軍事費を気候対策へ。国連会議で「気候正義」の実現を訴えました

2026年6月、ドイツのボンで開催された「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第64回補助機関会合(SB64)」に、ピースボートが参加しました。世界各地で紛争が激化し、世界の軍事支出が増加するなか、軍事主義や軍事活動による温室効果ガスの排出と、気候危機とのつながりについて議論しました。
- プロジェクト: SDGs キャンペーン
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2026.10.20
2026.10.20
2026年6月、ドイツのボンで開催された「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第64回補助機関会合(SB64)」に、ピースボートが参加しました。世界各地で紛争が激化し、世界の軍事支出が増加するなか、軍事主義や軍事活動による温室効果ガスの排出と、気候危機とのつながりについて議論しました。
国連の気候変動交渉で軍事費の使い道を問いかける
ピースボートは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の気候変動交渉に参加する市民社会の公式グループ「女性・ジェンダー構成員グループ(WGC)」に参加し、軍事主義と、気候変動を人権や不平等の問題としてとらえる 「気候正義」の問題を訴えました。ピースボートのカレン・ハローズは、WGCの「気候正義のための平和と非軍事化作業部会」の共同リーダーを務めています。
この作業部会が求めたのは、軍事支出を削減し、そこに充てられている資金を、温室効果ガスの排出削減などの緩和策、洪水や干ばつなどの影響に備える適応策、気候変動による「損失と損害」への対応、そして脱炭素社会への移行に伴う負担が一部の人々に偏らないように労働者や地域社会を支える「公正な移行」に振り向けることです。
また、軍事活動による温室効果ガスの排出量を漏れなく報告し、世界全体の排出量の算定に適切に反映させることも求めました。軍隊は世界全体の温室効果ガス排出量の約5.5%を占めると推計されており、これはアフリカ大陸のすべての国々を合わせた排出量を上回ります。しかし、軍事活動による排出量は十分に把握・報告されていません。
この作業部会が求めたのは、軍事支出を削減し、そこに充てられている資金を、温室効果ガスの排出削減などの緩和策、洪水や干ばつなどの影響に備える適応策、気候変動による「損失と損害」への対応、そして脱炭素社会への移行に伴う負担が一部の人々に偏らないように労働者や地域社会を支える「公正な移行」に振り向けることです。
また、軍事活動による温室効果ガスの排出量を漏れなく報告し、世界全体の排出量の算定に適切に反映させることも求めました。軍隊は世界全体の温室効果ガス排出量の約5.5%を占めると推計されており、これはアフリカ大陸のすべての国々を合わせた排出量を上回ります。しかし、軍事活動による排出量は十分に把握・報告されていません。

「ベレン1.5℃ミッション」で発言するカレン・ハローズ
「ベレン1.5℃ミッション」(地球温暖化を産業革命前と比べて1.5℃以内に抑える目標の達成に向け、気候変動対策の実施を加速させる国際的な取り組み)に関する関係者協議では、カレン・ハローズがWGCを代表して以下のように発言しました。
「問題は資金が不足していることではなく、資金の配分にあります。地域社会が緩和策、適応策、損失と損害への対応に必要な資源を得るのに苦労している一方で、世界の軍事支出は2025年に過去最高の2兆8,800億米ドルに達しました。これは、資源が存在しないのではなく、それをどこに振り向けるかが問題であることを示しています」
「気温上昇を1.5℃以内に抑えるという目標を確実に達成するためには、軍事活動を含むすべての分野における透明性を高め、具体的な行動を起こすことが不可欠です」
「問題は資金が不足していることではなく、資金の配分にあります。地域社会が緩和策、適応策、損失と損害への対応に必要な資源を得るのに苦労している一方で、世界の軍事支出は2025年に過去最高の2兆8,800億米ドルに達しました。これは、資源が存在しないのではなく、それをどこに振り向けるかが問題であることを示しています」
「気温上昇を1.5℃以内に抑えるという目標を確実に達成するためには、軍事活動を含むすべての分野における透明性を高め、具体的な行動を起こすことが不可欠です」
軍事主義が環境や人々の暮らしに及ぼす影響を議論

ピースボートは、複数の団体とともに「平和と気候正義――排出、資金、公平性」をテーマとしたサイドイベントを開催しました。軍事活動による排出量の把握や、軍事支出の増大によって気候変動対策に回せる資金が失われること、紛争の影響を受ける地域の人々が直面する課題などについて議論しました。
登壇者からは、軍事活動による環境破壊や、気候変動対策に必要な資金の不足に加え、先住民族の権利、人権、ジェンダー平等などの問題も提起されました。軍事主義と気候危機は別々の問題ではなく、社会の不平等や人々の権利とも深く結びついていることが共有されました。
登壇者からは、軍事活動による環境破壊や、気候変動対策に必要な資金の不足に加え、先住民族の権利、人権、ジェンダー平等などの問題も提起されました。軍事主義と気候危機は別々の問題ではなく、社会の不平等や人々の権利とも深く結びついていることが共有されました。

