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第13回エッセイ大賞の結果発表

第13回エッセイ大賞の結果発表
第13回「旅と平和」エッセイ大賞では、残念ながら応募作品の中から入賞に該当するものがありませんでした。審査委員による選評を掲載いたします。
第13回エッセイ大賞選評 大賞 該当作品なし
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第13回「旅と平和」エッセイ大賞では、残念ながら応募作品の中から入賞に該当するものがありませんでした。審査委員による選評を掲載いたします。
第13回エッセイ大賞選評 大賞 該当作品なし

第13回エッセイ大賞選評

●伊藤千尋さん(ジャーナリスト)

これまで何度も選考に当たったが、今回ほど応募作をさっと読めたことはなかった。作品が優れていたからではない。それだけ内容が軽いということだ。「これはすごい」と選者に思わせるものが、ない。読んでいて「目を留める」部分が、ない。外国に行ったことがある、住んでみた、外国人と接した、国内を旅してみた…「で、どうしたの?」と問いたくなる作品がほとんどだ。

過去の応募者の中にはアウシュビッツに9回行ったとか、ピース・ウオークという活動を自ら生みだして米国の先住民に溶け込んで生活したとか、よくここまでやったなあと思えるほど「濃い」内容のものがあった。読み進めるにつれ「目を留める」どころか「目を見張る」ことも多々あった。この人がピースボートに乗ればその世界はさらに広がり、やがては世界の平和に具体的な貢献をするだろうと確信させてくれる手ごたえがあった。そのようなものでなければ、世界一周というプレゼントに価するはずがない。

そうした中で高校生の川手さんが異文化体験を手掛かりに「私の当たり前は他の世界の当たり前と違う」ことに気付いたと書いている。問題を意識したことは素晴らしいことだ。だが、それは緒に就いた段階でしかない。問われるのは、そう思った自分がこう考えてこんなことをしてみた、という意識的かつ具体的な行動である。そのレベルまで至って初めて選者をうならせるだろう。がんばってほしいものだ。今回は残念ながら該当作はナシと考える。

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