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「福島からつながる声――核なき世界をめざして」を開催しました

「福島からつながる声――核なき世界をめざして」を開催しました
ピースボートの川崎哲(左端)、畠山澄子(右端)
2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から、今年で15年になります。原発事故以降、ピースボートは福島を始め、国内外の多くの人たちと協力し、原発のない、そして核のない社会作りをめざしてきました。

2026年3月1日に都内で、ピースボートと国際環境NGO FoE Japanは、今なお続く被害の現状を共有し、核のない社会への歩みを確認するための国際シンポジウムを開催しました。
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ピースボートの川崎哲(左端)、畠山澄子(右端)
2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から、今年で15年になります。原発事故以降、ピースボートは福島を始め、国内外の多くの人たちと協力し、原発のない、そして核のない社会作りをめざしてきました。

2026年3月1日に都内で、ピースボートと国際環境NGO FoE Japanは、今なお続く被害の現状を共有し、核のない社会への歩みを確認するための国際シンポジウムを開催しました。

原発事故の被害を語り継ぎ、核に依存しない社会へ

「福島からつながる声――核なき世界をめざして」を開催しました
武藤類子さん
第1部では、ピースボートの川崎哲が、原発の問題は国際的な核の問題とつながっており、処理汚染水による周辺国への不安が国際環境問題となっていること、ロシアによるウクライナ侵攻で見られた原発が武力行使の対象となっている点などを提起しました。

福島県三春町在住の武藤類子さんは、原発事故当時、ヨウ素剤は配布されず、SPEEDIの情報は公開されなかったことなどを振り返りました。また、15年が経つ今、避難者は2万3千人と報道では報じられていますが、市町村のデータでは5万4千人が帰還をしていないことを示していると、今も原発事故の被害が続く福島の現状を訴えました。

FoE Japanの矢野恵理子さんは、保養プログラムとして実施している福島ぽかぽかプロジェクトで、当初避難できなかった人が利用していた状況から、住宅支援の打ち切りにより福島への帰還者が増加し、その後コロナにより3.11のフラッシュバックがあったりなど、利用者の声を紹介し、表に現れてこない親御さんの悩みなどを伝えました。

国や司法判断による「安全神話」回帰へ抗う

「福島からつながる声――核なき世界をめざして」を開催しました
河合弘之さん
第2部では、北海道や新潟、宮城、石川、佐賀など各地の原発が抱える非常用発電の不具合の放置やデータ捏造といった問題があるなか、政府や電力会社は再稼働させようとしていることが提起されました。

福島から北海道に移住している地脇美和さんは、国内避難民の人権に関する国連特別報告者のセシリア・ヒメネス=ダマリーさんが2022年に来日し、原発事故後の避難者の状況を調査した報告書について言及し、国連人権機関の設立を訴えました。

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟の河合弘之さんは、弁護士として3.11直後に脱原発弁護団全国連絡会を作り、これまで20件以上の裁判にかかわってきていることから、2026年1月に発覚した浜岡原発のデータ捏造は今司法で注目されており、私たち市民が民意をかき混ぜる運動を続け、粘り強く闘い続けないといけないと訴えました。

原子力ではなく、命と尊厳を優先する社会へ

「福島からつながる声――核なき世界をめざして」を開催しました
デイブ・スウィーニーさん
第3部では核のない世界をめざして、台湾、マーシャル諸島、オーストラリア、ドイツなど、各地から核のない世界をめざした道筋について議論しました。

台湾の緑色公民行動連盟のツィ・スーシンさんは、福島原発事故以降、台湾では市民運動や長い議論を経て、順次廃炉していき、今は脱原発を達成したことを報告しました。

フィリピンの脱原発バターン運動のエンリケ・ベレンさんは、政府は住民の声を無視して、バターン原発を2032年までに強引に稼働させようとしていることを報告しました。

オーストラリアの豪州環境保護基金のデイブ・スウィーニーさんは、福島原発の燃料はオーストラリア産のウランであり、それらのウランは先住民の土地から同意なく持ち出されたものであることを伝えました。また、昨年オーストラリアで行われた総選挙では二大政党間で原発導入にイエスかノーかで分かれ、オーストラリアの国民は再生可能エネルギーを推進する政党を選んだと報告しました。

マーシャル諸島教育イニシアチブのベネディクト・カブア・マディソンさんは、3月1日はマーシャル諸島でビキニ実験が行われた日であり、67回の核実験が行われ、その灰は太平洋を飛び越えて日本の漁師の被曝による深刻な事態を引きを越したと報告しました。

ピースボートの畠山澄子は、広島や長崎の被爆者が船に乗り、世界各地で証言を行う「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」や、福島の子どもたちが船に乗り国際交流を行う福島子どもプロジェクト、さらにアジアやマーシャル諸島の方々が集まった核被害者フォーラムなど、これまで行ってきた活動を報告しました。

ドイツ環境自然保護連盟のユリアネ・ディッケルさんは、ドイツでは再生可能エネルギーの電力量に占める割合は約60%で、2025年には風力、太陽光が強いときがあり、一時的に100%を達成したと報告しました。ただその一方で、ドイツでは原発停止後も廃棄物の処理の問題を抱えており、2017年から適地を調査しているとの報告も行いました。

今回のシンポジウムでは、国内外から原発、核の問題について報告がなされるとともに、核のない社会を作るための意見交換を行いました。その中では、原子力は単なるエネルギー問題ではなく、先住民の土地利用や社会的正義、文化の破壊に直結していることが可視化されるとともに、福島の教訓を忘れず、脱原発、核なき世界をめざす方向性が共有されました。

これからもピースボートは国内外の多くの市民をつなぎ、よりよい社会を作るために動き続けます。

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