第19回エッセイ大賞の結果発表
第19回「旅と平和」エッセイ大賞では、残念ながら応募作品の中には入賞に該当する作品がありませんでした。審査委員による選評と佳作となった作品全文を掲載致します。
佳作 「拝啓 アンネ・フランク様」/赤岩真詠さん
*ページ下部よりダウンロードしてお読みいただけます。
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- プロジェクト: 「旅と平和」エッセイ大賞
INFO
2024.5.1
2024.5.1
第19回「旅と平和」エッセイ大賞では、残念ながら応募作品の中には入賞に該当する作品がありませんでした。審査委員による選評と佳作となった作品全文を掲載致します。
佳作 「拝啓 アンネ・フランク様」/赤岩真詠さん
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第19回エッセイ大賞選評
・伊藤千尋(ジャーナリスト)
応募作の舞台が地球規模になった。ロシア、インド、カナダ、香港などでの体験が書かれていて、グローバルな時代が日本社会に浸透しているのを実感する。留学や海外赴任はもはやごく普通になった。「5分」を掲げた佐竹さんや作家志望の高橋さんなど、みんな文章が達者なのも今回の特徴だ。だが、その文に書かれた世界はごく狭い。広く社会に目を向けてはいるが、目だけだ。身体を張って打って出て、社会の変革を目指そうという野性味や冒険心が感じられない。用心を重ねるあまりリスクを負うことには手を出さないという及び腰の姿勢を感じる。過去の応募者には破天荒な野武士のような人もいてダイナミックさを感じたが、今回そうした人はみあたらない。
一方で、「はだしのゲン」から広島を学び司書を目指している桑原さん、「アンネの日記」からナチスの研究に進んだ赤岩さんのように、小さいころの読書をきっかけに平和や人権の問題に深くかかわるようになった人もいる。真っすぐに自分で自分の人生を切り開いている清々しさを感じる。そこからさらに一歩を踏み出して、今の殻を破る努力をしてほしいとも思う。自分でもそう思っていて、だからこそピースボートに乗船する機会に挑戦したのだろう。しかし、与えられた機会に乗っかるのでなく自分で機会を作ってNGOやNPOなどの社会活動をし、そのうえであらためて世界を観たいというくらいの積極的な姿勢を求めたい。
応募作の舞台が地球規模になった。ロシア、インド、カナダ、香港などでの体験が書かれていて、グローバルな時代が日本社会に浸透しているのを実感する。留学や海外赴任はもはやごく普通になった。「5分」を掲げた佐竹さんや作家志望の高橋さんなど、みんな文章が達者なのも今回の特徴だ。だが、その文に書かれた世界はごく狭い。広く社会に目を向けてはいるが、目だけだ。身体を張って打って出て、社会の変革を目指そうという野性味や冒険心が感じられない。用心を重ねるあまりリスクを負うことには手を出さないという及び腰の姿勢を感じる。過去の応募者には破天荒な野武士のような人もいてダイナミックさを感じたが、今回そうした人はみあたらない。
一方で、「はだしのゲン」から広島を学び司書を目指している桑原さん、「アンネの日記」からナチスの研究に進んだ赤岩さんのように、小さいころの読書をきっかけに平和や人権の問題に深くかかわるようになった人もいる。真っすぐに自分で自分の人生を切り開いている清々しさを感じる。そこからさらに一歩を踏み出して、今の殻を破る努力をしてほしいとも思う。自分でもそう思っていて、だからこそピースボートに乗船する機会に挑戦したのだろう。しかし、与えられた機会に乗っかるのでなく自分で機会を作ってNGOやNPOなどの社会活動をし、そのうえであらためて世界を観たいというくらいの積極的な姿勢を求めたい。