国際平和デーにあたり、憲法9条違反の安保法制を非難する声明を発表しました
9月21日は、国連が定めた国際平和デーです。この日にあたり、NGOピースボートと国際運動であるグローバル9条キャンペーンは、9月19日に参議院で強行的に採決され成立した日本の安全保障関連法制に対して強い抗議の声明をあげました。声明の原文は英語で、世界中の平和団体やメディアなどに送付されました。以下にその日本語訳を紹介します。
- プロジェクト: グローバル9条キャンペーン
INFO
2015.9.21
2020.9.15
9月21日は、国連が定めた国際平和デーです。この日にあたり、NGOピースボートと国際運動であるグローバル9条キャンペーンは、9月19日に参議院で強行的に採決され成立した日本の安全保障関連法制に対して強い抗議の声明をあげました。声明の原文は英語で、世界中の平和団体やメディアなどに送付されました。以下にその日本語訳を紹介します。
国際平和デーにあたってのピースボートとグローバル9条キャンペーンの声明(2015.9.21)
世界が第二次世界大戦の終結から70年目の国際平和デーを祝うなか、ピースボートとグローバル9条キャンペーンは、日本の国会において平和憲法に違反して自衛隊が海外で武力行使できるようにする法制が強行的に可決されたことを強く非難します。
憲法9条は、日本国民が正義と秩序を基調とする国際平和を希求して、戦争を放棄し、国際紛争を解決する手段として武力の行使を禁止した、有名な平和条項です。第二次世界大戦直後に作られたこの憲法9条は、日本自身ならびに世界、とりわけ日本の侵略と植民地支配によって苦しめられた近隣諸国に対する、二度と過ちをくり返さないという誓いでありました。以来憲法9条は、東北アジアで平和と安定の維持に貢献してきた地域的・国際的平和メカニズムとして、また、平和、軍縮、持続可能性を促進する法的枠組みとして広く認識されてきました。
新たに採択された安全保障法制は、日本の伝統的な平和政策に対する数多くの攻撃のなかの最新のものです。そのような攻撃のなかには、憲法9条の解釈変更、軍事予算の拡大、長く維持されてきた武器輸出禁止の解除が含まれます。実際にこれは、安倍晋三首相による「積極的平和主義」のかけ声のもとで、集団的自衛権の行使を容認し日本が世界で果たす安全保障上の役割を拡大するという、論争の的となった閣議決定を法制化したものです。それはまた、最近改定された日米防衛協力ガイドラインを実施に移すものでもあり、アジアばかりでなく世界各地における米国の軍事戦略を日本がこれまで以上に支援することを保証するものです。
日本においてこの安保法案は、国会においても広く公衆の間でも、大きな反対に直面しました。人々の反対は、数々の世論調査や大規模な人々の反対デモによって示されました。これらデモの多くは、学生や若者たちが組織したものでした。日本の憲法学者のほとんどは(また元首相、元内閣高官、元最高裁判所長官や判事らを含め)、この法案は憲法違反であり、政府がこれを強行するやり方は法の支配からの深刻な逸脱であるとしてきました。地域レベルでは、この動きがアジアの平和と安全に対する脅威であると感じる近隣諸国が、この法制に対して懸念を表明してきました。
国際平和デーにあたり、ピースボートとグローバル9条キャンペーンは、次のことを訴えます。
・戦争放棄を定めた憲法9条の原則と条項に根本的に違反する安全保障法案の採択を、最大限に強く非難する。
・この法案の採択にあたって日本の法的手続きと民主的過程を無視したやり方がとられたことを厳しく非難する。
・この法制が地域に与えうる悪影響への深い憂慮を表明するとともに、日本ならびに地域の他の国々に対して、軍備競争を加速させ東北アジアの平和と安定を脅かすような行為をとらないよう求める。
・この法制が実施に移されることを食い止めるとともに、憲法9条がさらに侵食されることを防ぐために日本の市民社会が行っている努力を支援する。
・世界中の人々が、この法制の撤回、日本の民主主義と平和主義の価値の保持、そして、憲法9条を地域的また地球的な平和メカニズムとして守ることのために日本の人々が力強く進めている運動を支援することを呼びかける。
憲法9条は、日本国民が正義と秩序を基調とする国際平和を希求して、戦争を放棄し、国際紛争を解決する手段として武力の行使を禁止した、有名な平和条項です。第二次世界大戦直後に作られたこの憲法9条は、日本自身ならびに世界、とりわけ日本の侵略と植民地支配によって苦しめられた近隣諸国に対する、二度と過ちをくり返さないという誓いでありました。以来憲法9条は、東北アジアで平和と安定の維持に貢献してきた地域的・国際的平和メカニズムとして、また、平和、軍縮、持続可能性を促進する法的枠組みとして広く認識されてきました。
新たに採択された安全保障法制は、日本の伝統的な平和政策に対する数多くの攻撃のなかの最新のものです。そのような攻撃のなかには、憲法9条の解釈変更、軍事予算の拡大、長く維持されてきた武器輸出禁止の解除が含まれます。実際にこれは、安倍晋三首相による「積極的平和主義」のかけ声のもとで、集団的自衛権の行使を容認し日本が世界で果たす安全保障上の役割を拡大するという、論争の的となった閣議決定を法制化したものです。それはまた、最近改定された日米防衛協力ガイドラインを実施に移すものでもあり、アジアばかりでなく世界各地における米国の軍事戦略を日本がこれまで以上に支援することを保証するものです。
日本においてこの安保法案は、国会においても広く公衆の間でも、大きな反対に直面しました。人々の反対は、数々の世論調査や大規模な人々の反対デモによって示されました。これらデモの多くは、学生や若者たちが組織したものでした。日本の憲法学者のほとんどは(また元首相、元内閣高官、元最高裁判所長官や判事らを含め)、この法案は憲法違反であり、政府がこれを強行するやり方は法の支配からの深刻な逸脱であるとしてきました。地域レベルでは、この動きがアジアの平和と安全に対する脅威であると感じる近隣諸国が、この法制に対して懸念を表明してきました。
国際平和デーにあたり、ピースボートとグローバル9条キャンペーンは、次のことを訴えます。
・戦争放棄を定めた憲法9条の原則と条項に根本的に違反する安全保障法案の採択を、最大限に強く非難する。
・この法案の採択にあたって日本の法的手続きと民主的過程を無視したやり方がとられたことを厳しく非難する。
・この法制が地域に与えうる悪影響への深い憂慮を表明するとともに、日本ならびに地域の他の国々に対して、軍備競争を加速させ東北アジアの平和と安定を脅かすような行為をとらないよう求める。
・この法制が実施に移されることを食い止めるとともに、憲法9条がさらに侵食されることを防ぐために日本の市民社会が行っている努力を支援する。
・世界中の人々が、この法制の撤回、日本の民主主義と平和主義の価値の保持、そして、憲法9条を地域的また地球的な平和メカニズムとして守ることのために日本の人々が力強く進めている運動を支援することを呼びかける。