また、WGCとともに「軍事主義に反対するフェミニスト(Feminists Against Militarism)」と題したアクションを共同開催しました。パレスチナやフィリピンなどの、戦争や占領、軍事化、気候危機の影響を受ける地域の声を取り上げました。その上で、軍事化ではなく気候変動の解決に向けた取り組みに資金を投じる必要性を訴えました。
戦争による環境破壊と人々への影響を伝える

ピースボートは、「軍事化される風景:環境破壊と、ジェンダーの視点から見た戦争の代償(Militarized Landscapes – Environmental Destruction and the Gendered Cost of War)」と題した記者会見も主催しました。
ウクライナ、パレスチナ、レバノンなどに関わる登壇者たちは、戦争や軍事化、占領による生態系の破壊、土地や水の汚染、住民の避難、温室効果ガスの排出などについて報告しました。こうした影響は、女性や先住民族、避難を余儀なくされた人々などに、特に大きな負担をもたらしています。
ウクライナ、パレスチナ、レバノンなどに関わる登壇者たちは、戦争や軍事化、占領による生態系の破壊、土地や水の汚染、住民の避難、温室効果ガスの排出などについて報告しました。こうした影響は、女性や先住民族、避難を余儀なくされた人々などに、特に大きな負担をもたらしています。

さらに、会議に合わせて市民が交流やイベントを行う場となっている 「ボン気候キャンプ」では、パートナー団体と協力し、映画『Earth’s Greatest Enemy(地球最大の敵)』を上映しました。
アビー・マーティン監督によるこの作品は、米軍を例に、軍事活動による温室効果ガスの排出や環境汚染、生態系の破壊を取り上げています。軍事活動による排出が、気候変動に関する国際的な合意や社会の議論で十分に扱われていない問題にも焦点を当てました。
アビー・マーティン監督によるこの作品は、米軍を例に、軍事活動による温室効果ガスの排出や環境汚染、生態系の破壊を取り上げています。軍事活動による排出が、気候変動に関する国際的な合意や社会の議論で十分に扱われていない問題にも焦点を当てました。
異なる運動をつなぎ、平和と気候正義を目指す

「ボン気候キャンプ」では、運動間の連携を深めるイベントも共催しました。気候正義、反軍事主義、先住民族の権利、核兵器廃絶など、さまざまな課題に取り組む人々が集まり、意見を交わしました。
参加者たちは、軍事主義や化石燃料への依存、資源の採掘、植民地主義、環境破壊が、互いにどのようにつながっているのかを探り、地域や課題を超えた運動の連携について理解を深めました。
また、WGCの代表者たちは、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」のダイアナ・ユルゲ=フォルザッツ副議長と意見交換を行いました。IPCCは、気候変動に関する世界中の最新の研究成果を評価・分析し、その科学的知見を報告書にまとめて、各国政府などに提供する国際組織です。
気候科学や温室効果ガス排出量の報告について意見交換し、軍事活動による排出など、これまで十分に取り上げられてこなかった課題を、気候変動に関する議論に反映させる重要性を確認しました。
参加者たちは、軍事主義や化石燃料への依存、資源の採掘、植民地主義、環境破壊が、互いにどのようにつながっているのかを探り、地域や課題を超えた運動の連携について理解を深めました。
また、WGCの代表者たちは、「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」のダイアナ・ユルゲ=フォルザッツ副議長と意見交換を行いました。IPCCは、気候変動に関する世界中の最新の研究成果を評価・分析し、その科学的知見を報告書にまとめて、各国政府などに提供する国際組織です。
気候科学や温室効果ガス排出量の報告について意見交換し、軍事活動による排出など、これまで十分に取り上げられてこなかった課題を、気候変動に関する議論に反映させる重要性を確認しました。
平和と気候正義の実現に向けて
今回の会議では、気候変動対策のなかで軍事主義の問題を取り上げる必要性が示されました。ピースボートは今後も、軍事活動による排出量の透明性を高め、軍事化に向けられた資金を気候変動対策に振り向けることを求めていきます。
そして、平和、気候正義、ジェンダー平等、先住民族の権利などに取り組む人々と連携し、公正で持続可能な社会の実現を目指します。
そして、平和、気候正義、ジェンダー平等、先住民族の権利などに取り組む人々と連携し、公正で持続可能な社会の実現を目指します。




