは平和的方法でなければ平和は達成できないのだ、と強く訴えたいと思います。今回のクルーズは、音楽という文化の力で平和的に核兵器のない世界を達成する具体的な行動です。これだけ平和の文化というものが力を持つんだ、ということをみなさんと一緒に証明していきたいと思っています」
第94回ピースボート地球一周の船旅は、100日間の船旅を行い、7月25日に横浜港に帰港する予定です。
なお今回の出航については、下記の各メディアで報道されています。
4月12日 日本経済新聞『世界一周で核廃絶訴え 被爆者らが船旅 』
4月12日 NHK神奈川『世界へ核廃絶訴えに横浜出港』
4月12日 ロイター『被爆者らピースボートで世界一周』
4月12日 京都新聞『被爆者らピースボートで世界一周 核廃絶訴え、横浜出航』
4月12日 共同通信『被爆者ら世界一周の船旅へ 「ピースボート」が核廃絶訴え』
4月12日 神奈川新聞『被爆者らピースボートで世界一周 核廃絶訴え、横浜出航』
4月13日 神奈川新聞『核廃絶へ「証言の旅」 被爆者ら地球一周の航海』
4月12日 中国新聞『ピースボート参加の被爆者が意欲』
4月12日 朝日新聞『被爆証言、10回目の旅 ピースボート、核兵器禁止条約後押し』
「世界情勢が緊迫している今、被曝者の方たちとベネズエラの若い音楽家たちを乗せて世界を旅するこのクルーズは、世界にとっても大きな意味をもつ歴史に残る船旅だというふうに思っています」
「いま軍事行動をしようとしている国々は、軍事的方法によって世界を導くと考えています。しかし、平和は決して軍隊によっては達成できないし、核兵器によっても達成できません。私たちは平和的方法でなければ平和は達成できないのだ、と強く訴えたいと思います。今回のクルーズは、音楽という文化の力で平和的に核兵器のない世界を達成する具体的な行動です。これだけ平和の文化というものが力を持つんだ、ということをみなさんと一緒に証明していきたいと思っています」
第94回ピースボート地球一周の船旅は、100日間の船旅を行い、7月25日に横浜港に帰港する予定です。
なお今回の出航については、下記の各メディアで報道されています。
4月12日 日本経済新聞『世界一周で核廃絶訴え 被爆者らが船旅 』
4月12日 NHK神奈川『世界へ核廃絶訴えに横浜出港』
4月12日 ロイター『被爆者らピースボートで世界一周』
4月12日 京都新聞『被爆者らピースボートで世界一周 核廃絶訴え、横浜出航』
4月12日 共同通信『被爆者ら世界一周の船旅へ 「ピースボート」が核廃絶訴え』
4月12日 神奈川新聞『被爆者らピースボートで世界一周 核廃絶訴え、横浜出航』
4月13日 神奈川新聞『核廃絶へ「証言の旅」 被爆者ら地球一周の航海』
4月12日 中国新聞『ピースボート参加の被爆者が意欲』
4月12日 朝日新聞『被爆証言、10回目の旅 ピースボート、核兵器禁止条約後押し』