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結果発表:感想文コンクール 「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を視聴して

結果発表:感想文コンクール 「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を視聴して
8月6日、広島から、オンラインイベント「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を行いました。イベントへの感想文の中から、入賞作品が決定しました。どの作品も、2つの楽器の物語と音色を深く捉え、伝えていこうとする意欲が込められていました。

受賞された桂菜奈さん、小手川瑚春さん、おめでとうございます。参加してくれたみなさん、ありがとうございました。

9月23日にオンラインで授賞式を行います。詳細はページ下部のリンクからご覧ください。
INFO
8月6日、広島から、オンラインイベント「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を行いました。イベントへの感想文の中から、入賞作品が決定しました。どの作品も、2つの楽器の物語と音色を深く捉え、伝えていこうとする意欲が込められていました。

受賞された桂菜奈さん、小手川瑚春さん、おめでとうございます。参加してくれたみなさん、ありがとうございました。

9月23日にオンラインで授賞式を行います。詳細はページ下部のリンクからご覧ください。
結果発表:感想文コンクール 「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を視聴して
【受賞者】
大賞:奇跡のピアノとバイオリン/桂菜奈さん(兵庫県西宮市、10歳)
次点:「被爆した楽器」ではない名前を持つ楽器たち/小手川瑚春さん(大阪府大阪市、17歳)

大賞を受賞された桂さんには「広島への旅」が贈呈されます。

以下に選考委員による選評と大賞受賞作品の全文を紹介いたします。

*大賞作は、ページ下部からダウンロードしてもお読みになれます。

感想文コンクール選評

結果発表:感想文コンクール 「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を視聴して
・二口とみゑ/一般社団法人HOPEプロジェクト代表理事

被爆76年目の8月6日のオンラインイベント「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器~」を視聴しての感想文コンクールには、9歳から18歳まで10人の応募がありました。この中から1編を大賞として選びだすことは、正直困難を極めました。それぞれの年齢で感じたことや考えたことは大きく異なっていましたが、どの作文も「2つの楽器」と明子さん、パルチコフさんの想いを汲み取ってくれていました。

小学生は2つの楽器の調べを聞いた感想を、とても素直に感性豊かに伝えてくれました。中には自分の経験と重ね合わせてくれた人もいます。高校生は、今回のイベントの感想だけでなく、核兵器、戦争というグローバルな視点での意見も力強く述べられていました。

大賞を受賞された桂菜奈さんの感想文は ご自身のヴァイオリンの演奏体験と重ねて、とても素直な文章で書かれていました。生きていることが「奇跡」なのだということを忘れず、次の世代にそれを伝えていきたいという強い意志が感じられ、大賞に選ばれることとなりました。

感想文コンクール選評

結果発表:感想文コンクール 「奏で継ぐヒロシマ~被爆を生き抜いた2つの楽器」を視聴して
・川崎哲/ピースボートおりづるプロジェクトディレクター、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)国際運営委員


バイオリンの演奏が大好きだという西宮の小学生、桂菜奈さんは、「楽器が生きているように感じる」ことがあるといいます。そして、パルチコフさんと明子さんのかわりに生き残ったこの楽器たちが「二度と戦争なんてしてはいけない」と教えてくれていると綴っています。私たちが今生きていることは「奇跡」なのであり、戦争の愚かさを「後世につたえて」いかなければならないという桂さんの文章は、その力強さゆえに、大賞に選ばれました。

大阪の高校生、小手川瑚春さんは、このピアノとバイオリンが単に被爆した楽器ということではなく、明子さんとパルチコフさんの名前とともに親しまれていることに「胸が暖かくなる」気持ちになったといいます。「音楽を愛せることは平和なこと」だが、それは当たり前ではないのだという小手川さんのメッセージは、桂さんの文章とも共通するものがあります。

今回素晴らしい感想文を寄せてくれた全ての皆さんに、ぜひ機会を作って広島を訪ねてほしいです。

大賞受賞作品「奇跡のピアノとバイオリン」桂菜奈

私はバイオリンを習っていて、クラシック音楽や作曲家に興味があります。そして、演奏することが大好きです。

母はピアノを弾くのが好きで、一緒に練習したり、一緒に発表会に出たりすることもあります。そこで、このピアノとバイオリンの音色を聴いてみることにしました。

まず、戦争で、たくさんの人の命がうばわれ、何もかもが失われた悲さんな状況の中でこの「明子さんのピアノ」と「パルチコフさんのバイオリン」が生き残ったことにとってもおどろき、生命力を感じました。また、二つの楽器の音色は、私たちに大切な事を語りかけてくれているようなやさしい音で、まるで生きているかのように思いました。

わたしも、毎日バイオリンをひいているとまるで、楽器が生きているように感じることがあります。また、やさしい気持ちで弾くとやさしい音を出してくれます。

だから、パルチコフさんや明子さんも、きっと、楽器に色々な思いをこめて、大切に演奏されていたのだと思います。そして、この楽器たちは、私たちに、戦争のおそろしさを伝えるために、二人のかわりに生きているんじゃないかなと思いました。

この二つの楽器が私たちに教えてくれたこと。それは

「二度と戦争なんてしてはいけない。」

ということです。一発のばくだんで。一しゅんの出来事で。たくさんの人の命がうばわれ、幸せも、思い出も、希望も、何もかもが失われました。

人は争うために生きているわけではありません。幸せを分かち合うために生きているのです。戦争なんて、何の意味もありません。わたしたちは、この二つの楽器から学んだことをいつも心にとめ、そして、後世につたえていくことが大切です。

わたしは毎日、当たり前のことのように、勉強したり、テレビを見たりしていますが、これらのことは奇跡なのです。生きているだけで、奇跡なのです。

だから、今、生きていることに感しゃして一日一日を大切に生きていこうと誓いました。そして、明子さんのピアノと、パルチコフさんのバイオリンの優しくて美しい音色から学んだことを心にとめて、戦争でたくさんの人の命がうばわれたこと、生きているだけで奇跡なんだということを、次の世代に伝えていきたいと思います。明子さんのピアノとパルチコフさんのバイオリンへ。二人の代わりに必死で生きのびてくれて、本当にありがとう。

作品をダウンロードして読む

大賞作は、こちらのPDFファイル(A4横・縦書き)でもお読みになれます。

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