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核廃絶国際デーにあたり、北朝鮮の核実験に対する声明を出しました

核廃絶国際デーにあたり、北朝鮮の核実験に対する声明を出しました
ピースボート船内に集まった日韓の参加者とともに(2016年8月5日、長崎)
9月26日は、国連が定める「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」です。これに合わせてピースボートは、今年に入りくり返されている北朝鮮の核実験に強く抗議するとともに、あらゆる核兵器を禁止する国際条約と朝鮮半島の平和体制構築を求める声明を発表しました。
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ピースボート船内に集まった日韓の参加者とともに(2016年8月5日、長崎)
9月26日は、国連が定める「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」です。これに合わせてピースボートは、今年に入りくり返されている北朝鮮の核実験に強く抗議するとともに、あらゆる核兵器を禁止する国際条約と朝鮮半島の平和体制構築を求める声明を発表しました。

北朝鮮の核実験に対するピースボート声明 <核兵器禁止条約と朝鮮半島の恒久的平和の実現を今こそ>

北朝鮮の核実験に対するピースボート声明
核兵器禁止条約と朝鮮半島の恒久的平和の実現を今こそ

9月9日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が5回目の核実験を国際社会の強い反対にもかかわららず強行しました。

私たちは、この核実験に対して強く抗議するとともに、核開発の即時停止を求めます。そして、東北アジアにおける核戦争の脅威をなくすために、世界の各国に対して、核兵器禁止条約の締結と一刻も早い朝鮮半島の恒久的平和の実現への努力を強く求めます。

いかなる国であっても、非人道的な無差別大量殺戮と地球環境に対する壊滅的破壊をもたらす核兵器を開発することは、世界の安全保障と人類の存続に対する脅威です。

しかし、現実には核保有が一部の国に許されて他の国には許されないという差別的な状況が続いています。北朝鮮の核実験は国連の制裁対象となる一方、米国と中国は包括的核実験禁止条約(CTBT)にいまだ批准していません。そのためCTBTは成立から20年経った今日なお未発効です。いかなる国にとっても核兵器は許されないという法的ルールを確立することこそが、北朝鮮を含め、核保有国とならんとする国々の核開発を抑止することができるのではないでしょうか。

その意味で私たちは「核兵器禁止条約」の国連総会における交渉開始の動きに大いに期待します。ピースボートはこの核兵器禁止条約の実現を核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の仲間たちと共に全力で応援してきました。来月の国連総会第一委員会では、核兵器禁止条約の交渉開始に向けた決議が予定されています。そうしたなか私たちは10月20日、第92回ピースボートのニューヨーク寄港時に被爆者の方々と共に国連本部でこの核兵器禁止条約の必要性を強くアピールします。

また、一方で東北アジアにおける冷戦構造を終わらせ、朝鮮戦争の休戦協定を恒久的な平和条約に置き換えるための努力も倍加させなければなりません。

すでに政府レベルでは2005年の六カ国協議の共同声明で、市民レベルでは同年の「武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ(GPPAC)」の東北アジア地域行動提言で、この地域の持続的な安全保障機構の必要性が明確に示されています。私たちは、これらの提言のもと、相互的な軍縮措置、戦後補償と拉致問題を含む過去の清算、人道支援、経済協力、そして国交正常化と平和条約締結を促進させる地域的な安全保障の構築を求めます。そして、それを下支えする市民社会による平和構築活動が不可欠だと考えます。

中東地域では、制裁を受けることもなく核兵器を保有するイスラエルとそれに対抗姿勢を示すイラン、そしてその周辺のアラブ諸国の間の緊張が深刻化し、核戦争の危機が内在すると言われています。このような危機を回避するためには、中東の非核兵器地帯化が不可欠であると国際社会は認めてきました。

東北アジア地域もこのままでは、同じような核兵器を含む軍拡のスパイラルに陥ち入り、将来、核戦争の危機に直面する可能性が急速に拡大しています。韓国で高まる核武装論や、日本における昨年の安保法制や改憲論は、この危機を加速させるものです。今こそ、東北アジアの非核兵器地帯化と朝鮮半島の恒久的な平和実現に向けて大きく舵を切らなければなりません。

そのとき、広島・長崎の惨禍に加え、日本を含むアジアの人々の膨大な犠牲の上につくられ、今日まで日本の市民によって支えられてきた平和憲法は大きな役割を果たします。核をなくし、戦争を二度と起こさないという決意をした憲法9条を東北アジアの地域で、そして世界で生かしていくことが今こそ必要です。私たちは市民として声を上げ、さらなる行動を続けていきます。

2016年9月26日
核兵器の全面的廃絶のための国際デーに

NGOピースボート

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